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海外事情 【中国・香港・台湾】

忘れられた王国

忘れられた王国

一九三〇~四〇年年代の香格里拉・麗江

ピーター・グラード(著) / 佐藤維(訳) / 由井格(監修)

価格: 2700円+税
発行日: 2011年6月23日
版型: 四六判並製
ページ数: 368頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1340-6
Cコード: C0030

詳細内容

1940 年代、中国工業合作社の若きオルガナイザーが活動拠点とした雲南省麗江の少数民族の生活・風俗・文化の記録。

【目次】

忘れられた王国*目次
序 章  革命ロシアに生まれ動乱の中国へ 9
第一章  麗江へ、日本軍の空襲をさけて山賊の世界へ 23
麗江を目指して 23/タマカイの夜 26/劍川と白族 29
アコウヤの家での夕食会 33/山賊寺 36
第二章  麗わしの古都・麗江 41
麗 江 41/麗江の我が家 45/幽霊屋敷 47
町への道 50/町並み 54/通 貨 56
麗江の王族 59/豚への敬意 62/心を開かない納西族 65
友 情 68/ミスター・ヤンの死 70
第三章  少数民族の集まる市と酒の都・麗江 73
にぎわう市場 73/麗江の酒店 76/マダム・リー 79
飲み仲間 83/マダム・ヤンの店 87/陽気な娘たち 92
夜の楽しみ 96/マダム・ホーの酒屋 99/リュクヒ(摩梭人) 102
リュクヒの美女 104
第四章  本拠地を踏み出して地方へ 107
故郷を離れて 107/納西族の気質 108/農村への招待 112
キノコの講義 114
第五章  合作社・生産協同組合の設立 117
合作社の設立 117/守るべき原則 120/成功とお墨付き 125
細心の注意 126
第六章  つながりを深めた医療活動 129
医者としての仕事 129/殺到する患者 130/甲状腺種とハンセン病 133
病気と治療 139
第七章  納西族の自立した女性たち 143
納西族 143/納西族の女 146/幸せな社会 150
教義比べ 153
第八章  チベット族・天性の商人 「女王」にかしづく男たち 157
チベット族 157/キャラバンの活躍 158/カムバ(康巴) 161
山賊の縄張り 165/稲城のガニュメデス 167/稲城の経済活動 170
陽気なラマ僧 173/郷城の女王 175/チベット人の執事 179
貴族の晩餐会 183/王子の死 186/ネーマの任務 187
女王の来訪 191
第九章  さまざまな少数民族 197
ボア族、イ(彝)族、白族 197/ボア族の客 198/去りゆく民族、来たる民族 199
貴族ロロ 202/白イ族 207/中世の国 209
イ族の家畜と農作物 211/阿片の取引 215/イ族の患者 218
白族の職人芸 219/白族の『椿姫』 223
第十章  ラマ教(チベット仏教)とトンバ教 225
ラマ寺院 225/ラマ寺院で過ごす週末 232/輝かしい儀式と新しいラマ僧の誕生 235
トンバ教 238
第十一章 身のまわりの精霊たち 243
ポルターガイスト(精霊) 243/霊との交信 244/小さな霊たち 248
丘の幽霊 252
第十二章 自由恋愛と「許嫁」制のはざまで 255
自殺とトンバの儀式 255/納西族の結婚制度 257/ハーラルーの儀式 262
死を招いた参拝 265/不幸せな結婚による悲劇 267
第十三章 盛大なる結婚式 271
納西族の結婚式 271/結婚の儀 272/村の結婚式 276
銅鉱合作社の結婚式 280/黒リス族の貴族 283
第十四章 ヒトと神と自然が一体となる祭 287
麗江の祭 287/豊穣の祀りと先祖崇拝 289/フォバチェ(火把節) 291
第十五章 納西族の古楽 295
納西族の音楽、芸術、休暇 295/名将と音楽 296/黄金のごとき旋律 298
時間と美 300
第十六章 合作社の成果 303
発 展 303/黒白水の話し声 307/臆病なミャオ族 310
上ンガツェの製紙合作社 313/雲の上の合作社 314/若者の靴屋 318
第十七章 「解放」時の混乱 323
盗賊のロキュン 323/脅迫状 324/抵抗の準備 327
勝 利 331/謎の改革者 333
第十八章 去らば麗江 337
麗江との別れ 337/豊穣の儀式 338/解 放 341
変わってしまった麗江 344/旅立ちの準備 347/玉龍雪山の怒り 349
解 題 由井 格 353
麗しき古都・麗江 353/世界遺産に囲まれた少数民族の天地・麗江 355
ピーター・グラードについて 357/中国工業合作社とオルガナイザー・グラード(顧彼得) 359
「忘れられた王国」との出会い 364
参考文献 367

著者略歴

ピーター・グラード

佐藤維
1970年、東京に生まれる。1992年、國學院大學文学部卒業。1995~98年、フェローアカデミーにて文学翻訳を学ぶ。その後、文芸書の翻訳に携わる。同人誌『みみくろ』を主宰。「クロー戦記」「クロー戦記・終焉」などを同誌に発表。現在、NPO「時間湯を守る会」理事長

由井格
1934年、長野県川上村に生まれる。1959年、中央大学法学部卒業。
現在、雲南・西蔵民族研究会、横断山脈研究会、社会運動史研究会などで活動。
著書・論文に、『革命に生きる─数奇なる女性水野津太・時代の証言』(編著、五月書房)、「労働者共済運動の歴史と現状」(労働経済旬報、1395号)、「雲南省・怒江(ヌージャン)紀行─山岳少数民族を訪ねて」(せこ道3号、山地民族フォーラム、2000年7月)などがある。
1980年以後、東チベット・中国横断山脈に18回入域。1995年4~5月、昆明→拉薩日中合同探査隊で、蔵公路・仙蔵南路を走破。他のメンバーとともに、外国人完走第一号として認められる。

書評

[図書新聞 2011/9/24]

秘境と言われる雲南について、大変貴重で示唆に富んだ本が翻訳された。実は本書はすでに半世紀前の一九五七年に、『忘れられた王国』と題してロンドンで出版されたものである。著者のピーター・グラードはロシア生まれで、幼少時にロシア革命にぶつかり、以後、トルキスタン、シベリア、中国へ と点々と何を逃れながらの移動を繰り返し、数奇な運命に翻弄された人生を送った人である。

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