プロローグ 天の声はこうして出来た
1――「つくる会」教科書を読む
「つくる会」の『中学歴史』申請本を読む
「歴史は科学ではない」と断言した「つくる会編」の教科書…[原始]――疑惑の前期旧石器を絶賛し、日本独自の文化を強調…[古代]――神話を頻繁に登場させ、為政者の視線で歴史を見る…[中世]――元寇と和冦の対照的な扱われ方…[近世]――思想家の扱いに「つくる会」の好みが出る…[近代]――戦前の『修身』ばりの軍国美談が復活…[排外主義]――中国・朝鮮だけでなく、反米思想も基調に…[十五年戦争]――戦争に善悪はつけがたい?…[戦後]――国際公約に反する東京裁判批判…[総括]――教科書としては失敗作
「つくる会」の『中学公民』申請本を読む
「つくる会」はなぜ公民教科書を作成したのか?…[グラビア]――対外的危機を煽る視覚的行為…[平和憲法]――九条改憲を強く主張し、軍縮に敵対…[民主主義]――市民運動・住民運動・マスコミを敵視…[天皇制]――天皇は万世一系?…[総括]――ナショナリズムでグローバリゼーションに対抗
2――[資料解説]教育とナショナリズム
近代日本教育史とナショナリズム
近代天皇制の創出…「諭吉の近代」と「音吉の近代」…臣民をつくる教育――教育勅語…近代学校行事と「国民の祝日」…国定教科書への道…「南北朝」改め「吉野朝」に…軍国主義教育とは――戦時下の修身・国史教科書…植民地民衆と在外邦人の戦争動員
戦後日本教育史とナショナリズム
軍国教育の一掃…戦後教科書会社の出発…「新教育勅語」論議…教育勅語等排除・失効に関する決議…戦後教科書攻撃の源流――うれうべき教科書の問題…政府が考える良い日本人とは?――期待される人間像…家永教科書検定訴訟…一九八二年教科書問題…戦後五十年の節目に…新国家主義の台頭――「つくる会」教科書運動・検定申請本をめぐる内外の反響
3――アジアから見た「つくる会」教科書
『ハンギョレ新聞』のスクープ…韓国では報道合戦に…香港ではテレビ報道から…朱鎔基首相来日を前に、中国も本格報道
4――大学のキャンパスから
島根大「天皇小論文入試」事件とは何だったのか?
右翼の脅迫に揺れた大学…天皇の戦争責任を鋭く問う入試問題…新課程の教科書でも天皇問題は常識…島根大学の経験が示したもの
中国人留学生たちを怒らせた静岡県立大教授のアジア蔑視教育
アジアからの留学生たちの抗議…「不正行為」を口実に留学生たちを排除…なぜ絶対的な権力を持つ教授が擁護されるのか?…なお残る留学生たちの名誉回復と逸失利益の補償問題
外国人留学生を迫害する日本のキャンパス
「支那」が連発された講義…解決への道遠い静岡県立大《レッドカード》事件
5――“ナショナリズム”の陥穽
石原「支那」差別発言が惹起した日中間の軋轢
拡大する日本の華僑・華人社会…石原候補の「支那」差別発言…海外の華僑・華人社会にも波紋…「一種の革命」の怖さ
アジアの教科書とナショナリズム――両岸三地の教育事情を見る
1中国の教科書…2台湾の教科書…3香港の教科書…4まとめ――複雑な華人社会のエスニック・アイデンティティー
『教育勅語』失効す!――国会で何が議論されたか
『教育勅語』の風景…敗戦と『新教育勅語』の奏請…『教育基本法』下で生き残る…衆参両院の失効決議…「神の国」の懲りない人々
エピローグ 日本史という罠――歴史における自国中心主義の陥穽
歴史教科書攻撃の年譜
あとがき