石原昌家・大城将保・保坂廣志・松永勝利

『争点・沖縄戦の記憶』

書評より

●[図書新聞 2002/6/1 書評]

「幾たびかの『島ぐるみ闘争』によって、日本本土の無関心、その暴力性を突いてきた戦後の沖縄社会と、それを弱めて基地の重圧を押しつけてきた戦後日本国家。そのなかに私たちが生きる日常があるのだ。
 沖縄の人々が共生共死の連帯意識によって示した憤怒の、疼きにも似た声に、本土の私たちが『蜜月』『フレンドシップ』ならぬ共生共死で呼応する手だてはないのか。何より『争点・沖縄戦』はそのことと、終わらぬ『戦争』のいまを問い。その改竄に抗する視点をよびさます」(米田綱路/図書新聞編集)。

●[琉球新報 2002/5/26 書評]

「国の『意向』というものを前提においた地方行政が、いかにそれを『自主的』にくみとって『自治』をおこなったのかを『検証』することになった県の平和祈念資料館問題。……そこでなにが起こり結果したのか、監修員会のメンバー、報道においてスクープした記者という当事者たちが、おりからの有事法制化の波のなか、あらためて検証し問題の本質を明らかにしてゆくというのが、本書の眼目であろう。……沖縄戦によって『実証』されたのは、近代国家の軍隊は自らの『国民』をまもらない、ということだったではないか。その国民の側の沈黙の重さが、身を切るような思いで語られた証言の重さと等価でないはずはない。本書が投げかけた課題は、まだ端緒についたにすぎない」(大胡太郎/琉球大学助教授)。