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子どもの危機・教育のいま
「改正教育基本法」時代の教育体制
佐野通夫著
Crisis of Kids, Education Now
Michio Sano
昨年末、「改正」教育基本法が成立・施行された。
それは、「教育問 題」を解決するどころか、差別・選別を本質とする戦後の教育体制を完 成することで、現場をますます息苦しいものにしつつある。
制度として の義務教育、教育労働、性教育、民族教育などの現在を問う。
2007年5月10日 |
46判★256頁★2200円+税
ISBN978-4-7845-0796-2
1.教育を考える視角
2.「義務教育」と教育基本法「改正」
3.在日朝鮮人教育を通して見た教育基本法体制
4.枝川裁判を通してみる「改正」教育基本法体制
5.国際的に見た教育基本法体制−「子どもの権利条約」
6.教員と教育労働
7.学校五日制−教育労働と教育内容をつなぐ
8.男女の視角から見た教育現場
9.「子どもを生む機械」?−子育て社会化・性教育
10.歴史と世界とその中の教育
11.歴史教科書と教育
佐野通夫(さのみちお) 1954年生まれ。
私大教員。 著書に、『近代日本の教育と朝鮮』(社会評論社、1993年)、『アフリカの街角 から』(同、1998年)、編著に、『〈知〉の植民地支配』(同、1998年)、『人権の新しい地平』(学術図書、2003年)、共著に、会沢勲編著『アジアの交差点−在日外国人と地域社会』(増補改訂版、社会評論社、1996年)、芹野陽一編著『〈家族〉からの離脱』(社会評論社、1997年)『日本植民地教育の展開と朝鮮民衆の対応』などがある。
書評
[朝鮮新報 2007年6月11日]
東京朝鮮2初級学校の土地問題をめぐる「枝川裁判」では、民族教育の権利が初めて法廷で問われた。佐野通夫・四国学院大学教授は裁判で提出した意見書のなかで「民族教育を受ける権利が憲法・教育基本法上、保障されている」ことを明確にした。
本書はそういった民族教育などさまざまなテーマから「改正時代」の教育体制について考察している。
[兵朝研 07/07]
私が最も関心を持ったのは、「3―在日朝鮮人教育を通じて見た教育基本法」、「4―枝川裁判を通じてみる『改正教育基本法体制』」及び「5―国際的に見た教育基本法体制―子どもの権利条約」だった。
これらでは、在日朝鮮人の民族教育の流れを解説しつつ、いま東京で問題になっていて、韓国社会までも動かしはじめた「枝川裁判」について一章を設けて解説している。
[靖国・天皇制問題情報センター通信 07/06/30]
著者は「歴史と世界とその中の教育」の中で、日本の植民地支配から解放された南北朝鮮の政府が朝鮮半島での戦争、民族分断という困難の中でも教育を国家的な政策の重点に位置づけてきたこと、そのこともあって、教育が非常に拡大したことを紹介している。また、1980年に独立したジンバブエ政府が無償初等教育を宣言・実施したことも紹介し、それぞれの国における植民地支配下の教育のあり方と比較している。
評者が接する国際協力活動に関心を持つ学生、大学院生の多くは、こうした歴史的背景を踏まえて途上国の現状と課題について考える訓練をほとんど受けていない。「歴史と世界とその中の教育」を出発点に、適切な資料紹介を行っていきたいと考えている。
[io 07/07]
著者は、権力にとって教育の関心は次代を担う支配階級の形成で子どもの学力ではないと断言する。戦後徹底された教育への国家支配を概観しつつ、「改正教育基本法」に有効な議論をもち得なかった学校現場の問題点を探る。
「全外教通信 2007年9月5日」
本書は「1、教育を考える視角」から「11、歴史教科書と教育」に至るまで、戦後教育史を批判的にに総括しながら、いずれの章にも非常に示唆に富む論考が満載されている。 |
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