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カルチャー 【文芸批評】

価格: | 2500円+税 |
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発行日: | 2013年9月24日 |
版型: | 四六判上製 |
ページ数: | 250頁 |
ISBNコード: | ISBN978-4-7845-1908-8 |
Cコード: | C0030 |
日本共産党を除名された中野重治は、1964年12月から69年9月までに57回にわたり、『群像』に「甲乙丙丁」を連載した。本書はこの2000枚をこえる長編『甲乙丙丁』を読み解く。歴史的岐路に立つ今日、1960年代の政治の季節に上梓された、この全体小説の歴史的な普遍的意義を問う。
【目次】
回想の中野重治||『甲乙丙丁』の周辺*目次
第一部 回想の中野重治
Ⅰ「米配給所は残るか」など 8
1 放送「食い物の問題」を聞く 8
2「米配給所は残るか」の周辺 12
3『レーニン素人の読み方』の周辺 20
4 神山茂夫の死 27
Ⅱ 神山茂夫の死と神山茂夫研究会 33
1 神山茂夫の告別式・追悼集会および納骨 33
2 神山茂夫研究会と中野さん 39
3 抽象的「非転向」と現実的「転向」と 45
4 原理的かつ現実的に 52
第二部『甲乙丙丁』の世界
Ⅰ 一つの楽しい小説主題と素材と方法と 58
1 変貌とその主体=実体 63
2「観念的な二重化作用」の形象化 79
Ⅱ「あの頃は動物園の猛獣の声が聞えたな」作品をなりたたせる歴史背景 87
1 街区の変貌||日本社会総体を象徴するもの 87
2 中ソ論争と日本共産党 100
Ⅲ「田村さんにとって不利じゃないかって……」 日本共産党における個的=人間性の剥落 122
1 党員と組織の人間的画一化 122
2 吉野義一らにおける変貌 132
Ⅳ「馬鹿な、てんでわかっていない……」前衛党と党外大衆団体との関係批判 159
1 津雲との対決、作品中最大の山場 159
2 党フラクション、党グループについて 173
Ⅴ 豊田貢(菊池寛)への手紙 204
1 手紙をどう評価するか 204
2 作品の結構における手紙の扱い 224
Ⅵ「やりすごし」をめぐって 党第八回大会と党員文学者のグループ 232
後書き 247
津田道夫
1929年、埼玉県に生まれる
東京教育大学史学科卒業
著書:『国家と革命の理論』青木書店、1961年(増補版、論創社、1979年)
『国家論の復権』盛田書店、1967年(増補版、福村書店、1972年)
『日本ナショナリズム論』盛田書店、1968年(増補版、福村書店、1972年)
『ヘーゲルとマルクス』季節社、1970年
『認識と教育』三一書房、1979年
『実践的認識論への道』論創社、1984年
『イメージと意志』社会評論社、1989年
『弁証法の復権』社会評論社、2000年
『国家と意志 意志論から読む『法の哲学』と『資本論』』績文堂、2006年
『君は日本国憲法を知っているか』績文堂、2009年
他に思想史論、障害者教育論など著書多数