白井久也編著『国際スパイゾルゲの世界戦争と革命』

書評より

●[週刊金曜日 2003/5月23日]

「……日本敗戦の前年、一九四四年一一月七日に刑死した国際スパイ、リヒアルト・ゾルゲは魅力的な男だった。
 その四九年の生涯は日本を代表する映画監督・篠田正浩さん(七三歳)をひきつけ、六月に封切りする新作『スパイ・ゾルゲ』を一〇年がかりで作らせている。
 この本で篠田さんはその製作意図を語っているが、『物凄い女たらし』であり、大酒飲みでオートバイの酔っぱらい運転で大怪我をしたゾルゲは、およそ“忍者”らしからぬ男だった。
 ……『ゾルゲを通して昭和時代をとらえ直す』仕事に篠田さんは一〇年をかけた。『朝日新聞』モスクワ支局長として旧ソ連時代に在任した編集者の白井久也さんらにとっても、ゾルゲは日本を映す外界の鏡だった。(坂本龍彦/ジャーナリスト)」

●[2003/4/4 週刊読書人]

「今回……第二回シンポジウム記録で旧ソ連資料を網羅した本書が加わり、長く流布してきた伊藤律供述端緒説やゾルゲ=独ソ二重スパイ説はもとより、もっぱら日本の特高資料に頼ってきた事件の解明を抜本的に刷新する条件が整った。……当時のアジアにおける戦争と平和をめぐる情報戦の全容が見えてくる。(加藤哲郎/一橋大学院教授)」

●[東京新聞 2003/1月26日]

「ソ連のスパイとして日本で諜報活動を行い、一九四一年に逮捕、処刑されたゾルゲについての、日露の研究者による論集。情報収集だけではなく一種の政治活動を展開していたことや、学者的な知識と態度を持っていたことなど、多面的に論じられている。」

読者カードより

●[2003/2/9]

本書が広く読者に迎えられることを期待いたします。第一回と今回のゾルゲシンポジウムの全記録出版は、出版社の良心を示したものと思います。(東京都在住、83歳)