梅本浩志

『ユーゴ動乱1999』

書評より

●[奈良新聞 1999/10月24日]

「本書は、ユーゴ動乱を歴史的背景から描き出し、その真相に迫った力作である。とりわけ第二次世界大戦後、非同盟主義と自主管理体制を骨格とするユーゴスラビアを建国し、バルカンの地に民族和解と安定をもたらしたチトーの思想と実績を詳しく紹介し、チトー没後のユーゴの官僚・テクノクラートたち、とりわけ大セルビア主義を振りかざすミロシェヴィッチがいかにして旧ユーゴの優れた社会体制を崩壊させ、再び民族対立の炎を燃え上がらせたのかを浮き彫りにしている。二十一世紀の国際社会を読み取るための重要なチャートと言える一冊である。」

●[琉球新報 1999/9月12日]

「多民族国家ユーゴで一民族に肩入れした政策は破綻する。ミロシェヴィッチの唱える大セルビア主義はコソヴォで多数を占めるアルバニア系住民にとっては集団虐殺の序奏に聞こえる。著者はミロシェヴィッチを『民族主義の自家中毒』に陥った『小スターリン』と呼ぶ。NATOの空爆は自家中毒の病人を治すことにはつながらなかった。一体、米やヨーロッパ諸国はユーゴ侵略に疑問を持たないのだろうか? 『ベオグラードの夏』の著者・梅本氏が二十年ぶりにユーゴ問題の深層を読む。(緒方修・沖縄大学教員)」

読書カードより

●[2001/2月2日]

授業のレポートの参考にするため本書を購入しました。分かりやすい言葉で詳しく記述されているので非常に読みやすく、ユーゴスラビアの過去と現状について、さらなる関心を抱きました。同時に自分なりの問題意識が持てて、私にとってプラスとなる一冊でした。
(奈良県在住、大学生、21歳)

●[1999/8月5日]

1999年のユーゴでの出来事よりも91年のユーゴ解体まで(チトー時代)の話の方が多く少々ものたりなかった。でも具体的で面白かった。ユーゴなどバルカン諸国に関するものをもっと発行してほしい。あまり難しくない記述のものを。
(千葉県在住、出版社勤務、23歳)