序 本書の課題――対象・方法・構成
第1部 公教育と〈処分―裁判〉――その論理と構造
第一章 行政処分と行政訴訟制度の形成
第一節 帝国憲法と行政裁判
第二節 裁判制度と行政訴訟制度の成立と展開
1 帝国憲法以前の裁判制度
2 行政訴訟制度の形成と行政裁判
3 行政訴訟と市制町村制・行政裁判法・訴願法
第三節 行政訴訟運動における抵抗と包摂――処分と紛争の制度化の諸相
1 行政訴訟運動と行政処分――構造と論理
2 行政訴訟運動の制度化と統治の構造
第二章 公教育と争訟――訴願・行政裁判をめぐって
第一節 小学校令と訴願規定
第二節 小学校令の訴願規定――位置づけと解釈・評価
1 訴願規定の位置づけ
2 教育行政法規解説書における解釈
第三節 公教育の中の争訟――制度化と包摂をめぐって
第三章 公教育と国家支配――三権分立をめぐる擬制と現実
第一節 公教育と国家――制度論的方法をめぐって
第二節 公教育と三権分立
第三節 教員〈処分〉論――概念、対象および方法
1 教員〈処分〉論――概念について
2 教員〈処分〉論の対象と方法――公教育論への視点
おわりに――公教育論の課題と視点
第2部 公教育の支配装置――教員処分体制の形成と展開
第一章 処分規範と教員処分の創出――教員処分体制の形成期
はじめに
第一節 中央教育行政組織の整備と教員処分体制
1 私家塾教員の取締り――教員処分の端緒
2 督学局の制度化
3 教員の身分法制
4 官立師範学校の整備
第二節 地方教育行政の整備と教員処分体制
1 教員資格の制度化と処分規範
2 教員をめぐる黜陟体制
第三節 教育の自由化政策と教員処分体制
1 教則・教授法の自由化の動き
2 自由化と統制政策
3 契約雇用について
第四節 自由民権運動の中の教員観
1 民権派の教員観の位置づけ
2 『月桂新誌』の中の教員観
3 処分規範としての「品行」――賞罰論から懲戒論へ
4 処分事例と裁判に関わる言説
第五節 「品行」を基底とする処分法制の制定過程――一八八一年以前の動向
1 「品行」概念と教員処分規範
2 翻訳教育書の影響
3 処分法制の準備過程
第六節 「品行」を基底とする処分法制の制定過程――一八八一年以後の動向
1 処分法制の制定過程
2 教員の身分・待遇の新たな位置づけ
第七節 教員処分をめぐる行政機構の再編
1 中央官僚機構の再編過程
2 中央行政機構――文部省の改組
3 三新法制定以降の地方教育行政機構の再編
4 地方と中央の行政機構の連関構造
第八節 処分法制の運用と裁判
1 処分法制の運用――『文部省年報』の分析に基づいて
2 〈処分―裁判〉と教員
第二章 「小学校令」制定と教員処分体制の構造――教員処分体制の確立期
第一節 教員処分体制の確立期の概観
はじめに
1 一八八〇年代後半から一八九〇年代における教員処分体制の確立過程
2 教育勅語、「御真影」と教員処分体制――「不敬規範」体制の強化
3 政治活動規制諸法令――「箝口訓令」と教員処分体制
第二節 教員処分法制の成立と変遷――第一次小学校令から第三次小学校令制定までを中心として
1 師範学校、教員免許と資格に関する法制度
2 教員の身分、待遇、任用、進退、給与、恩給に関する法制
3 教員の服務、懲戒、訴願に関する法制
第三節 往復文書による教員処分体制の構築過程
1 教員処分に関わる行政機構の整備
2 往復文書に見る教員処分の実際
第四節 教員処分と訴訟・裁判実例をめぐって
1 教員処分規範の特徴――司法による処分との関わりについて
2 教員処分に関わる訴訟・裁判
第五節 官吏諸制度と教員処分制度
1 官吏諸制度の特質と待遇官吏としての教員
2 日本近代官吏諸制度の形成過程――内閣制度創設前後を中心にして
3 教員処分制度の確立と官吏諸制度――第一次、第二次小学校令期を中心として
第三章 一九〇〇〜二〇年代における教員支配の構造――教員処分体制の展開期(一)
はじめに
第一節 国内における教員処分体制の変遷
1 当時の教員をとりまく社会情勢
2 小学校教員関係の処分法制の変遷
3 代用教員に関する教員処分法制の整備
4 恩給関係諸法制の整備と教員
5 兵役関係の法制整備と教員
6 公立学校教員に関する処分法制の整備
第二節 植民地教育における教員処分体制の整備
1 帝国憲法下における植民地の位置づけ
2 各植民地における教員処分法制の概略
3 植民地における教員処分の実態
4 教員の植民地と日本国内の異動をめぐって
第三節 展開期(一)における教員処分の実態
1 教員処分の事例――『教育時論』等を参考に
2 教員が関係した判例
3 「大正自由教育」と教員処分
4 教員の権利意識と処分―裁判
おわりに――教員処分体制の修整に向けて
第四章 一九二〇〜三〇年代の教員処分体制と公教育――教員処分体制の展開期(二)
はじめに
第一節 第三次小学校令以降の教員処分体制――その構造と特質
1 教員処分概念の構成
2 教員処分体制と教員法制
3 教員処分体制と市町村小学校職員の責任――懲戒処分の構造と特質
4 教員処分体制の特質
第二節 帝国憲法下における教員処分体制の実際――一九二〇年代後半から三〇年代の動向を中心にして
1 教員処分の動向とその制度的運用の特質
2 教員処分に対する訴願と行政訴訟――国家的決済の構造に関して
3 教員処分の動向とその構成――一九三〇年代の教員処分の構図
第三節 教員処分の構造と論理――教員処分の実態を中心として
1 教育処分体制と処分の論理
2 教員処分の実際とその構造――一九三〇年代の教員運動弾圧等と教員処分体制
第四節 教員処分体制の変容と修整
1 官吏制度の変容とその構造――一九〇〇年以降一九三〇年代までの状況
2 教員処分体制における教員の分限――第三次小学校令以降を中心として
3 小学校教員の待遇・身分と教員処分体制の変容
4 教員処分体制の修整と新たな構築
第五章 「国民学校令」以降の教員処分体制――教員処分体制の総括・転成期
第一節 「国民学校令」以降の教員処分法制
1 「国民学校令」成立まで
2 官吏待遇期の教員処分法制
3 官吏期の教員処分法制
4 公務員期の教員処分法制
第二節 官吏待遇期における教員処分の実態と裁判
1 教員に対する思想統制の強化と教員処分
2 教員処分の実態と裁判
第三節 官吏期における教員処分の実態
1 教職適格審査――先行研究について
2 教職適格審査の経緯と実際
3 教員処分からみた教職適格審査の意味
おわりに――教員処分体制の果ての始まり
むすび
参考文献
あとがき
[資料]
教員処分法制及び関連事項年表(学制期〜国民学校令期)
教員処分に関する文部省と地方学務当局等との間の往復文書一覧
――教員処分体制の確立期(一八九〇年〜一九〇〇年)