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思想 【哲学・社会学・思想史】

中国革命論のパラダイム転換

中国革命論のパラダイム転換

K・A・ウィットフォーゲルの「アジア的復古」をめぐり

石井知章

価格: 2800円+税
発行日: 2012年10月23日
版型: 四六判上製
ページ数: 400頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1814-2
Cコード: C0030

詳細内容

中国革命をめぐる「不都合な真実」。
「労農同盟論」から「アジア的復古」を導いた「農民革命」へ。
中国革命のパラダイム転換は、二つの巨大な「後進社会主義」党=国家
という独裁的政治権力を背景にして「恣意的に」行われた。
K・A・ウィットフォーゲルの中国革命論の観点から
中国革命史における「大転換」の意味と、現代中国像の枠組みを問い直す。

【目次】

序章 中国革命論のパラダイム転換
  1 アジア的生産様式論における「アジア的」なものとは何か─中国との関連で
  2 ロシアと中国におけるアジア的生産様式とブルジョア革命
  3 K・A・ウィットフォーゲルと中国革命論をめぐる社会認識のパラダイム
  4 中国革命論をめぐるパラダイム転換
  5 本書の目的と構成


 第Ⅰ部 K・A・ウィットフォーゲルの中国革命論

第一章 「ブルジョア民主主義」と国共合作
  K・A・ウィットフォーゲルの中国革命論(1)
  はじめに
  1 中国におけるコミュニズムの台頭と国民革命運動
  2 ブルジョア民主主義革命論(レーニン)の中国への受容
  3 コミンテルンによる統一戦線の構想
  4 「ブルジョア的」なものをめぐる国共間の非対称性
  5 第一次統一戦線(国共合作)とコミンテルン
第二章 農民問題と「アジア的復古」
  K・A・ウィットフォーゲルの中国革命論(2)
  1 中国共産党内における「アジア的復古」の兆候
  2 軍事力を媒介とした国民革命統一戦線の変貌
  3 中国共産党内における「アジア的復古」と農民の役割
  4 中国におけるコミンテルンの知識人とその役割
  5 上海クーデターとコミンテルンにおける「アジア的」なものへの後退
  6 第一次国共統一戦線が中国社会に与えた意味
  7 土地所有をめぐる「封建」概念と過渡期における「アジア的」中国社会
  8 「労農同盟」から「農民革命」へ─「アジア的」なものへの後退
  おわりに
第三章 毛沢東主義と「農民革命」
  K・A・ウィットフォーゲルの中国革命論(3)
  はじめに
  1 農村ソヴェトの成立と毛沢東の台頭
  2 毛沢東の虚像と実像
  3 国民党との関係性における毛沢東
  4 毛沢東の「湖南報告」とコミンテルンの農業政策
  5 毛沢東主義と「日和見主義」の展開
  6 中国共産党の発展とその主な特徴(一九二七─一九三五年)
  7 農村根拠地と毛沢東の革命戦略
  8 蒋介石に対する評価の変化と毛沢東の立場
第四章 統一戦線の再形成と崩壊
  K・A・ウィットフォーゲルの中国革命論(4)
  1 コミンテルン第七回大会と抗日「民族」統一戦線
  2 西安事件(一九三六年)と段階的調整
  3 第二次国共合作における中国共産党の政策の変化(一九三七─一九四五年)
  4 独ソ条約と毛沢東の「新民主主義」論
  5 「社会主義」国家としての執政党への道(一九四五─一九四九年)
  おわりに


 第Ⅱ部 中国における〈アジア的なもの〉と世界史の再検討

第五章 中国近代のロンダリング
  汪暉のレトリックに潜む「前近代」隠蔽の論理
  はじめに
  1 中国革命史における「脱政治化」とはなにか
  2 「脱政治化」と文革の評価をめぐり
  3 「中国近代のロンダリング」と毛沢東の「農民革命」
  4 「中国近代のロンダリング」と「脱政治化」なるもののゆくえ
  おわりに
第六章 『東洋的専制主義』「前文」への解題とその全訳
  [解題]
  ますます〈不安を駆り立てる〉ことになった議論についての前文
  K・A・ウィットフォーゲル(一九八一年)
  1 重大なるイデオロギー的秘密の「アジア的」根源
  2 秘密のもう一つの側面
  3 マルクス──独自の社会的功績と独自の「科学に対する罪」
  4 アレクシス・ド・トクヴィルの陰
  5 「アジア」の権力的側面と世界史の再検討


終章 中国における「アジア的」なもののゆくえ
  あとがきに代えて
  1 本書の方法論的位置づけをめぐり
  2 アジアにおける「近代」の再考
  3 アジア的生産様式と「近代」
  4 現代日本における「市民社会」論の現状とその問題性─植村邦彦氏との対話

著者略歴

石井知章
1960年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。政治学博士。
(社)共同通信社記者、ILO(国際労働機関)職員を経て、現在、明治大学商学部教授。高麗大学、スタンフォード大学、南京大学客員研究員(2007─2009年)。
著書:『中国社会主義国家と労働組合―中国型協商体制の形成過程』御茶の水書房、2007年。『K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』社会評論社、2008年。『現代中国政治と労働社会―労働者集団と民主化のゆくえ』御茶の水書房、2010年(日本労働ペンクラブ賞受賞)。
共著:Masaharu Hishida, Kazuko Kojima, Tomoaki Ishii, Qiao Jian, China's Trade Unions-How Autonomous Are They, Routledge, 2009.菱田雅晴 編『中国―基層からのガバナンス』法政大学出版局、2010年。石井知章・小林英夫・米谷匡史編『一九三〇年代のアジア社会論―「東亜協同体」論を中心とする言説空間の諸相』社会評論社、2010年など。
訳著:アンドレイ・ランコフ(下斗米伸夫・ 石井知章訳)『スターリンから金日成へ―北朝鮮国家の形成1945-1960年』法政大学出版局、2011年。傅佛果(鄧偉権・ 石井知章訳)『中江丑吉在中国』商務印書館、2011年。

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