I 「拉致報道」が隠すもの
「拉致帰国者」報道の「犯罪」……山際永三
私たちの立場/「拉致」は何を目的に?/今回帰国の五人について/日本人の歓迎ぶり/国家が作りだす国境という壁/メディアスクラム/今後の推移
欧州で考える「拉致」報道……浅野健一
すさまじい「拉致」報道/「拉致」の真相はまだ不明/世界は冷静に見ている/韓国でも冷静/世界では日本の過去が問題になっている/在日朝鮮人の謝罪に感銘
拉致一色報道が隠す〈未清算の過去〉……山口正紀
日朝国交正常化交渉の経過/「九・一七日朝首脳会談」/ナショナリズムを煽る朝鮮断罪報道/「日韓方式」への無批判な報道/報道されない〈未清算の過去〉
帰国報道と個人・家族・国家……大庭絵里
「日本人」探しと家族/家族メンバーへのインタビューが「問題」となるわけ/「本当の気持ち」とは何か/「被害者家族」とは誰か――平壌にいる家族をめぐって/家族幻想――むすびにかえて
『週刊金曜日』が問題なのか?……浅野健一
『週刊金曜日』のスタンス/記事に何の問題もない/首相等の批判は言論介入/政府とメディアに不都合な情報だった/自由な取材とは何か/国益と人民の権益は違う/家族を分断させた日本政府/『週刊金曜日』記事をどう考えるべきか/女性は『週刊金曜日』報道を受けて行動
「現地」から見えるもの……片桐元
九・一七――その日の支社/柏崎支局は「また大変――」/メディアスクラム防止へ取り組み/「節度ある取材」で報道協定/報道協定の説明責任/『新潟日報』の紙面は/異論許さぬ日本的風土/交流事業中止に/冷静、多角的報道求める
第II部 日録・「拉致帰国報道」ドキュメント……中嶋啓明
1 日朝首脳会談――明言された「拉致」
2 反北朝鮮キャンペーンと加熱する取材
3 五人の「一時帰国」が決定
4 暴き出される被害者のプライバシー
5 「永住帰国」は本人の意向に関わらず
6 外交カードにされる被害者
7 『週刊金曜日』インタビューへのバッシング
8 「拉致」報道が作り出した「渦」
9 「被害者支援法」と対北朝鮮強硬論