栗原幸夫『世紀を越える』

書評より

●[週刊読書人 2001/4月13日]

「前世紀をふりかえるとき、多くの人たちが、苦い気持ちで見るべきほどのことは見たという思いにかられる。著者も例外ではない。いや、社会主義に希望を託して生きてきた(いる)著者の場合は、幻滅はいっそう深いものがあるというべきだろう。……(しかし)二〇世紀の経験のなかに、『もしかしたら有りえたかもしれない他の可能性、つまりもうひとつの二〇世紀を発見すること』、著者が、多様な主題を論じた本書で一貫して試みるのは、そのことである。(太田昌国/編集者・民族問題研究者)」