トップ > 図書目録 > 教育・子ども 【教育評論】 > 書籍詳細 : 不登校とは何であったか?

図書目録

教育・子ども 【教育評論】

不登校とは何であったか?

不登校とは何であったか?

心因性登校拒否、その社会病理化の論理

藤井良彦

価格: 2600円+税
発行日: 2017年5月25日
版型: A5判並製
ページ数: 304頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1735-0
Cコード: C0030

詳細内容

子どもたちの登校拒否はどのように論じられてきたか──


「不登校」現象とはあたかも心因性登校拒否が脱病理化されたかの如く錯覚することで現出する仮象に他ならず、「不登校」問題とはそうした仮象を現象と錯覚することにより生じる疑似問題である。思い切って言えば、私は「どの子どもにも起こりうるもの」とされ没個性化された「不登校の子ども」よりも、かつての医学論文に「症児」として出てくる「学校恐怖症」児たちの方に親しみを感じる。彼らには「分裂気質」があったり、「変り者同一性」があったりする。しかし、「不登校の子ども」には何もないのだ。(本文より)

【目次】

Ⅰ.1960年代前半における論調
1.誤診例としての「心因性登校拒否」
2.鷲見論文(1960年)
3.神経症的登校拒否
4.「学校恐怖症現象」の現出
5.山本論文(1964年)
6.「登校拒否児童」の実態調査
7.「学校恐怖症」の疾病分類学
8.高木論文(1965年)

Ⅱ.1960年代後半における論調
1.変り者同一性
2.日本臨床心理学会第1回大会
3.登校刺激?
4.力動主義の台頭
5.臨床心理判定員の論理
6.香川県における一調査
7.児童相談所において

Ⅲ.1970年代における論調
1.教育相談員の論理
2.神経症的通学?
3.治療教育学の立場から
4.金沢大会以降
5.「不登校」が内蔵する教育問題?
6.登校拒否は疾病か?
7.学校原因論
8.新たなる不登校現象?
9.第19回日本児童精神医学会総会

Ⅳ.1980年代における論調
1.稲村事件
2.登校拒否心性の時代を超えた本質?
3.第24回日本児童青年精神医学会総会
4.弱い者いじめの精神医学
5.「不登校」の状態像?
6.登校拒否像の変遷?
7.唯物論研究協会において
8.「科学的教育学」は今

V.1990年代における論調
1.あも
2.社会学的な現象主義
3.変容の物語
4.日本児童青年精神医学会第34回総会
5.登校拒否の「予後」をめぐって
6.登校拒否運動
7.医原性登校拒否
8.病理の構図から抜け出す道はどこにあるのか?
9.なぜ、学校に行ったのだろうか?
10.「認識の転換」は起こったのか?

著者略歴

藤井良彦
1984年生。文学博士。著書に『メンデルスゾーンの形而上学─また一つの哲学史─』(東信堂、2017年)、論文に「学なき学校教育、公の理念なき公教育─在野学の立場から今「不登校」を問う─」(『在野学の冒険─知と経験の織りなす想像力の空間へ─』礫川全次編、山本義隆、高岡健、芹沢俊介他、批評社、2016年)、「渡辺位と小澤勲─登校拒否から「不登校」へ、反精神医学の思想─」(『立正大学哲学会紀要』11号、2016年)、「ベルリン自由学校について─最初のフリースクール─」(『ユダヤ・イスラエル研究』29号、2015年)など。

▲ページTOPへ