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ヘーゲル 現代思想の起点
滝口清栄・合澤清編


哲学者 長谷川宏 推薦の言葉

『精神現象学』は汲めども尽きぬ思考の泉だ。哲学はもともと国境を越え、
時代を超えて生きのびようとするものだが、ドイツ人でも手の出しにくい
難解な『精神現象学』が、刊行200年、いくつもの思いがけぬ水脈に導かれて
世界へと広がっていくさまは壮観だ。本書でその広がりを楽しんだ読者は、
水脈をさかのぼってもとの泉へとむかう旅も楽しめると思う。


2008年4月28日

四六判上製★366頁★4200円+税
ISBN978-4-7845-0877-8
C0030

ヘーゲル 現代思想の起点*目次
まえがき7
合澤 清bプロローグ ヘーゲル紀行 11
一 生誕と学生時代 11
二 フランクフルトからイエナへ 14
三 バンベルクからハイデルベルクへ 19
四 ベルリン大学へ赴任 21
五 前提を吟味し脱構築する知――『精神現象学』の基本性格 24
六 経験=批判を通しての自由の実現――ヘーゲルのスタンス 28
第一部 『精神現象学』の影響史――フランス、イタリアを中心に
宇波 彰bコジェーヴからヘーゲルへ 36
一 コジェーヴとはどういう人か 36
二 弁証法を捨てたヘーゲル 43
三 「私」としてのヘーゲルの言説 48
四 ラカンの「享受」の概念 55
槻木克彦bヘーゲルと仏人哲学者の友人ヴィクトール・クーザン(一七九二―一八六七) 60
一 ヴィクトール・クーザン略歴(一七九二―一八六七) 60
二 エクレクティスム(折衷主義) 62
三 クーザンとヘーゲル 66
四 クーザン文書館で新たに発見された仏語原文でのみ存在する「ヘーゲル美学講義」
(二○○五年七月、LユHarmattan 書店出版) 68
五 「精神現象学」とプロクロス、スピノザ、フィヒテ(日、独、英でのヘーゲル解釈と米、仏でのそれの違い)、
   スピノザには自由がなくヘーゲルは信仰者なのか? 72
六 W・ヴァイシェーデル(一九○五―一九七五) 77
西山雄二b欲望と不安の系譜学――現代フランスにおける『精神現象学』の受容と展開 82
一 『精神現象学』の成立と受容――ドイツとフランスの戦争の影 82
二 コジェーヴ流の「主人と奴隷の弁証法」の再検討 86
三 実存の不安から存在の不安へ――イポリットによる存在論的転回 90
四 ヘーゲル主義からの離反と同伴――デリダのエクリチュール論 94
五 ヘーゲル哲学における共同性と可塑性――ナンシーとマラブーの解釈 98
中村勝己bイタリア・リソルジメント論における《自由の宗教》のフォルトゥーナ 106
――宗教改革なき革命の蹉跌と政治文化論の誕生(俗流ヘーゲル主義の問題圏)
はじめに 106
一 ヘーゲル哲学における《自由の宗教》概念のアクチュアリティ 107
二 オリアーニ、ミッシローリのリソルジメント論における「宗教改革の欠如」と「国民革命の挫折」 110
三 ゴベッティのリソルジメント論における《自由の宗教》の世俗宗教的戦闘性 124
おわりに――ゴベッティのリソルジメント論に対する戦後の歴史家の評価 129
第二部 『精神現象学』の問題圏
竹村喜一郎b『精神現象学』における相互承認論の位相 140
はじめに――問題の所在 140
一 近代的自己意識把握の隘路とヘーゲルの視角 141
二 「精神」の内実とその哲学的含意としての相互主観性 148
三 「精神の国」としての絶対知と主体概念の転換 159
四 近代の意味と哲学の課題 166
むすび 174
滝口清栄bEntfremdung と啓蒙の精神――伝統的価値秩序の解体、あるいは新たな着手点 180
はじめに 180
一 固定した価値観の解体と近代的主体の形成―「精神」章Bのテーマ 182
二 〈自分からの離反〉を通して世界の形成と反転が生じる 187
三 「絶対自由」と近代的人倫の起点 192
結 び 196
野尻英一bヘーゲルの有機体論と社会――現象学は有機体の夢を見るか?―― 202
一 たとえば、フーコーとヘーゲル 202
二 社会有機体説の誕生――有機体概念の換装―― 205
三 ヘーゲル有機体メタファーの特異なポジション――法哲学における―― 212
四 『精神現象学』の有機体論 216
五 「地」のエレメントとは何か? 220
大橋 基b神々を摸倣する装置――『精神現象学』「宗教」章の悲劇論―― 231
一 芸術宗教の基本設計 233
二 英雄神話の立体造形 236
三 祝祭劇場に潜む他者 241
四 宗教からの詩人追放 246
川崎 誠bヘーゲルとウィトゲンシュタイン――「論理に関するノート」読解―― 253
一 論理的なものとしての命題 254
二 命題は複合物か 262
三 命題の発生的解明 268
第三部 『精神現象学』の現在――読みの可能性
山口誠一b日本の『精神現象学』研究鳥瞰 284
一 日本渡来以前の『精神現象学』 285
二 日本における『精神現象学』受容の始動 287
三 田邊元による『精神現象学』の原典研究 289
四 西田幾多郎の『精神現象学』解釈 294
五 『精神現象学』研究の国際化 299
大河内泰樹b発展史、コンステラチオン、エピステモロジー、マルクスそして『精神現象学』
――ドイツにおけるヘーゲル研究の現在と展望 308
一 世紀の変わり目におけるヘーゲル研究 308
二 ベルリン論争 309
三 三つのヘーゲル全体像 312
四 発展史研究世代のその後 317
五 エピステモロジーへの関心 320
六 マルクスとの再会 324
七 そして『精神現象学』 327
八 展 望 329
片山善博bアメリカにおけるヘーゲル研究の現況 337
はじめに:アメリカのヘーゲル受容の概要 337
一 プラグマティズム・分析哲学におけるヘーゲル受容(ローティのまとめを中心に) 338
二 『精神現象学』を中心とした文献研究の進展 343
三 『精神現象学』の現代的意義を問う 346
まとめにかえて 352
あとがき359


合澤 清 現代史研究会主宰、サイトちきゅう座運営委員
宇波 彰 評論家、明治学院大学名誉教授
大河内泰樹 京都産業大学文化学部助教
大橋 基 法政大学兼任講師
片山善博 日本福祉大学准教授
川崎 誠 専修大学教授
滝口清栄 法政大学、専修大学、駒澤大学講師(非常勤)
竹村喜一郎 筑波大学教授
槻木克彦 翻訳家
中村勝己 政治学・20世紀イタリア政治思想史専攻
西山雄二 東京大学特任講師、グローバルCOEプログラムマネージャー
野尻英一 早稲田大学社会科学総合学術院助教、早稲田大学法学学術院非常勤講師
山口誠一 法政大学教授





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●開設 1998年12月31日
 ●最終更新日 2008年4月22日