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三億円事件と伝書鳩 1968ー69
吉田和明
Carrier Pigeon and 3 Hundred Million Yen Case
Kazuaki Yoshida

団塊の世代にとって伝書鳩は、漫画、学生運動、車・オートバイと並ぶ重要なアイテムの一つだ。
彼らはあるとき「伝書鳩レースによる錬金術」を思いつく。
同時期、東京府中で「三億円事件」が発生。
同世代の著者はその錬金術の謎を追い、「三億円事件」の真相に迫っていく。

2006年12月7日

46判★256頁★1800円+税
ISBN4-7845-0935-6

第一章 三億円事件と学生運動
1 名乗り出た三億円事件真犯人
2 「3億円事件『白バイの男』衝撃告白!」連載の衝撃
3 事件後一年間、犯人は稚内に潜伏していた
4 〈三億円事件〉という二つの物語

第二章 伝書鳩による錬金術
1 「レースで優勝した鳩は、高い値段で売れますからね」
2 年率百パーセント以上の利回り
3 三越デパートでも売っていた伝書鳩
4 伝書鳩を飼って億万長者になる法

第三章 一大詐欺レースのトリック
1 一八〇〇粁翔破鳩「鹿児島号」購入者の煩悶
2 はずされていた日鳩の脚環
3 ある不思議な小説仕立ての読み物
4 真犯人の告白のなかにある嘘

第四章 1968―69という不思議な時代
1 「アメリカへ行って日本との貿易でもやろう」
2 捜査圏内から逃れるために
3 三億円事件の共犯者に仕立てられた鳩友
4 七〇年を目の前にして

あとがきにかえて



吉田和明(よしだ かずあき)

評論家・コラムニスト
千葉県館山市生まれ。法政大学経済学部卒業。東京工業大学社会理工学研究科博士課程修了。80年代に総合評論誌『テーゼ』を創刊、主宰。大学やカルチャーセンターの講師を務める。現在、日本ジャーナリスト専門学校講師。

[主要著書]
フォー・ビギナーズ『吉本隆明』1985 現代書館
フォー・ビギナーズ『三島由起夫』1985 現代書館
『吉本隆明論』1986 パロル舎
フォー・ビギナーズ『柳田国男』1986 現代書館
フォー・ビギナーズ『太宰治』1987 現代書館
フォー・ビギナーズ『芥川龍之介』1989 現代書館
『続・吉本隆明論』1991 パロル舎
フォー・ビギナーズ『宮沢賢治』1992 現代書館
『あしたのジョー論』1992 風塵社
『太宰治というフィクション』1993 パロル舎
『文学の滅び方』2002 現代書館



書評

「ちゃお!」 2007年1月25日
しかし、「三億円事件」と「伝書鳩」にどういう関わりがあるのか。そう、いぶかしがる読者諸氏もいるに違いない。実は、ある週刊誌に以前、自分が三億円事件の「白バイ男」だと名乗り出た男の告白記事が、四週間にわあたって掲載されたことがあるのだ。その男とその男によって三億円事件の共犯者とされた人物も当時、鳩を飼っていた。そして、三億円事件と前後する時期に伝書鳩のレースで、日本最長距離記録を次々とぬりかえ、鳩界の寵児として話題になっていた人たちだったのだ。稚内から鹿児島一八〇〇粁を帰した彼らの記録は今も破られていない。彼らはその鳩を百八十万円で売ったのをはじめ、一年間で当時の金で二千万円近くを荒稼ぎした。現在の金で、一億数千万円の金をだ。しかし、それらのレースは詐欺によるものだった…。

日刊ゲンダイ 2006年12月29日
本書は”白バイ男”と共犯者とされた男の2人が引き起こしていた「鳩レース詐欺事件」の詳細を再現しながら、利回り100%も可能だった”伝書鳩による錬金術”!の実態と、漫画・車・オートバイと並んで、伝書鳩が団塊世代の重要なアイテムだった不思議な時代を考察する異色作。
事件の犯人と名乗り出て話題となったからだ。

北海道新聞2007年1月14日
「詐欺レースは、本人が週刊誌の取材を認めているからね」。本書でも、その手口について、電車の「キセル乗車」のように陸路で鳩を持ち運ぶ案を想定するなど、詳細に検証している。また、レースで優勝した鳩は、高価で取引された。動機も明確だし、実行は可能だ。

日本鳩レース協会 2007年1月

稚内から鹿児島一八〇〇キロを帰した彼らの記録は今でも破られていない。本書は彼らの起こしたという「三億円事件」と「伝書鳩による錬金術」の謎に迫るノンフィクション。

図書新聞 2007年1月27日

三億円事件が伝書鳩につながるのは、「3億円事件『白バイの男』衝撃の告白!」(『週刊宝石』1999年1月28日号〜2月18日号掲載)を著者がつぶさに検証するところからである。三億円事件の実行犯を名乗る男とその共犯者だと語られている男は、伝書鳩レースの詐欺事件を起こしていて、それによって現在に換算すれば億単位の金を稼いでいたのだ。著者はそこで、レース詐欺の手口のイカサマ性を当時の『愛鳩の友』などの記事を検証しながら克明に暴きだし、そこでのトリックと彼らの供述の矛盾を明らかにする。その結果、彼らが三億円事件の犯人だというのは怪しいという結論に達する。

紙の爆弾 2007年2月

本著は、彼らの起こしたという「三億円事件」と、その「伝書鳩による錬金術」の謎に迫るノンフィクションだ。捜査圏内から逃れ切った彼らは、本当に三億円事件の犯人だったのか。なぜ人々は、彼らの鳩をこぞって買うことになったのか。「1968-69という時代」が彼らに加担していた……。

産経新聞2006年12月24日
事件のあった昭和43年(1968)年は高度成長、学生運動…が時代背景にあるが、著者はまた、この60年代は、少年たちの間で鳩を飼うことがブームだったことに着目。鳩のレースの仕組みや、関係者の証言などを通して、男の告白の矛盾点に迫る。



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●開設 1998年12月31日
 ●最終更新日 2007年 1月16日