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思想 【ポスト・マルクス主義】

戦後マルクス主義の思想
価格: 2800円+税
発行日: 2013年11月21日
版型: 四六判並製
ページ数: 304頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1491-5
Cコード: C0030

詳細内容

戦前日本の天皇制国家における革命運動の試練なかで、一九三二年に唯物論研究会が結成され、国家権力の弾圧に抗して、マルクス主義の思想的課題をめぐる理論的探究が行われた。
敗戦後、その遺産を継承しながら、マルクス主義・社会主義思想の再考察が展開された。
唯物論と主体性論、疎外論・物象化論、市民社会・国家・民族をめぐる諸問題など、多岐にわたる現代的課題の理論的考察と論争が繰り広げられた。本書はこうした戦後マルクス主義をめぐる批判と論争を再検証し、今日的状況におけるそのアクチュアリティを問う。

【目次】

まえがき 3

第Ⅰ部 唯物論と実践的主体性   13
  第一章 岩佐 茂◆主体性論争で問われたこと 14
 1 哲学における主体性論争──梅本の問題提起と松村による批判
 2 「空隙」はどこに
 3 唯物論の客観主義的偏りをめぐって
 4 梯・黒田による客観主義的唯物論批判

  第二章 島崎 隆◆《実践的唯物論》への道程──政治と哲学の距離 42
 1 なぜ《実践的唯物論》の名称が必要か──「実践的」の意味づけ
 2 《マルクス・レーニン主義哲学》とは何だったのか
 3 政治と哲学の距離
 4 《唯物史観主義》と《主体的唯物論》
 5 《実践的唯物論》の正確な内容
 6 マルクス主義の《実践的唯物論》の現代的有効性
  第三章 吉田正岳◆疎外論・物象化論から社会を見る 71
 1 戦前の物象化論と疎外論──物象化論から疎外論へ
 2 戦後思想における人間論と疎外・物象化論──日本の事例
 3 第二次大戦後の疎外・物象化概念の探求──海外の事例
 4 物象化論・疎外論の転換

    エッセー① 北村 実◆旧ソ連哲学の欠陥──ヤコブレフ『マルクス主義の崩壊』をめぐって 99
    エッセー② 山科三郎◆この二十数年、「問い」続けてきたこと 118

第Ⅱ部 市民社会・国家・民族   123
  第四章 吉田傑俊◆戦後マルクス主義における
         「市民社会論」・「自由と民主主義論」の意義と課題 124
 1 戦後マルクス主義における「原理性」から「現実性」への途
 2 マルクス主義と「市民社会」論
 3 マルクス主義と「自由と民主主義」論
 4 いくらかの概括と展望

  第五章 渡辺憲正◆「民族問題」と戦後マルクス主義 153
           ──戦後初期の「民族問題」論の回顧から
 1 戦後初期における「民族問題」の与件
 2 戦後における「民族問題」の顕在化
 3 戦後マルクス主義の「民族問題」了解の基礎
 4 ネイション問題とマルクス主義

   エッセー③ 鈴木宗徳◆唯物論と社会学──イデオロギー批判と物象化をめぐって 182

第Ⅲ部 戦前の唯物論研究の射程   195
  第六章 長野芳明◆加藤正と永田廣志がその未来に打ち刻んだもの 196
           ──フェニックスを掲げた先達たちの遺訓
 1 加藤正と客観主義
 2 理論の党派性を巡って
 3 永田廣志:反宗教闘争から日本思想史研究へ

  第七章 平子友長◆戦前日本マルクス主義哲学の遺産とそのアクテュアリティ 224
 1 三木清──歴史的存在論としてのマルクス主義哲学構想
 2 戸坂潤──風俗の変革理論としての実践的唯物論

   エッセー④ 大屋定晴◆戸坂潤『日本イデオロギー論』を二一世紀初頭に読む 252
             ──唯物論の現代的課題について
   エッセー⑤ 片山善博◆私にとっての唯物論とは 267

  付録◆東京唯研ニュース 281

  索引 297

著者略歴

片山善博
1963年生まれ。日本福祉大学准教授。
著書:『自己の水脈 ヘーゲル「精神現象学」の方法と経験』(創風社、2002年)、『差異と承認 共生理念の構築を目指して』(創風社、2007年)、「共生に関する一つの考察 承認論を軸に」(『共生と共同、連帯の未来』所収、青木書店、2009年)

大屋定晴
1973年生まれ。都留文科大学ほか非常勤講師。
著書:『マルクスの構想力』(共著、社会評論社、2010年)、「資本の地理的不均等発展─新自由主義的グローバル化への批判と現代資本主義論」(歴史科学協議会編『歴史評論』第741号所収、2012年)、「ハーヴェイによる地理学的批判理論の構築─グローバル資本主義に抗するコスモポリタニズムのために」(デヴィッド・ハーヴェイ著、大屋ほか訳『コスモポリタニズム─自由と変革の地理学』所収、作品社、2013年)

平子友長
1951年生まれ。一橋大学教授。
著書:『マルクス抜粋ノートからマルクスを読む』(共編著、桜井書店、2013年)、『遺産としての三木清』(共著、同時代社、2008年)、『思想史と社会史の弁証法』(共著、お茶の水書房、2007年)

長野芳明
1947年生まれ。(有)HIAS研究所基礎学術センター。
著書:『幼児教育を考える』(IPE出版、1995年)、『知覚論の視座』(共著、HIAS、1997年)、「NEW RESEARCH ON THE RECOGNITION OF HUMAN BEINGS, BASED ON THE EMARGENT DOMAIN THEORY OF KNOWLEDGE」(『THE HUMAN BEING IN CONTEMPORARY PHILOSOPHICAL CONCEPTIONS』CAMBRIDGE SCHOLARS PUBLISHING 所収、2009年)

鈴木宗徳
1968年生まれ。法政大学准教授。
著書:『リスク化する日本社会─ウルリッヒ・ベックとの対話』(共編、岩波書店、2011年)、『21世紀への透視図─今日的変容の根源から』(共編著、青木書店、2009年)、『哲学の歴史9 反哲学と世紀末』の第Ⅹ章「ヴェーバー」を担当(須藤訓任編、中央公論新社、2007年)

渡辺憲正
1948年生まれ。関東学院大学教授。
著書:『近代批判とマルクス』(青木書店、1989年)、『イデオロギー論の再構築』(青木書店、2001年)「『経済学批判要綱』の共同体/共同社会論」(『経済系』第223集所収、2005年)

吉田傑俊
1940年生まれ。法政大学名誉教授。
著書:『国家と市民社会の哲学』(青木書店、2000年)、『市民社会論』(大月書店、2005年)、『「京都学派」の哲学』(大月書店、2011年)

山科三郎
1933年生まれ。東京唯研会員。
著書:『現代教育思想と人間形成』(労働旬報社、1982年)、『人間発達の哲学─いまある自分をのりこえるために』(青木書店、1986年)、『自由時間の哲学─生の尊厳と人間的共同』(青木書店、1993年)

北村 実
1933年生まれ、早稲田大学名誉教授。
著書:『哲学と人間』(白石書店、1984年)、『価値論の視座』(文理閣、1999年)、『憲法と現実政治』(監修、本の泉社、2010年)

吉田正岳
1948年生まれ。大阪学院大学教授。
著書:『美学理論の展望』(共著、梓出版社、1987年)、『IT社会の構造と論理』(共著、晃洋書房、2002年)、「近過去の近未来デザイン─千里丘陵の空間から考える」(『社会文化研究』第12号所収、晃洋書房、2010年)

島崎 隆
1946年生まれ。一橋大学名誉教授。
著書:「実践的唯物論および哲学の根本問題に関する一試論」(東京唯研編『唯物論』第55号所収、1981年)、『ポストマルクス主義の思想と方法』(こうち書房、1997年)、『エコマルクス主義 環境論的転回を目指して』(知泉書館、2007年)

岩佐 茂
著書:『マルクスの構想力─疎外論の射程』(社会評論社、2010年)、『脱原発と工業文明の岐路』(大月書店、2013年)

東京唯物論研究会

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