●[朝日新聞 2001/11/18 読書]
「『アイヌときどき日本人』という写真集の新しさは、まず東京都民として生きるアイヌの群像を提供しているところにある。工事現場で働くアイヌと、地下鉄で通勤するアイヌ。多摩川のほとり、電車の高架線の下でカムイへの祈りの儀式を行うアイヌ。『苛酷な同化』によって抑えられた文化の模様を取りもどそうとしながら、しかし都市の住民として現代の生活を営んでいる。近代史によって強いられた生活の多重性が、等身大に映り、顔と表情の動きとして現れてくる。……ここにいたるまでの一人一人の『近代史』を、見る人が知りたくなる。『現代』をめぐっての、一つの真実をつかんだ本だからこそ、イメージに触発されて、より詳細な物語を聞きたくなるのである。(リービ英雄=作家)」
●[北海道新聞 2001/11/18 ほん]
「一九九二年から十年間に撮影した、三十六枚撮り七百本のフィルムから百四十枚を選んだ。伝統的な様式による結婚式に始まり、民族の文化・歴史を知らせる『レラ(風)の会』の活動、踊りや儀式の伝承風景など、アイヌ民族の誇りを持ち都会に暮らす人々の、生き生きとした表情が活写されている。」
●[東京新聞 2001/11/4 読書]
「本書はアイヌの生活を追い続けてきた女性写真家による、主に東京やその近郊に暮らす彼らの姿を浮き彫りにした写真集。……『日本人』として生きる中で、アイヌ民族の伝統や文化を学び、自然との共生を現代に体現してゆこうとする老若男女たちの姿が読みとれる。」
●[朝日新聞 2001/10/25 東京版]
「宇井さんは92年、自分の写真が掲載された雑誌で、ダム建設の話を書いたアイヌ民族の女性の文章を読んだのをきっかけに、北海道・二風谷のアイヌコタン(集落)を訪ねた。取材を進めるうちに首都圏に約5千人のアイヌ民族が暮らしていると聞き、首都圏の人たちにレンズを向け始めた。
宇井さんは『アイヌの人々の優しさや温かさ、時に発せられる厳しいことばに支えられて撮影を続けてきた。今を生きる等身大の姿を伝えたかった』と話している。」
●[中国新聞 2001/10/18 書評]
「宇井氏は一九九二年から北海道日高地方の二風谷でアイヌ民族の取材に関わり、その後、自分の足元の首都圏に住む若いアイヌとかかわる。
ムックリ(口琴)やトンコリ(弦楽器)を奏でる人たち。民族衣装のファッションショーでさっそうと登場する人たち。今を生きる等身大のアイヌのすがすがしい姿を伝えられたら、というのが著者の思いだ。」
●[2002/2/23]
日本人として、沖縄・アイヌの方々の歴史を知りたいと思い、この本に出会い購入し読みました。先住民族・多民族の方々に日本人はひどい事をして来ました。(福島県在住、会社員、55歳)
●[2002/2/18]
本当にいい写真ばかりで、とても素敵です。2回文章を読み返しました。当地にもアイヌ語の地名が現在も使われており、アイヌはとても身近に感じております。アイヌということばのついたものは何でも欲しい者です。(長野県在住、農業、67歳)
●[2001/12/16]
10年の歳月をかけて取材、撮影された宇井さんの思いの維持に感服しました。一枚一枚とても丁寧に、繊細に撮られている様が浮かびます。被写体となられる方々との距離といいますか、あくまで彼(彼女)等の日常風景への優しい視点、同じ人間への敬意の念を持って接しているからこそ表現出来た作品なのだと感じました。(愛知県在住、写真家、24歳)
●[2001/12/6]
私たちと同時代を堂々と生きる、すばらしいアイヌの人々! 彼らの映像が関東圏の殺風景な背景で撮られていて、これほど私たちの胸を打つのは、その精神文化がこの上もなく高く、それが物質文化や芸能にも反映しているからでしょう。特に若い世代の無心な笑顔や動きは、値千金で万人を魅了するものです。宇井様ご自身が人間的魅力に富んだ方で曇りのない目、敬虔な心をもって撮っておられるからこそ、アイヌの人々に受け入れられるのでしょう。これほど感動して読んだ写真集はほとんどなく、涙が溢れました。二風谷の写真集を待望しています。(新潟県在住、70歳)
●[2001/12/3]
父が残してくれた金田一博士のアイヌ研究書から少なからずアイヌ文化に関心を持って、県内(岩手)ゆかりの地名等調べたりして居りました。そして今般、貴社の書を手にし、より身近に感じとる事が出来ました。(岩手県在住、無職、68歳)
●[2001/12/2]
アイヌ民族の精神性に肉薄した好著だ。それも首都圏に五〇〇〇人も住んでいる驚き! 著者はその人達に深く、鋭く、そして愛情こめてやさしく触れ、私達に伝えてくれる。(北海道在住、67歳)
●[2001/11/7]
アイヌの人々をこんな形で紹介してもらえないかな、と長い間願っていた、その形の本をつくっていただいたことに感謝します。宇井さんのやさしさが、それをさせたのでしょう。多くの人に読まれるといいな、と思い、また紹介しようと思っています。(北海道在住、公務員、65歳)
●[2001/11/5]
「関東に在住するアイヌ民族の素顔の表情がよく写っていたのが良かった。アイヌ文化の伝承の様子もよく伝わりました。写真だけでなく、文章ももう少し多く載せてあれば良かった。ファッションショーの写真は、アイヌの民族衣装を活用してミニスカートを作ったのは、若者らしくてとても良い発想だと思いました。(東京都在住、民族問題研究者、31歳)」