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図書目録

カルチャー 【民俗】

出産

叢書・いのちの民俗学1

出産

産育習俗の歴史と伝承「男性産婆」

板橋春夫

価格: 2000円+税
発行日: 2009年1月
版型: 四六判並製
ページ数: 256頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-0798-6
Cコード: C0030
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詳細内容

産育習俗の歴史と伝承「男性産婆」
板橋春夫

この国にはかつて、男性の産婆がいた。出産の習俗を鍵に、見つめ直す「いのち」。

【目次】

第1部 出産儀礼
■1■ いのちの民俗学 -新しい生命過程論の模索
・日常性の中の死
・誕生と死の共通点
・死のリアリティの喪失
・二つの生命観
・新しい生命過程論の構築

■2■ 通過儀礼の新視角
・通過儀礼の基本思想
・循環的生命観の問題点
・新たな通過儀礼研究の兆し
・誕生と死のリアリティの喪失と民俗研究
・「いのち」への眼差し

■3■ 出産から学ぶ民俗
・安産の祈りと妊婦
  産泰様はお産の神様/安産祈る十九夜様/夫のつわり/腹帯と力鯉
・胞衣とへその緒、そして母乳
  胞衣の処理法/母子を繋ぐへその緒/母乳と乳付け
・産着と初宮参り
  産着と獅子舞/七夜着物と麻の葉模様/男女で違う初宮参り
・出産後の各種儀礼
  赤子の便所参り/くじ引きで付けた名前/トトンゲの慣行/食い初めに石のおかず/ぶつける誕生餅



第2部 産育の歴史

■1■ いのちと出産の近世 -取揚婆、腰抱きの存在と夜詰の慣行
・『餓鬼草紙』にみる出産介助
・『八戸藩遠山家日記』にみる出産民俗
・出産介助者トリアゲババとコシダキ
・夜詰の慣行とヨトギ

■2■ トリアゲバアサンから助産師へ
・トリアゲバアサンと生殺与奪権
・産屋でのお産
・産婆という言葉
・産婆の呪術的機能
・産婆の技術的機能
・助産婦から助産師へ



第3部 伝承・男性産婆

■1■ トリアゲジサの伝承
・問題の所在
・出産と男性
・群馬県前橋市粕川町のトリアゲジイサン
・新潟県湯沢町のトリアゲジサ
・まとめと課題

■2■ 赤子を取り上げた男たち -群馬県における男性産婆の存在形態
・問題の所在
・報告されていた男性産婆
・男性産婆の追跡調査から
・産婆制度と男性産婆
・まとめと課題

■3■ 民俗研究と男性産婆
・問題の所在
・研究対象としての「民俗」
・基本概念としての「伝承」
・民俗調査における聞き書きと記憶
・男性産婆に関する伝承と記録資料
・記憶された各地の男性産婆たち
・まとめと課題

■4■男性産婆の伝承 -羞恥心の問題を視野に入れて
・問題の所在
・男性産婆の諸相
・男性産婆の事例分析と認識の問題
・男性産婆の存在理由と羞恥心の問題
・まとめと課題

コラム
・出産とことわざ
・初乳のこと
・教養としての民俗学

索引(事項・人名)付き

著者略歴

板橋春夫

書評

[図書新聞 2009/5/23]

男性産婆はトリアゲジイサンもしくはトリアゲジサなどと呼ばれており、男性産婆の世話になった人たちの話では、いずれも助産の腕前は老練で人々の厚い信頼を得ていたという。著者がいうように、「男性産婆は単なる変わった話ではなく、近代助産師にきちんと位置づけるべき事項の一つ」であることはまちがいない。
本書は算育習俗について深く掘り下げようとしており、内容は専門的な議論がなされていると同時に、民俗学に関心をもつ初心者への配慮が随所になされていてわかりやすい入門書でもある。

谷口貢二松学舎大学文学部教授・民俗学

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