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玉川信明セレクション 日本アウトロー烈傳 第4巻
評伝 山岸巳代蔵
ニワトリ共同体の実顕者
玉川信明
Critical Biography of Miyozo Yamagishi.
Nobuaki Tamagawa

著者には放浪のダダイスト・辻潤(つじじゅん)ともうひとり、深くその生涯を描いた人物があった。本書はヤマギシ会創始者の評伝(流動出版、1979年)の再編集。1959年の山岸事件はもちろん、最後まで思想的理解者でもあった妻・ニワへの取材をもりこんだ貴重な作品である。

1月18日

46判★336頁★3400円+税
ISBN4-7845-0564-4

序にかえて  鶴見俊輔

1 人生本来一場の戯れ
    少年期・思想の原型
    放浪から養鶏へ
    人生とは一場の芝居見物
2 われ、ひとと共に繁栄せん
    山岸会と山岸式養鶏普及会の発足
   「共存共栄」の思想的背景
    養鶏会としての普及拡大
3 万物一体にして、天地同根
    山岸ズムの基本的性格
    仏法とアナキズム
4 ほうけ者の親玉、子玉、孫玉各位
    浪漫的人物像への接近
    会の創成期ごろ
    講演行脚
5 何処に在るとも主となる
   「特講」のはじまり
    西田天香と禅
6 一卵よく世界を転覆す
   『ヤマギシズム社会の実態』と「理想社会」
   「実顕地」と「試験場」
   「人情」の重要視
7 性的羞恥心は反革命なり
    志づ子との離別、三人の愛人
    複数結婚観
8 実現せり、無国家社会の粗型
    福里ニワと「百万羽養鶏」
   「ヤマギシズム生活実践場春日実験地」
    自治一体の自覚と実現に向けて
9 菩薩変じて夜叉となりし哉
    福里ニワによる語り
    熱湯事件



10 我執を抜こうか、命をとろか
    複数結婚での葛藤
    演技者・山岸のアンバランス
11 われらが悲願〈世界急進Z革命〉
    山岸会事件
    事件の影響
12 弱い、弱い、弱さをみつけた僕
    逮捕状と潜行
    潜行中の手紙文
   「自己の重大な死角」
    津時代
    山の毒花
13 己れ一人は正覚はとらぬ
    続く「我の研鑽」
   「絶対愛」
    山岸の思想転換
    慈悲の世界
14 真理の雨降る浄土あり
    判決後、岡山へ
    岡山での死
   「もう人を変えようとは思わぬ」
   「公人の丘」まで
後記
補遺 日本の中のユートピア
玉川信明(たまがわ・のぶあき)

1930年富山市旅篭町に生まれる。竹内好に師事。
著作に『評伝 辻潤』(三一書房)、『エコール・ド・パリの日本人野郎』(朝日新聞社)、『ぼくは浅草の不良少年』(作品社)、『開放下中国の暗 黒』(毎日新聞社)、『我が青春、苦悩のおらびと歓喜』(現代思潮新社)、『夢はリバータリアン』、『和尚の超宗教的世界』、『異説 親鸞・浄土真宗ノー ト』(以上、社会評論社)など多数。2005年、当セレクションの完成を待たずに急逝。

NR出版会紹介:玉川信明セレクション|日本アウトロー列伝(烈傳 れつでん)
第1巻 放浪のダダイスト辻潤 
第2巻 エコール・ド・パリの日本人野郎
第3巻 反魂丹 の文化史
第4巻 評伝 山岸巳代蔵

第5巻 大正アウトロー奇譚


書評


●[図書新聞2006年3月4日『対談「玉川セレクション」をめぐって』]

鈴木義昭:玉川さんは「夢はリバータリアン」という文章の中で「社会運動専門職としてのアナキストではない、自由と抵抗の番外地人物−すなわし”リバータリアン”たちを一纏めに研究する価値は充分にあるのだ」と言っています。「マイナーであるところにこの種の人物の詩と真実があった」とも。これは、そのまま玉川信明その人にも当て嵌まると思いますね。

●[北日本新聞2005年10月21日号]

玉川が評論の対象に選ぶのは、社会の権威や権力から外れたものが多い。玉川の筆は、生き生きと対象に迫る。権威と無縁なアウトローな人間だからこそ、その魅力を存分に語ることができる。玉川は自分の書くべき世界を見つけていた。〜生前から企画が進んでいた玉川信明セレクション「日本アウトロー烈傳」全五巻(社会評論社)の刊行を待たずの死だった。

 

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●開設 1998年12月31日
 ●最終更新日 2006年 1月12日