パトリック・ミニョン『サッカーの情念』

書評より

●[リテレール 2003/12月号]

「このフランスの老社会学者には頭が下がる。スタジアムへ足を運び、サポーターと化し、冷静な分析をする。ナショナリズムが純粋に形成されるというのは大嘘だ。リージョナル(地域主義的)な視点との抗争なくしてはあり得ない。(陣野俊史=批評家)」

●[サンデー毎日 2002/6/9号 書評]

「毎週スタジアムに足を運ぶ熱狂するサポーター、熱狂が暴動に発展するフーリガん。彼らの、あのサッカーに賭ける情念の正体は? サッカーを社会的側面からアプローチし、感動する共同体のメカニズムを解析した画期的論考」。

●[日本経済新聞 2002/4/14 書評]

「近年、大衆文化研究の隆盛に合わせて、サッカーの社会学がずいぶん出版されている。全体として、かつての戦績や戦術や選手中心の歴史から、階級・地域・民族・国家のアイデンティティ、暴力や産業、映像やジャーナリズム、建築や空間のような問題へと関心が移っている。サッカーは試合の限られた時間や空間の枠をこえて、社会の本質にかかわり、人々の価値観や感情、政治的態度、自分らしさ、自分たちの拠り所を表出するまたとない小宇宙である。本書はこのような最近の考え方を、サポーターの組織化と暴力を中心に論じている。……サッカーがピッチの上やスタジアムの中で完結しているわけではなく、その外側の社会全体の仕組みとこれだけ深く関わっているのか、と分析の深さに感嘆する」(細川周平)。

●[読売新聞 2002/3/30 記事「サッカー本 空前のラッシュ」]

「日本でもその対策が練られているフーリガンを生んだ社会背景を分析した学術的な著作。……ヤワなサッカー本に飽き足らない人向けか」。