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図書目録

思想 【人と歴史】

トロツキー暗殺と米ソ情報戦

トロツキー暗殺と米ソ情報戦

野望メキシコに散る

篠崎務

価格: 2200円+税
発行日: 2009年11月6日
版型: 四六判上製
ページ数: 224頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-0588-3
Cコード: C0030
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詳細内容

革命家・トロツキーをメキシコで暗殺したラモン・メルカデル。
彼の出発点は、ファシスト・フランコと熾烈な内戦を繰り広げたスペイン内戦にあった。
逮捕された暗殺者を奪還しようとはかるソ連の諜報機関と、その動きを暗号解読で察知したアメリカの諜報機関。
三〇年代世界史の転換を、米ソの情報戦を通して読み解くドキュメンタリー。

【目次】

 プロローグ


1●一〇月革命を支援したアメリカ資本とドイツ軍
  日ロ戦争もアメリカ資本の援助で
  辛亥革命も、メキシコ革命もアメリカ資本が支援
  目的のためなら相手を選ばぬ独占資本
  不可解な資金の出所
  隠れ蓑として使われた国際赤十字


2●トロツキーの暗殺者たちはスペイン内戦育ち
  モロッコ兵と鉄兜
  絶対王政、カトリック支配からの脱皮
  画期的な新憲法
  教会の破壊、要人の暗殺
  「スペイン全土快晴なり」
  「ナショナリスト+ファシスト」対「リベラル+コミュニスト+アナーキスト」
  「赤の群れ」対「キリスト教文明」
  スペイン内戦を腕試しにも利用した外国勢
  お互いさまの残虐行為
  「わが子よ、死んでくれ」とした守備隊長
  死闘だけではすまなかったテルエルの戦い
  内戦に見るトロツキーの革命観
  内戦が育てたトロツキー暗殺者たち
  そこにソビエト神話の崩壊を目撃したジョージ・オーウェル
  

3● 追うスターリン、追われるトロツキー
  トロツキーの「野望」
  時には相容れなかったトロツキーとレーニン
  レーニンもスターリンも認めたトロツキーの手腕
  確立されたスターリンの覇権
  トロツキーとスターリンの確執
  ロシア国内から追放されたトロツキー
  次々と家族を奪われたトロツキー
  トロツキーの身辺に潜入したNKVD工作員
  凄腕工作員は米国で文化人類学の研究者に
  「ビザなしの惑星」暮らしとなったトロツキー
  東清鉄道の移譲ではスターリンに賛意
  日本帝国主義への警告

4●メキシコに逃れたトロツキー
  トロツキーを受け入れたメキシコの事情
  追うスターリン
  動員されたメキシコ共産党
  外濠の埋め立てには身辺の女性を利用
  どじを踏んだ第一次実行部隊
  はからずも暗殺を任された「ジャクソン」
  運命の一九四〇年八月二〇日(火曜日)
  解放された人類の未来を信じてれた稀代の革命家


5 ●VENONA PROJECT (ソ連外交暗号電報解読作業)
  ゾルゲ情報で極東ソ連軍をモスクワ攻防戦に投入
  国際間の信義より目先の国益
  「噂」の存在確認がきっかけとなった VENONA PROJECT
  家庭科の教師だった女性が解明の端緒
  工作の連絡に使われたソ連外交電報
  マンハッタン計画にソ連の眼が
  遅々として進まぬ暗号解読
  暗号解読の糸口は元ソ連大物工作員から
  VENONA PROJECT の夜明け
  VENONA情報に現れた暗号名
  明かされた対ソ協力、米高官
  大統領も知らなかった VENONA PROJECT

6●VENONA PROJECTが明かしたトロツキー暗殺者奪還計画
  取調室での暗殺者
  「カティンの森」虐殺事件の真相を掴む
  綿密に仕組まれた奪還計画
  奪還計画を食い物にしていた現地襲撃隊長
  暗殺者の更なる奪還計画
  メキシコに繰り出した暗殺者の母
  在サンフランシスコKGBが内部告発

7● 弟が語る暗殺者、兄ラモン・メルカデル像
  スターリンもスターリンなら、トロツキーもトロツキー
  ラモンの弟、ルイスの回想
  弟に語ったトロツキー暗殺事件の内幕
  知られていた暗殺者の素性
  暗殺者の奪還を図っていたNKVD
  厚遇されたラモン、無視されたゾルゲ
  不可解なラモンの体調不良
  KGBに消された?ラモン
  エイチンゴンがめかしたラモン毒殺疑惑

8● トロツキーの動向と暗殺の背後を追っていたFBI
  米国に潜入していた?トロツキー
  トロツキー、ディース委員会での証言に同意
  遺骸ですら米国は入国拒否
  襲撃の黒幕を告発する
  モスクワより先に暗殺を知ったFBI
  詳細にわたるFBIの部内調査メモ
  暗殺者が利用した「妻」はニューヨーク市の公務員
  FBIの関心は米国共産党とソ連の諜報活動
  フーバーFBI長官が尋問の指示
  孤立していた「妻」、シルビア・アゲロフ
  幻に終わった「ジャクソン」奪還計画

 おわりに

著者略歴

篠崎務
一九三四年東京生まれ。
翻訳家。日露歴史研究センター幹事、ジョージ・オーウェル読書会会員。
訳書に白井久也編『米国公文書ゾルゲ事件資料集』(社会評論社)、パトリック・ハミルトン『二つの脳を持つ男』(共訳、小学館)、大石健太郎監修『ジョージ・オーウェル評論集』(彩美社)、その他アメリカ大リーグ関連書など。

書評

[図書新聞 2010/1/1]

不要になった工作員は、本部の諜報機関からつねに捨て去られる運命にあることは、「世紀の国際スパイ」といわれたソ連軍事諜報員、リヒアルト・ゾルゲの例が、示している。トロツキー暗殺犯ラモン・メルカデルも、そうではなかったのか?
真実を覆い隠す「歴史の闇」は、想像以上に深いことを、痛感させる著作である。

日露歴史研究センター代表・白井久也

[朝日新聞夕刊文化欄 2009/12/10]

ソ連共産党の権力闘争でスターリンに敗れたトロツキーが、亡命先のメキシコで暗殺されたのは1940年。暗殺の実行犯を獄中から奪還するようにスターリンに命じられ、実行しようとした秘密部隊の様子を追った研究がまとまり、『トロツキー暗殺と米ソ情報戦』(社会評論社)として出版された。

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