山口隆『4月29日の尹奉吉』

書評より

●[SIN−A(新亜公論社) 1999/2月号]

「安重根の名前は知っていても、尹奉吉を知らない日本人が圧倒的に多い。歴史に隠蔽されてきたからである。……日本では殆ど知られていない上海抗日戦線と韓国独立運動の足跡、上海臨時政府の内部分裂といった負の部分までもがあからさまにされている。……尹奉吉を救国の義士として位置づけている韓国民からすれば、不愉快な部分があるのは仕方ないかも知れないが、山口氏が徹底的に研究した上で得た真実は尊重すべきであろう。
 尹奉吉の爆弾事件は、世界から見ればレジスタンスである。だからこそ中国人と朝鮮人の共闘に結びついた。日本がこれを単なるテロと認識するのは、アジアの視点を持たず敗戦の総括すらしてこなかった国家と国民双方のエゴなのである」。

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