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カルチャー 【サブカルチャー】

戦後復興首脳列伝

戦後復興首脳列伝

祖国を廃墟から甦らせた真の盟主たち

麓直浩

価格: 2200円+税
発行日: 2013/8/28
版型: 四六判並製
ページ数: 464頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1116-7
Cコード: C0030

詳細内容

絶望に打ちひしがれる国民を励ます頼もしさと楽天性、戦勝者の無理難題を押し退ける折衝力と老獪さ、現実的な国家再建へと導く計画力と実務能力、そして彼らは中興の祖、再建国の父として国の礎を再び築き上げた・・・知謀に長けた敗者76人の希望と感情移入の逆転劇!

【目次】

まえがき 2

目次 4


第一部 栄光との決別 13


●属国化を乗り越えた先に訪れた経済発展
対マケドニア戦争後のアテナイとリュクルゴス栄光との決別 16

●稀代の天才武将、敗れし祖国の改革に乗り出す
~既得権益者の壁は厚かったが、財政は健全化
第二次ポエニ戦争後のカルタゴとハンニバル・バルカ 21

●「市民の第一人者」から「支配者」へ 皇帝の権威強化によって、乱れた帝国の再建目指す
軍人皇帝時代後のローマとディオクレティアヌス&コンスタンティヌス 30

●短期に終わった統一帝国、地方政権として命脈保つ~アメとムチを巧みに使い分け貴族連合の神輿に徹する延命術~
西晋の動乱と元帝・王導 40

●大陸権益の断念と引き換えに手にした、古代帝国への道~敗戦から生まれた島国「日本」~
白村江の戦い後の日本と天智天皇 46

●全土支配が無理なら、金で解決~斜陽の「世界帝国」、強かな転身~
安史の乱後の唐と楊炎 52
●形がどうであろうとも、したたかに現実へ適応し「ローマ帝国」守りぬく
対イスラーム戦争後のビザンツ帝国と皇帝たち ニケフォロス一世&アレクシオス一世 57

●軍事力は豪族に、徴税は地方官に丸投げだ~「小さな政府」か焼け糞か、島国だから許された前代未聞の国家再編~
承平・天慶の乱の衝撃と村上天皇 63

●戦火を収めるためならば、手段を選ばぬ辣腕家~その業績、是か非か~
対金戦争における南宋と秦檜 70

●無理が通らなきゃ道理を掲げろ、武威がなければ借りるまで~威信失墜からの再建 民意を重んじ信頼回復~
承久の乱後の朝廷と九条道家 79

●「最も狡猾なギリシア人」、生き残りをかけて西欧を翻弄す
第四回十字軍後のビザンツ帝国再建とミカエル八世 88

●たとえ権力を失おうとも、神話以来の権威ここにあり~これぞ「象徴天皇」の原点~
南北朝動乱後の日本と後小松天皇 95

●「聖域なき改革」、征服された祖国を蘇らせる~日中の狭間で見せた「琉球」の意地~
薩摩の琉球侵攻と羽地朝秀 103

●西欧趣味から軍事技術模倣へ 徐々に本格化図る西洋化 しかし道のりは厳しかった
対ロシア戦後のオスマン帝国とマフムト一世&セリム三世&マフムト二世 108


●バルト帝国への見果てぬ夢を振り捨てて~外来者国王ゆえの発想転換~
ナポレオン戦争後のスウェーデンとカール一四世ヨハン 114

●「ナポレオンの被害者」として再出発した王政復古~革命の成果と妥協しようとしたけれど…~
ナポレオン戦争後のフランスとルイ一八世 119

コラム1 クリミア戦争後のアレクサンドル二世
128

●苦肉の策から生まれた「二重帝国」、斜陽の王朝を延命させる
普墺戦争後のオーストリアとフランツ・ヨーゼフ
132

●内政再建は思うに任せなかったけれど、超インフレ収束・国際的地位の回復には大いに貢献
第一次大戦後のドイツとシュトレーゼマン 139

●瀕死の「帝国」打倒して、近代国民国家へと脱皮 成功~「現段階では、私がトルコだ!」
第一次大戦後のトルコとケマル・アタチュルク
145

●外交は親ソ、内政は資本主義~英雄の遺産活用し、小国の独立を守りぬく~
第二次大戦後のフィンランドとパーシキヴィ 152

コラム2 第二次大戦後、植民地独立と英仏 158






第二部 廃墟より甦れ 163


コラム3 「戦後復興」は決して当たり前ではない 166

●祭祀から生まれた財政再建マジック
同盟市戦争後のアテナイとエウブロス 168

●打たれ強く、諦め悪く、狡猾に 戦禍をも逆用し貴族を抑えて王権強化
百年戦争後のフランスとシャルル七世&ルイ一一世 172

●王家の系統を統一し、貴族の没落に乗じて王権拡大 島国「イングランド」の確立へ
薔薇戦争後のイングランドとヘンリー七世 180

●党争による政治機能不全を乗り越えて、財政再建で図った戦禍克服
日本・清による侵攻後の朝鮮と英祖&正祖 185

●ハプスブルク家の「偉大なる母」、老朽化した帝国を再建する
オーストリア継承戦争後のオーストリアとマリア・テレジア 190

●独立後、最初の対外的危機を乗り切った後の大統領たち~外の問題にはかかわらず、国内開発だ~
米英戦争後のアメリカとマディソン&モンロー
195

●征服者イギリスと神の権威も利用して、部族連合を脱した集権化
第二次アフガン戦争後とアブドゥラフマーン・ハーン 201
●人口半減の次は公有地売却に強権支配、腐敗政治 だが社会崩壊だけは防がれた
パラグアイ戦争後のパラグアイとカバジェーロ&エスコバール 209

●無為無策な戦争指導者、民主化・工業化の父として復活~幸運なる名誉挽回~
太平洋戦争(南米)後のペルーとピエロラ 214

●海を失った国家危機でも止まない有力者の国家私物化~それでも民主化は少しずつ進む~
太平洋戦争後のボリビアと指導者たち 218

●農業・消費財をさておいても重工業化世界を二分する超大国となったが、犠牲も甚大
第一次大戦後のソ連とスターリン 222

●小国なのを幸いに 第二次大戦やりすごし 東西冷戦始まると 反共を盾に 国家再建
スペイン内乱後のスペインとフランコ 232

●祖国統一より西欧諸国との連携を優先し、ドイツの国際的地位・経済回復を実現
第二次大戦後の西ドイツとアデナウアー 242

●廃墟から立ち上がれ ~ソ連型社会主義か修正主義か経済復興と成長のための葛藤~
第二次大戦後の東ドイツとウルブリヒト 248

●志すは「良き敗者」 占領軍司令官と信頼関係構築しそれを軸に戦後の枠組みを成立させる
第二次大戦後の日本と幣原喜重郎&吉田茂 254

コラム4 敗戦国の戦後復興における戦勝国との関係と戦勝国の事情~敵意から利用価値を経て友情・信頼へ~ 267

●分裂の危機を回避して、中道保守路線で経済復興
第二次大戦後のイタリアとデ・ガスペリ 271

●「敗戦続き」の小国にもたらされた一時の安寧
第二次大戦後のブルガリアとトドル・ジフコフ
276

コラム5 ブルガリアの偽ウイスキー事件 286

コラム6  ブルガリア、その「敗戦続き」の事情 288

●柔軟さと己のカリスマを武器にして、多民族を抱えた独自路線
第二次大戦後のユーゴスラビアとチトー 293

●軍部独裁で綱紀粛正・経済再編し「漢江の奇跡」を演出
朝鮮戦争後の韓国と朴正煕 299

●石油利権を餌にして、海外資本によって目論む工業化~惜しむらくは性急に過ぎた~
独立戦争後のアルジェリアとブーメディエン 305

●泥沼の戦争から脱出するため、善戦を示して交渉に引き出す 戦火から一抜けして経済再建
中東戦争後のエジプトとサダト&ムバラク 310

コラム7 「戦後復興」と「開発独裁」~海外援助が期待できる時代の一類型~ 319

●地域レベルの取り組みきっかけに革命元勲動かして 市場原理を導入し見事脱した経済混乱
ベトナム戦争後のベトナムと「ドイモイ」を進めた男たち チュオン・チン&グエン・バン・リン&ド・ムオイ 321

●独裁・内戦で疲弊した祖国を再建 HIV対策・経済成長に一定の成果
ウガンダ内戦後のウガンダとムセベニ 331

コラム8 戦後アフリカで「戦後復興」が進まなかった理由~政府に国民生活「復興」する意図があるのは、実は決して当たり前じゃありません~
337

●経済復興のため、欧米へのイメージ戦略に苦悩する指導者たち
イラン・イラク戦争後のイランとラフサンジャニ&ハタミ 341

コラム9 サダム・フセインのイラクと三つの「戦後」 347

●とにもかくにも、軍事衝突は回避する~そのためには臨機応変な改憲も辞さず~
カンボジア内戦後のフン・セン 354

●穏健な政治姿勢で海外から好感集め、援助を呼び寄せ経済成長
ユーゴ紛争後のクロアチアとサナデル 359

コラム10 「十日間戦争」後の経済成長とミラン・クーチャン~ユーゴ解体、スロベニアの場合~ 364

●凄惨な民族浄化の悲劇を越えて 汚職追放達成し「アフリカの希望の星」へ躍進
ルワンダ内戦後のルワンダとビジムング
&カガメ 368

コラム11 ビアフラ戦争後のナイジェリアと戦後復興 石油がもたらす急成長 375

●内乱で荒廃するも石油とダイヤで急成長、その前には旧宗主国も膝を折る
内戦後のアンゴラとジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス 378

●民族紛争は掃討した、さあ再建だ~長年の戦禍が終結したその後は?~
内戦後のスリランカとラージャパクサ 383

コラム12 祖国は遠きにありて想うもの~亡命者・海外移住者たちの復興への貢献~ 389


第三部 名誉ある失敗者たちへ 391


●不公正を是正して、市民兵再建を目指したが、既得権益有する有力者たちに潰される
ポエニ戦争後のローマとグラックス兄弟 394

●非常手段で「共和制」の伝統を再建しようと奮闘したが、それには「有能な独裁者」が不可欠な矛盾生じる
「内乱の一世紀」のローマとスラ 400

●合理主義を正面に 新機軸を次々打ち出すも既得権益を崩せず政争化
対遼・西夏戦後の北宋と王安石 405

●「聖人」皇帝の理想、都市化・軟弱化の前に歯が立たず
采石磯の戦い後の金と世宗 410

●防衛戦後の国内混乱 権力強化で突破図るも混乱招き逆効果
元寇後の日本と北条貞時 415

●金と地位とをばら撒いて分裂克服しようとしたけれどやっぱり無理がありました
カイドゥの乱後の元とカイシャン(武宗) 422

●「インド」は危機にあり近代化で乗り越えようとしたけれど、余りに相手が悪かった
第二次・第三次マイソール戦争後のマイソール王国とティプー・スルタン 427

●「北風か太陽か」反乱指導者たちへの処遇をめぐり議会と衝突、旧敵地も反発し空中分解
南北戦争後のアメリカとアンドリュー・ジョンソン 435

あとがき 443

参考文献 461

著者略歴

麓直浩
和歌山県生まれ。京都大学医学部卒。勤務の傍らで、歴史に関連して読書やあれこれと書き散らす事を魂の慰めとする。現在、気に入っている分野である日本の南北朝時代や日本娯楽文化史などを中心に、気の向くままに手を出している。本居宣長を個人的に敬愛。著書に『ダメ人間の世界史』と『ダメ人間の日本史』、『敗戦処理首脳列伝』がある

書評

[軍事研究 2013/11/1]

この本は、ローマ帝国の時代からイラク戦争まで、復興した敗戦国の指導者にスポットを当てて「戦後に必要な理念と施策はなにか」を分析したユニークな書籍であり、筆者は「思想よりもまずは衣食住」と解き明かす。前作の『敗戦処理首脳列伝』もお薦めだ。

[ミリタリークラシックス 2013 Autumn Vol43 2013/11/1]

464ページもの大ボリュームながら、個々の人物については要点を抑えた簡潔な筆致でまとまっており、戦後復興という難題に取り組んだ人々の、知られざる苦悩や功績が明らかにされている。

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