●[読売ウィークリー 2003/11月16日号]
「ハイライトは『愛断ち』――つまり別れである。二人の仲は二重に裂かれる。島崎家の決定として、さらに当の藤村の手によって、裂かれた。愛を断たれたこま子は以後、驚くべき変身を遂げる。京都大学の、今でいう過激派サークルに関係し、革命者としての道を歩む。国家権力から容赦のない弾圧を受ける。しかし、こま子はひるまない。なぜ、それほど『ラジカル』なのか。作者は、そこに藤村との激しい愛と別れを見る。藤村は『夜明け前』の執筆を決意し、こま子との関係を整理。愛を断たれたこま子だからこそ、後に自身の『夜明け前』を行動で書き下ろしたのだとする作者の筆致は、冴え渡る。」
●[共同配信 2003/10月]
「島崎藤村とめいのこま子。二人の道ならぬ愛は周囲から許されることなく、別々の人生を歩んだ。……本書は、二人の軌跡をパラレルに追う。特に資料に乏しい別離後のこま子の足跡を慎重に再現しつつ、明治維新に『天皇制ユートピア』の実現という夢をかけた藤村の父親の姿に重ねていく。」
●[読売新聞 2003/10月19日号]
「島崎藤村は姪こま子との不倫関係を長編『新生』で告白したが、その後のこま子の実像を探り、彼女の人生を浮き彫りにする。……こま子の藤村文学に占める意味を詳細に検証、藤村研究に話題を投じる労作だ。」
●[2003/11月16日]
思いもよらぬ方法に一驚、久しぶりに読書の醍醐味を満喫いたしました。とは言え藤村の偉大は己の罪過と他への犠牲をも作家活動の肥料に変えてしまう希有の自我愛とエネルギーにありましょう。(大阪府在住、無職、68歳)
●[2003/11月10日]
「こま子」は強い意志をもってラジカルに生きた。藤村にはできなかった「夜明け前」のために生涯をささげた女性であり、単なる「犠牲者」ではなかった。(神奈川県在住、無職、67歳)
●[2003/10月23日]
島崎こま子の晩年を知りたかったので、新聞で書評を見たときは非常に嬉しかった。本書でこま子の心が判り、納得することができ、著者に感謝しています。(山梨県在住、無職、72歳)。
●[2003/10月21日]
平野謙の島崎藤村(岩波現代文庫)と本書とで、藤村を読む意欲が誘発される。あとがきにある、マスコミは報道機関ではなく扇動機関に成り下がってしまったという部分に同感。(千葉県在住、73歳)。
●[2003/10月14日]
少ないデータを元によくぞここまでこま子さんのことを調べ上げたことには、ただただ感心します。藤村の後半生は数あれど、姪のこま子さんはどのような後半生を歩んだのか。長年わだかまりがありましたので、これで“すっきり”した気分です。(長野県在住、会社員、40歳)。