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図書目録

海外事情 【ヨーロッパ】

ナチス・ドイツの強制労働と戦後処理

ナチス・ドイツの強制労働と戦後処理

国際関係における真相の解明と「記憶・責任・未来」基金

田村光彰

価格: 3400円+税
発行日: 2006年2月
版型: A5判
ページ数:
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1322-2
Cコード: C0030

詳細内容

強制連行され、生死の境目で労働させられ、敗戦と共に放置された異国や占領地の人びと。2000年7月、強制労働者に補償を行なう財団が正式に発足。それは、被害者・遺族の尊厳を取り戻すための闘いの成果だった。(2006・2)

【目次】

第一章●ドイツの歴史認識はどう進んだか          
   1 歴史認識の大筋           
   2 記憶の抹殺と沈黙          
   3 ドラマ『ホロコースト』の衝撃        
    (1)「テレビ史上、最も重要な日」
    (2)『ホロコースト』のもたらした歴史認識
   4 ヴァイツゼッカー大統領演説と歴史家論争         
   5 基金の設立        

第二章●強制労働          
  1─強制労働の実態      
   1 体験を語る        
    (1)ボッシュ社
    (2)フォード社
    (3)IG―ファルベン社
    (4)企業の「被害者」論
   2 強制労働者の由来         
   3 出身国別の強制労働者        
    (1)チェコ
    (2)ポーランド
      〈1〉強制連行と職安
      〈2〉農業労働者 
    (3)北欧、フランス
    (4)ソ連
      〈1〉生存圏 
      〈2〉強制労働の実態
   4 子どもの強制労働            
2─強制労働とは何か              
   1 大規模、組織的な強制労働        
    (1)農業部門から産業部門へシフト
    (2)全ヨーロッパを供給先に
    (3)強制収容所に新たに触手
   2 「業績に連結」させる食糧配給     
   3 「業績に連結」させる賃金       
   4 人種差別に基づくヒエラルヒー     
   5 後始末                
    (1)間引き
    (2)警察、職安へ「戻す」という措置
    (3)帰還者を待ち受けた偏見

第三章●国際法と裁判              
1─国際法、国内法と強制労働          
   1 無差別大量殺戮の時代          
   2 国際法                 
    (1)第三帝国が拘束される国際条約〈1〉「ハーグ陸戦規則」
    (2)第三帝国が拘束される国際条約〈2〉「捕虜条約」
    (3)第三帝国が拘束される国際条約〈3〉「ジュネーヴ赤十字条約
    (4)第三帝国が拘束される国際条約〈4〉「奴隷禁止条約」
    (5)第三帝国が拘束される国際条約〈5〉「ILO五号条約」
   3 国内法                 
   4 強制労働者使用の目的           
    (1)ドイツ人労働者の穴埋め
    (2)不払い、低賃金労働
    (3)労働生産性
    (4)社会保障規定から除外
    (5)戦後へのスタートダッシュ
    (6)高度経済成長
    (7)ステータス・シンボル
   5 企業の虚偽               
   6 各社の強制労働           
    (1)ディール社の場合
      〈1〉元社長への称号授与
      〈2〉ディール社の強制労働史
      〈3〉「戦時利得者」
      〈4〉ディール社の基金設立
    (2)アメリカ企業フォード社の場合
      〈1〉ドイツ支社
      〈2〉第二次大戦前のフォード社
      〈3〉第二次大戦中のフォード社
      〈4〉第二次大戦後のフォード社
      〈5〉日本企業の場合
      〈6〉基金参加拒否
      〈7〉フォードシステム
   7 ナチス犯罪とは何か           
    (1)戦争開始以前の暴力装置
    (2)すさまじい事後法の体系
    (3)「人道に対する罪」
  2─ニュルンベルク国際軍事裁判とニュルンベルク継続裁判          
   1 ニュルンベルク国際軍事裁判       
    (1)「人道に対する罪」と「狭義(通例)の戦争犯罪」
    (2) 判決
    (3)ニュルンベルク国際軍事裁判の意義と問題点
      〈1〉後世に残す学ぶ場 
      〈2〉問題点 
   2 ニュルンベルク継続裁判        
    (1)ニュルンベルク継続裁判と強制労働
    (2)IG―ファルベン社の場合(事件番号六)
      〈1〉IG―ファルベン社とは 
      〈2〉IG―ファルベン社小史
      〈3〉ニュルンベルク継続裁判とは
      〈4〉フリック社
      〈5〉クルップ社
      〈6〉 継続裁判をめぐって


第四章●「記憶・責任・未来」基金          
  1─ドイツの戦後補償史            
   1 第一期:補償問題は州が先行       
   2 第二期:初期の国際条約と国内向けの単一補償法         
    (1)加害への沈黙
    (2)アデナウアー、一歩踏み出す
      〈1〉イスラエル議会での交渉可決
      〈2〉ドイツ・イスラエル会合
      〈3〉ルクセンブルク協定
    (3)ロンドン債務協定
      〈1〉「賠償問題の最終規定」 
      〈2〉アウシュヴィッツに融資したドイツ銀行 
    (4)連邦補償法
      〈1〉ナチスの不法
      〈2〉制限、除外された人々
    (5)二国間協定による西側諸国への補償
      〈1〉連邦補償法の国外適用
      〈2〉西側諸国への補償の意味
   3 第三期:東側諸国との補償問題に進展       
   4 第四期:緑の党の努力と忘れられた犠牲者     
    (1)補償は「誇り」
    (2)緑の党
    (3)「忘れられた犠牲者」
    (4)ノイエンガメ強制収容所
   5 独自の裁判と非ナチ化            
    (1)西ドイツの既存の刑法による裁判
      〈1〉ナチス犯罪解明センター
      〈2〉時効の廃止
      〈3〉「司法は戦後補償を行う」 
    (2)非ナチ化と大赦
      〈1〉「民主主義を徹底させる教育」
      〈2〉恩赦、大赦
   6 第五期:『記憶、責任、未来』基金設立      
    (1)ドイツ・ポーランド和解基金
    (2)強制労働補償基金「記憶、責任、未来」に先立つ企業の補償史
      〈1〉ドイツ政府による補償 
      〈2〉 企業による補償 
    (3)真相の解明
      〈1〉 オーストリア:侵略戦争への加担 
      〈2〉 フランス:ヴィシー政権、パポン裁判、カトリック 
      〈3〉 スイス:半世紀後の逆転無罪 
      〈4〉 スウェーデン:「中立政策」の見直し 
      〈5〉 日本:「従軍(軍隊)慰安婦」 
    (4)基金成立の要因
      〈1〉 企業史の執筆 
      〈2〉 別人の人生 
      〈3〉 スイスの戦争責任 
      〈4〉 ヒューゴー・プリンツと補償問題 
      〈5〉 ナチスと年金 
      〈6〉 裁判とロンドン債務協定 
      〈7〉 国防軍の犯罪展 
      〈8〉 基金創設の最大の要因:市民運動と市場の喪失 
    (5)基金の成立
      〈1〉法的安定性 
      〈2〉 強制労働補償基金「記憶、責任、未来」 
  2─終わりに                  
   1 申請者二一〇万人            
   2 運動を続ける人々
    (1) ミュンヒェン反差別同盟
    (2) 独自のカンパ、基金の創設
   3 くり返さないために  

著者略歴

田村光彰
1946年生まれ、金沢大学大学院修士課程(独文専攻)終了、北陸大学教員

著書
『統一ドイツの苦悩──外国人襲撃と共生のはざまで』、技術と人間、1997年(改訂版)
『ドイツ 二つの過去』、技術と人間、1998年
『現代ドイツの社会・文化を知るための48章』(共著)、明石書店、2003年

主要訳書
エルケ・シュテーク他『意識はフェミニズム、行動は地域』、現代書館、1991年
トーマス・エバーマン、ライナー・トランペルト『ラディカル・エコロジー』(共訳) 社会評論社 、1994年
ペーター・シュタインバッハ他『ドイツにおけるナチスへの抵抗1933─1945』(共訳)、現代書館 、1998年
ヤン・C・ヨェルデン編『ヨーロッパの差別論』(共訳)、明石書店、1999年
ベルント・シラー『ユダヤ人を救った外交官──ラウル・ワレンバーク』(共訳) 明石書店、2001年
ゲールハルト・フィッシャー他『ナチス第三帝国とサッカー』(共訳)、現代書館、2006年

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