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図書目録

海外事情 【アジア】

検証・民主化モンゴルの現実

検証・民主化モンゴルの現実

モンゴル・日本が直面する課題

佐々木健悦

価格: 2300円+税
発行日: 2013年4月5日
版型: A5判並製
ページ数: 256頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1345-1
Cコード: C0030

詳細内容

東日本大震災直後いち早く救援支援活動をはじめたモンゴル国。この資源大国と日本は開発援助や投資・ビジネス、民間支援や友好親善で関係を深める一方で、原発輸出も進める。1989年末からの民主化運動、92年の新憲法施行からの民主化時代が直面する課題を現地取材と地元紙・先行研究を駆使して検証。日本との比較をおりまぜる著者持ち前の辛口時評で目からウロコの同時代史。

【目次】

序章

1 ある脱南者の軌跡

南モンゴルでの幼少期/第二次大戦後にウランバートルへ/国営農場から再びウランバートルに

2 南北モンゴル統一独立運動

#チョイバルサンの対スターリン交渉/#毛沢東の執心/#チョイバルサンはモンゴルのスターリンか

3 大震災にも耐えた「徳王卿手植えの松」

4 ツェデンバルの登場と退場

#レトリックの政治家、理念の政治家



第一章 政治の問題 問われる民主主義の成熟度

1 民主化革命から自由選挙(1990年7月)まで

#民主主義の成熟度―デモのスタイル/#デモで政治が変えられるか

2 モンゴル国憲法

#モ国の元首は大統領で、「国の象徴」

3 第一回総選挙(1992年6月)と人民革命党単独政権

4 第二回総選挙(1996年6月)と国際援助機関と民主連合政権

#民主連合政権期のゾリグ暗殺と明治維新期の龍馬暗殺

5 第三回総選挙(2000年7月)と人民革命党政権

6 第四回総選挙(2004年6月27日)後に人民革命党と

「祖国・民主」連合の連立政権

7 第五回総選挙(2008年6月末)と7月1日の暴動

8 第六回総選挙前

N.エンフバヤル前大統領逮捕

9 第六回総選挙(2012年6月)と連立政権樹立

? 連立政権の行方

? 問われる民主主義の成熟度

#異論の許容は民主主義の成熟度/#政治家の言語能力と説明責任/#政党乱立と「卒原発」



第二章 外交の問題 強大国と向き合うモンゴル外交

1 対露外交─互いに復縁を求めて

? ソ連軍撤退後の混乱/ ? 民主化後の関係再構築/? 天然ガス・パイプライン、モ国を経由?

2 対中関係─腐れ縁

? 中ソ対立?文化大革命?関係修復/? 天安門事件と民主化後の関係強化/? ダライ・ラマ14世のモ国訪問の波紋/? 内モンゴル騒乱/#内モンゴル自治区で大規模抗議デモ/#南モンゴル人の権利闘争支援を

3 北朝鮮と韓国

4 対米関係

? 米モ関係小史/? 恐竜化石騒動/#世界最強の女性、モ国訪問 

5 対日関係─日本は最大の援助国

? 日モ国交樹立までの道程/日モの最初の接触―元寇(1274年と1281年) 1912年ボグド・ハーンから日本天皇宛てに親書/1945年8月モンゴル人民共和国、日本に宣戦布告、1939年と1945年の戦争賠償請求/戦争賠償と日本人抑留者問題/1960年代前半から抑留日本人墓地墓参まで/1972年2月24日国交樹立/国交樹立後の友好親善/#日本の首相級の英語

? モ国の東日本大震災救援・復興支援/モ国、百万米ドルの義捐金/「城所大使、感激を語る」/モンゴル人の日本脱出と復興支援/「モンゴルから支援物資届く」/#「龍の国」からの賓客

6 日米モの核処分場建設計画

#モンゴル国に核処分場/#核処分場計画/#大統領令で建設交渉も禁止/#国内では原発推進

第三章 開発の問題 モンゴル国に原発は要らない

1 開発支援の問題

? 途上国援助─腐敗の温床/? 日本の途上国援助(ODA)/? 日本の対モンゴル援助─モ国の不可解な震災対策事業

2 日モの原発問題─日モに原発は要らない

#モンゴルに原発?/#モンゴル国に原発は要らない/#日本は「脱原発」? モ国は?/#「虹色の国」と「青空の国」のウラン/#モ国はそれでも原発推進?/#日本は脱原発失速、モ国は?/#鈴木善幸の原発拒否/#原発を総選挙の争点に/#立法と行政、推進と規制/#原子力規制委の怪/#「除染」は「移染」─放射性廃棄物の行方/#「大風が吹けば、桶屋が儲かる」─手抜き除染発覚/# 使用済み核燃料の後始末/# 日本は2030年代に原発ゼロ?

3 日本の原発輸出

# 歴史を繰り返す日本の政官民/# 汚れた巨大ビジネスは「外地」で、か/# 放射能の恐怖をモンゴル国民に/#内地で再稼働停止、外地に原発輸出

4 再生可能エネルギーの開発

# 原発に代わる発電/# モ国の再生エネ開発─「青空の国」の太陽と風



第四章 環境の問題 自然環境の保護と復旧

1 観光と自然破壊

世界遺産の劣化と修復/#モ国は観光立国か 外国人観光客 乱設・乱猟・乱獲と監視/#保護種を乱獲するフイッシング・ツアー

2 鉱業開発と環境復旧

# ニンジャ部落─「忍者」が砂金採り

3 水資源と水質汚染

世界の水資源/モ国の水資源/井戸掘り

4 砂漠化と防止策

進む砂漠化/過放牧/日本も襲う黄砂/砂漠化防止事業/#牛糞

5 森林問題─森林火災と違法伐採

6 山羊とカシミア産業

カシミア原毛生産/中国カシミア企業の進出/山羊の飼育数激増/カシミア原毛輸出禁止令の施行と撤廃/山羊の習性/モ国カシミア産業発展の可能性

第五章 都市の問題

1 大気汚染

2 道路交通事情

# ウランバートルタクシー有情/#ウランバートルの雨/#凍っても滑らない

3 ゴミ問題─結局、民度の問題

#Mottainai(モッタイナイ)話

4 ゲル集落─都市問題の多くが集中

増え続ける首都人口/ゲル集落に都市問題が集中

5 トイレ事情

アジアの立小便事情/小便器の高低は独立度/#モンゴル人の手鼻

6 ウランバートル都市問題に取り組むJICA



第六章 社会の問題

1 貧困問題

モンゴル国民の幸福度/貧困ライン/「貧困緩和プログラム」/モ国の貧困層/モ国の経済成長率

2 汚職問題─モンゴル国の持病か

汚職認知度/汚職の温床/腐敗の度合い/前大統領に実刑判決/モンゴル社会の持病か

3 土地私有化─未熟な土地所有の観念

土地所有法/民主化後の土地制度改革/占有権の乱用/許認可が汚職の新たな温床

4 飲酒問題

モンゴル国民の飲酒量とアルコール依存と肝炎/アルコール中毒事件と禁酒キャンペーン

5 「増殖する」シャーマンの不気味



第七章 教育立国モンゴルの教育問題

1 モンゴルは教育立国

# モンゴルは教育立国/# 近代モンゴルの教育は識字率3%で始まった/#自治時代の学校/# 人民政府初の小学校/#地方の学校/#最初の中学校/#モンゴル国立大学

2 民主化後の教育問題

#教育改革は社会改革/# 教育改革の基本/# 教育条件の整備が先/#モ国の国外留学

3 日モの大学乱立問題

4 モ国の日本語学習─今なぜ、日本語を学びたがるのか?

5 日本の外国人研修・技能実習制度の問題

6 カンニング(cheating)

7 モ国の教職員ストが意味するもの

8 日モの歴史教育



第八章 文化の問題

1 北方民族から見た万里の長城

2 民主化後のモンゴル仏教界

3 狼の文化誌

『神なるオオカミ』/狼の遠吠え/狼の襲来/狼の仔育てと兵員補充/狼狩り、あるいは狼退治/狼の挽歌/狼は益獣あるいは聖獣─頂点捕食者/モンゴル牧民のオオカミ観と生態系の健康

4 モンゴル犬バンハル─モンゴル牧民の最良の友

5 チンギス・ハーンの角川映画

6  朝青龍騒動

朝青龍、断髪─土俵に「惜別のキス」/#朝青龍の涙/#日本の朝青龍報道/#朝青龍のどこが嫌われたのか

7 雨の訪問者

8 誤訳の問題

異文化コミュニケーションにおける比喩表現

第九章 ジャーナリズムの問題

1 社会主義体制下のジャーナリズム

2 民主化革命後のジャーナリズム

3 国民の「知る権利」

『アルドチラル』紙、秘密都市「マルダイ」をスクープ/#事実の報道と隠蔽/#フクシマの声が届かない国

4 「ジャーナリストは社会の番犬、労働組合は犬の蚤」

5 国営ジャーナリズムと政治的中立

国営「モンツァメ」通信社は御用ジャーナリズム/公務員は国民の公僕/原発問題を隠蔽/御用ジャーナリズムの詭弁/「出戻りは、婚家の牛を心配しなくて良い」

6 「ジャーナリズムはインタビューに極まり候」

著者略歴

佐々木健悦
1947年宮城県生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒業。2008年3月まで千葉県下の高校で英語教員。同年4月から6月までモンゴル国・オトゴンテンゲル大学人文学部東洋言語学科で日本語講座を担当、同年9月から同国のエルデム・ホトログチ外国語大学(現・国立人文大学ダルハン分校)に日本語講座を開設し、英語も担当。2010年4月からウランバートルの「モンソダル」出版社でモンゴル語・日本語辞典の編纂作業に従事。同年6月からモンゴル国営「モンツァメ」通信社で日本語週刊紙『モンゴル通信』の編集と日本語監修に携わった。2012年8月、「モンツァメ」社を退職。専門は、社会言語学とモンゴル近現代史。教育、言語、モンゴルなどに関する論文論説・コラム記事多数。

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