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カルチャー 【演劇】

ドラマ解読

ドラマ解読

映画・テレビ・演劇批評

井上理恵

価格: 2200円+税
発行日: 2009年5月24日
版型: 四六判上製
ページ数: 272頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-0191-5
Cコード: C0074
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詳細内容

第一部=ドラマ批評、第二部=戯曲分析、第三部=劇作家編で構成されている。
女性の視点から、テレビ、映画、演劇におよぶジャンル横断的なドラマ批評と作家論。
戦争と戦後をどう捉えるかという問題にもパラフレーズ。

【目次】

ドラマ解読──映画・テレビ・演劇批評*目次
第一部 ドラマ批評
「博士の愛した数式」の世界──今を生きる 12
「踊る大捜査線」──キャリア女性は二一世紀の魔女……? 14
「たそがれ清兵衛」──存在意味のある妻 16
「マディソン郡の橋」──姦通・不倫・純愛 19
「デブラ・ウインガーを探して」──女優たちの〈愛・結婚・子育て・仕事・エイジング〉 22
「恋愛適齢期」──恋愛に適齢期はない 25
「ロミオとジュリエット」──少女たちの幻想 27
My fair lady ──シンデレラにはなりたくない 30
「ヴェラ・ドレイク」が語りかけるもの 32
「アビエイター」──スコセッシが描いた華麗な女たち 34
「輝ける青春」──活動家には幸せは訪れない? 37
「華麗なる一族」──キムタクの長髪 40
「阿修羅のごとく」──向田ワールドは終焉か? 42
「家族熱」──21世紀のはずだが、今は明治か? 45
「きみはペット」──従属と服従 47
「年下の男」──醜悪な脚本の世界 50
「真珠夫人」──小説とテレビ、いずれが真珠? 53
「おしん」──彼女の苦労は女の鏡か…? 56
「不如帰」──元祖不治の病の悲劇 58
「女の一生」──はたして自分が選んだ道なのか……? 60
「欲望という名の電車」──女は〈したたか〉? 63
「放浪記」──どう生きればいいのか! 65
「新・明暗」──絶対の愛は存在するのか! 68
「動員挿話」──〈所有と絶対〉は素敵だ! 70
「MITSUKO─ミツコ」──〈凛々しく〉生きた女性 73
「選択」──典子の選択はありえるのか? 75
「山ほととぎすほしいまま」──杉田久女 78
「堀川波鼓」──不義者といわれた女のセクシュアリティ 81
「火山灰地」──今も存在する哀しい女たち 84
「鹿鳴館」──ホントに怖い男の嫉妬 86
「マクベス」──自信過剰は恐ろしい 89
「恐れをしらぬ川上音二郎一座」──三谷幸喜の〈音二郎と貞奴〉 91
「イエスタデー」──木冬社の舞台を観て 94
「我が魂は輝く水なり」の再演──蜷川演出の舞台 95
「歌わせたい男たち」──どうしてそんなに歌わせたいの? 98
「第三帝国の恐怖と悲惨」──ヒットラーの第三帝国が、日本の現実になりそうで恐ろしい! 100
「日本の気象」──東京演劇アンサンブル再演 103
「民衆の敵」──女たちよ、目を覚まそう! 104
「横浜ローザ」──横浜伝説・メリーさん 107
「沖縄」──若者に再び銃を持たせる日は来るのか! 109
第二部 リアリズム演劇の転回
〈愛〉の行方──木下順二「山脈(やまなみ)」 114
木下順二の死 122
長い墓標の列──福田善之から〈小劇場演劇〉へ 124
秋元松代「常陸坊海尊」──〈自由を生きる〉 150
〈喜びは中途半端であり、不幸もまた激烈ではない──〉──激情を内に秘めた劇作家・秋元松代 166
〈棄てられた民〉の出口なき悲劇──「南方のもの言わぬ女たち──衆愚の幻想『村岡伊平治伝』」 169
戦争の影──「東京物語」の原節子 182
新劇運動への熱い思い──書評 武井昭夫『演劇の弁証法 ドラマの思想と思想のドラマ』 202
匿名という個の抹消された世界への警鐘──書評 平野啓一郎『決壊』(上・下) 206
第三部 作家と舞台
演劇革命と有島武郎 212
「或る女」のフォアグラウンド 226
イプセン没後一〇〇年 234
「人形の家」──妻も一人の人間! 237
女優松井須磨子 240
戦争が肯定された時代との出会い──久保栄 没後三十年 243
ドイツの「ホウゼ」と九・一一 246
村山知義の〈転回〉──MAVOから革命的演劇運動へ 251
森本薫の三つの戯曲──時代状況から見た森本の位置 258
委託された立身出世──一葉の「花ごもり」 261
あとがき 271

著者略歴

井上理恵
東京生まれ,神奈川在住。演劇学・文学・女性学専攻
早稲田大学大学院修了(文学修士),吉備国際大学教授
1997年,ロンドン大学SOAS客員研究員。2000年,『近代演劇の扉をあける』で第32回日本演劇学会河竹賞受賞。2009年,「川上音二郎論」で高梁学園学術コンファレンス奨励賞受賞。
著書:『久保栄の世界』『近代演劇の扉をあける』(社会評論社)
共編著:『20世紀の戯曲』全3巻(社会評論社),『樋口一葉を読みなおす』『「青鞜」を読む』『20世紀のベストセラーを読み解く』(学芸書林),『日本の近代戯曲』(翰林書房)
共著:『家族の肖像』(森話社),『明治女性文学論』(翰林書房),『買売春と日本文学』『女たちの戦争責任』(東京堂出版)など。
論文:川上音二郎論・清水邦夫論・菊田一夫論など多数

書評

[社会評論 2010/1/1]

井上のドラマ批評の魅力は、この短い一編に凝縮されていると思う。家父長制の当時を現代の鏡に映し出し、男に都合良く描かれた女と男をフェミニストの視線でメスを入れ、ドラマを解読していく。

長島信也

[週刊新社会 2009/8/11]

またフェミニズムの視座という主調低音と表裏一体に、ともすれば社会のイデオロギー的バックラッシュに便乗する軽佻浮薄なトレンドへの強い拒絶感が、本書とりわけ第一部の基調となっており、そういう意味での「反流行」のぶれないスタンスが、現代日本社会に批判的な演劇や映画ファン以外の読者にも共感を誘う書物となっている。

[図書新聞 2009/8/8]

演劇研究者であり日本文学の学者でもある井上理恵は、フェミニズム批評の実践者であるともいえるが、むしろ、上演芸術を中心に作品にアプローチするとき、視線の焦点がほとんど人物に具現される主題に結ばれてくる。その上でフェミニストの立場から、女性の生き方や現実社会(あるいは観客)の思想状況を明らかにしていく。

斉藤偕子

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