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カルチャー 【文芸批評】

『啄木日記』公刊過程の真相

『啄木日記』公刊過程の真相

知られざる裏面の真相

長浜功

価格: 2700円+税
発行日: 2013年10月18日
版型: A5判並製
ページ数: 248頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1910-1
Cコード: C0030

詳細内容

第1級資料である啄木の日記がこの世の生き延びた隠れた歴史。その謎を読み解くことを通して、知られざる啄木の世界を描く。世代を超えて読み継がれる啄木文学の魅力と今日的課題を探る。

【目次】

●『啄木日記』公開過程の真相─知られざる裏面の検証 ● 


   はじめに ……3

 
  Ⅰ 啄木日記の位相

 一 日本人と日記 ……14
 二 啄木の日記 ……15
 三 日記と手紙 ……17
 四 ローマ字日記 ……19
 五 啄木日記の位相 ……22
 六 一粒の麦、地に落ちずば ……23
 七 日記関連人脈 ……25
      1 石川節子 2 宮崎郁雨 3 土岐哀果 4 岡田健蔵 5 金田一京助 6 丸谷喜市 7 吉田孤羊

 
  Ⅱ 日記は如何に生き長らえたか
 
 一 啄木の死 ……32
 二 日記と環境 ……36   
 三 主なき日記の保管 ……41
      1 遺品の盗難 2 節子の保管 3 丸谷喜市
 四 遠のいた焼却 ……49
 五 節子・郁雨・健蔵 ……53
 六 生々流転 ……57
      1 京子の結婚 2 哀果の函館訪問 3 丸谷喜市の〝抗告〟 
      4 函館大火 5 改造社の版権買い取り 6 吉田孤羊 7 日記の永久保存  


  Ⅲ 空白の日記
 
 一 日記の条件 ……72
 二 空白の日記 ……74
      1 『秋?笛語』(明治三十五年) 2 第一の空白の一年(明治三十六年)
      3 『甲辰詩程』(明治三十七年) 4 第二の空白(明治三十七年~明治三十八年)
      5 MY OWN BOOK FROM MARCH 4.1906 SHIBUTAMI『渋民日記』(明治三十九年)
      6 『明治四十丁未歳日誌』(明治四十年) 7 『明治四十一年戊申日誌』(明治四十一年)
      8 『明治四十一年日誌』(明治四十一年) 9 『明治四十二年当用日記』(明治四十二年)
      10 NIKKI.1 MEID 42 NEN.1909『「ローマ字日記』(明治四十二年)
      11 『明治四十三年四月より』(明治四十三年) 12 『明治四十四年当用日記』(明治四十四年)
      13『千九百十二年日記』(明治四十五年)
 三 節子と日記 ……86
      1 房州の節子 2 函館に戻った節子
 四 破られた日記 ……91
      1 植木貞子の乱 2 九州の女流歌人菅原芳子
 五 不明になっている日記 ……100
 六 北海道から回収された日記 ……103
      1 切り取られた日記問題 2 新聞による経緯 3 混乱の果てに


  Ⅳ 日記公刊過程の検証
 
 一 日記の黎明 ……114
 二 版権委譲問題と石川正雄 ……116
 三 改造社の策謀 ……119 
 四 土岐哀果と石川正雄の和解 ……124
 五 吉田孤羊の訪函 ……128
      1 最初の訪函 2 二度目の訪函 
 六 日記の漏洩(一) ……135
 七 日記の漏洩(二) ……139
 八 漏洩の“犯人〟 ……143
 九 孤羊の蠢動 ……145
 十 石川正雄の反旗 ……151
 十一 丸谷喜市をめぐる誤解 ……155
 十二 マスコミの煽動 ……159
 十三 岡田健蔵の公刊拒否の放送 ……166
 十四 空白の狭間 ……170
      1 大原外光『啄木の生活と日記』(弘文社) 2 宮本吉次『啄木の日記』(新興音楽出版社) 
 十五 石川正雄の専断 ……178
 十六 日記出版残響 ……184
      1 金田一京助の添言 2 宮崎郁雨の回想 


  Ⅴ 石川正雄論
 
 一 石川正雄の行方 ……194
 二 新聞記者と演劇 ……195
      1 京子との出会い 2 正雄の失職 3 『留学』の実態 
 三 『呼子と口笛』 ……204
      1 上京 2 文芸誌『呼子と口笛』の創刊 3 京子の死 4 終刊 
 四 正雄と啄木 ……212
      1 日記の行方 2 「父」と「義父」の間 3 正雄と啄木 4 阿部たつをの「送辞」 
 五 ある消息 ……224       


   あとがき ……231


   附資料(作成・編集 長浜 功)
     啄木関連人物一覧 ……233
     啄木日記関連事項簡略年表 ……234
     主要参考文献・主要資料一覧 ……243

著者略歴

長浜功
1941年北海道生まれ、北海道大学教育学部卒、同大学院修士・博士課程単位取得退学、東京学芸大学教授、定年退職以降、主に文芸に関する著述に専念。

■主な著書
『教育の戦争責任―教育学者の思想と行動』(大原新生社 1979年)
『常民教育論―柳田國男の教育観』(新泉社 1982年)
『教育芸術論―教育再生への模索』(明石書店 1989年)
『彷徨のまなざし―宮本常一の旅と学問』(明石書店 1995年)
『真説北大路魯山人―歪められた巨像』(新泉社 1997年)
『石川啄木という生き方―二十六歳と二ヶ月の生涯』社会評論社 2009年
『啄木を支えた北の大地―北海道の三五六日』社会評論社 2012年

■主な監修・編集
『柳田國男教育論集』『柳田國男文化論集』(新泉社 1983年)
『国民精神総動員史料集成』全3巻(明石書店 1996年)
『史料 国家と教育―近現代日本教育政策史』(明石書店 1997年)
『復刻 資料 公職追放Ⅰ、Ⅱ』(明石書店 1998年)

■主な電子書籍
『野口雨情が石川啄木を認めなかった理由―「小樽日報」陰謀事件の顛末』  e-ブックランド社 2010年
『北大路魯山人―人と芸術』パブー 2012年
『北大路魯山人をめぐる5人の男たち』パブー 2012年

書評

[赤旗 2014/2/2]

本書は、現在われわれが読むことができる啄木の日記や全集の、公刊過程をめぐる人間ドラマを、多くの人物が織りなす史実として究明している。啄木研究の、いわば裏面史とも言える部分を解剖した貴重な研究書である。

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