第1部 構想
日本とドイツにおける市民社会論の現在 村上俊介
はじめに
一 現代日本の市民社会論
a 市民社会論の復権?
b 現代市民社会論への批判
c 日本における市民社会論の系譜
二 ドイツにおける市民社会論
a 市民社会論のドイツ的現在
b ドイツにおける市民社会論の潮流
c 市民社会の規範化か実態研究か
現代的シティズンシップの構想
――グローバリゼーションと国民国家との関係において 工藤豊
はじめに―問題の所在
一 グローバリゼーションの進展とその功罪
二 グローバリゼーションと国民国家
三 現代的シティズンシップの構想
市民社会論におけるアドルノ言語哲学の意味
――「理想的言語観」から新しい市民社会像を求めて 天畠一郎
はじめに
一 アドルノ言語哲学は何を問題にしているのか
a 概念の成立
b 「批判」の立脚点
c 概念「批判」を通じた理想的言語
二 理想的言語からみた市民社会像
a 理想的言語を通じた社会像
b アーレントの大衆社会批判
c 「概念」としてのコミュニケーション的合理性
三 アドルノ言語哲学における公私の往復運動
a 概念の原理
b 公共的領域から私的領域へ
c 私的領域から公共的領域へ
おわりに
市民性を通じての統治――フーコー統治性論と市民社会論 山家歩
はじめに―問題の所在
一 統治性について
二 市民的主体と統治戦略の結びつき
三 市民社会の「他者たち」の統治
四 セラピー的なものの浸透について
おわりに
アソシエーショニズムとは何か?――アソシエーショニズムの指針確立と自己点検のために 桑野弘隆
はじめに
一 第一の指針―精神労働と肉体労働の固定的分業の揚棄
二 第二の指針―国家装置の物質性との理論的・実践的対質
三 第三の指針―資本主義的諸力と諸条件への対抗
おわりに
市民社会と「権利」の問題 角田晃子
はじめに
一 ホッブズの政治理論と自然権、近代性
a レオ・シュトラウス
b ホッブズによる自然権へのアプローチ―「個」か「全体」か
c 自然権と権利、伝統的道徳観の葛藤
二 伝統的自然法―「自由」の問題へ
a 「自然」の発見―コンヴェンショナリズム批判を通じて
b 「普遍性」という概念
三 市民社会とシュトラウス政治哲学
a 人権と権利そして自由―古代の自然概念の可能性?
b 意志の時代、近代の問題点―ニヒリズム
c 現代へ
第2部 構想
現代政治におけるアソシアシオンと個人の可能性
――新潟県巻町の住民投票を沖縄県民投票と対比して 鳴子博子
はじめに―ルソー主義的直接民主主義と現代
一 巻町の住民投票
二 「あるがままの人間」はいかに変貌したのか―沖縄県民投票と対比して
a 「判断する個」は創り出せたのか
b 最重要なのは討論なのか投票なのか
三 現代デモクラシーにおける住民投票の位置づけ
おわりに―アソシアシオンと個人の可能性
清水幾太郎における市民主義と国家主義の問題 篠原敏昭
はじめに―問題の所在
一 人間および社会観の変化―民主主義の脈絡のなかで
a 市民主義の時代
b 非合理的な人間観へ
c 議会制民主主義批判
二 日本および世界認識の変化―平和の脈絡のなかで
a 憲法九条肯定論
b 「世界市民の立場」
c 急進的な平和運動へ
三 戦後価値の動揺と崩壊―社会主義の脈絡のなかで
a 平和と民主主義を支える社会主義
b 社会主義の価値の動揺
c 戦後価値の崩壊
おわりに―国家主義への道
市民社会からアソシエーションへ――個人主義から関係主義へ 石塚正英
はじめに
一 脱国家のむこうに見えるもの
二 関係性の転換としてのアソシエーション運動
三 アソシエーション型社会の創成
むすび
市民的な社会認識構造――社会運動アクターのテキストを分析する 山崎哲史
はじめに―本稿の課題
一 データ・テキストについて
二 社会運動アクターの認識構造
a O氏の認識構造
b A氏の認識構造
c M氏の認識構造との比較
三 市民社会論からの検討
四 アナロジーの展開
後期近代市民社会における福祉国家
――労働しない市民としての高齢者を中心にして 田村伊知朗
はじめに
一 福祉国家の出現の帰結
二 高齢者に対する再教育
三 高齢者に対する再教育の場所
おわりに
付録●市民社会・アソシエーション関連用語解説