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図書目録

海外事情 【ロシア・東欧】

詳細内容

「巨大な農民国」ロシアにおける革命は、農村における深刻な飢餓や抑圧をもたらし、工業化という「脱農民化」の動きはソ連という国家の基盤を掘り崩した。日本とロシアの専門家18人の共同研究。(2006・11)

【目次】

凡例
序にかえて  20 世紀ロシア農民史と共同体論――奥田央

第 1 部 歴史と現代
20 世紀ロシア農民の歴史的記憶――イリーナ・コズノワ(松井憲明訳)
はじめに
1 .記憶研究の諸傾向
2 .農民的記憶の基本的特徴
3 . 20 世紀の文脈における農民の記憶
4 .いくつかの結論

第 2 部 コルホーズ以前の農民
ストルィピン土地整理政策と首都県の農民――ドミトリー・コヴァリョーフ(崔在東訳・鈴木健夫補筆)
はじめに
1. 改革前の農民土地利用
2. ストルィピン改革の進行
3. 農業技術援助と区画地経営
4. モスクワ県における集団的土地整理
5. 第一次世界大戦期における土地整理政策
むすび

20 世紀初頭ロシアにおける農民信用組合( 1904 ― 1919 年)――崔在東
――モスクワ県を中心として――
はじめに
1. 農民信用組合の設立
1.1. 農民信用組合の設立まで
1.2. ゼムストヴォ小規模信用金庫と農民信用組合
1.3. 土地整理委員会と区画地経営
1.4. ストルィピン農業改革と農民信用組合の発展
2. 農民信用組合の設立と成長
3. 組合員の構成
3.1. 組合員構成
3.2. 入会・脱退・除名
4. 預金事業と資金調達
4.1. 預金事業
4.2. 借入
4.3. ロシア革命期における資金調達
5. 貸付事業
5.1. 無担保・無保証貸付
5.2. 未回収債権率
5.3. 貸付利用者と貸付額
5.4. 貸付機関と貸付金利
5.5. 貸付の目的と使用先
6. 農業物資調達のための仲介事業
むすび

1918 ― 21 年のウクライナにおけるマフノー運動の本質について――ヴィクトル・コンドラーシン(梶川伸一訳)
1 .マフノー運動への新たな視座
2 .マフノー運動におけるアナキズム
3 .マフノー運動の理論的基盤
4 .マフノー運動の政治的立場
5 .マフノー運動とボリシェヴィキ
6 .反マフノー・キャンペーンの展開
7 .マフノー運動の悲劇

農村統治とロシア都市――県・市合同の分析( 1918 ― 1921 )――池田嘉郎
はじめに
1. 1920 年初頭までの全国状況
2. モスクワ県・市合同の前史
3. モスクワ県・市合同
4. 県・市合同後のモスクワ党組織
5. 県・市合同後のモスクワ・ソヴェト機構
むすび

共産主義「幻想」と 1921 年危機――梶川伸一
――現物税の理念と現実――
1. 現物税の理念的基盤
1.1. 問題の所在
1.2. 共産主義「幻想」
1.3. 社会主義的交換への移行
1.4. 過渡的措置としての現物税
2. 21 年危機の現実とそれへの対応
2.1. 21 年危機の出現
2.2. 第 10 回党大会
3. 現物税構想の変容
3.1. 党大会決議から法案作成へ
3.2. 政策方針変更の要因
むすびにかえて

ヴォルガ河に鳴り響く弔鐘――鈴木健夫
―― 1921 ― 1922 年飢饉とヴォルガ・ドイツ人――
はじめに
1. 第1次世界大戦・社会主義革命・内戦
2. 食糧徴発、暴動・虐殺
3. 飢饉
おわりに

共同体農民のロマンスと家族の形成――広岡直子
―― 1880 年代― 1920 年代――
1. 出会いの場
1.1. 農民の性別年齢階梯における呼称
1.2. 青年の地位と役割
1.3. 出会いの機会
2. 結婚生活
2.1. 婚前交渉
2.2. 処女性と結婚生活の公開
小括――むすびにかえて

ネップ期の農村壁新聞活動――浅岡善治     
――地方末端における「出版の自由」の実験――
はじめに
1. 「わが村の新聞」――農村壁新聞活動の構想と射程
2. 農村壁新聞活動の展開と 1926 ― 27 年サークル調査
おわりに

穀物調達危機と中央黒土農村における社会政治情勢( 1927 ― 29 年)――セルゲイ・エシコフ(梶川伸一訳)
1. ネップと「農民同盟」
2. 穀物調達危機と非常措置
3. 危機の慢性化
4. 暴力の全面化 集団化へ

農村におけるネップの終焉――奥田央
はじめに
1. 転換はいかにおこったか
2. 村への調達計画の割当
3. キャンペーンの同時性
4. 村計画のシステム化
5. 暴力の源泉

第 3 部 コルホーズ農民
1928 ― 1931 年の赤軍における「農民的気分」――ノンナ・タルホワ(浅岡善治訳)
はじめに
1. 赤軍の「農民性」の社会的特徴づけ
2.1928 ― 1931 年の赤軍における「農民的気分」
2.1. 軍政治機関のシステムと情報提供の諸原理
2.2. 農村における「新路線」に対する軍の反応
2.3.1928 年夏以降の「農民的気分」
2.4.1929 年の「農民的気分」
2.5.1930 年の「農民的気分」
2.6.1931 年の「農民的気分」
むすびにかえて

ロシアとウクライナにおける 1932 ― 1933 年飢饉:ソヴェト農村の悲劇――ヴィクトル・コンドラーシン(奥田央訳)
1. 問題の所在と研究の視角
2. 背景  1930 - 1931 年
3.1932 年の経済危機
4. 飢饉  1932 - 1933年

1920 年代― 1930 年代のヨーロッパ・ロシア北部におけるコルホーズ・農民・権力――マリーナ・グルムナーヤ(奥田央訳)
はじめに
1. コルホーズ管理史
2. 突撃作業員
3. 国家とコルホーズ
4. 共同体とコルホーズ

20世紀前半のウラル地方における農業の変容――ゲンナジー・コルニーロフ(鈴木健夫訳)
はじめに
1.1920 年代― 1930 年代
2. 第2次世界大戦期
2.1. コルホーズ経営と副業経営
2.2. 農業各部門
2.3. 農業政策――穀物調達・食糧問題
おわりに

コルホーズ制度の変化の過程  1952 ― 1956 年――松井憲明
はじめに
1. 逃亡農民の送還問題  1952 ― 53 年
1.1. キーロフ州 からロストフ州への農民逃亡事件
1.2. アストラハン州からスターヴロポリ辺区への農民逃亡事件
2. コルホーズ員からの住宅付属地返上嘆願の問題  1952 ― 53 年
3. 農業アルテリ(コルホーズ)模範定款改正問題  1955 ― 56 年
4. コルホーズ員給与支給問題  1955 ― 56 年
5. 若干のコメント
5.1. 逃亡農民の送還問題について
5.2. コルホーズ員からの付属地返上嘆願の問題について
5.3. 農業アルテリ定款改正問題とコルホーズ員給与支給問題について

1960 年代― 1980 年代のロストフ州農村における労働力の可能性:行政的調整の試み――ヴィターリー・ナウハツキー(池田嘉郎訳)
はじめに
1. 農村人口の変化と労働リソースの利用状況
2. 農村における物資・技術基盤の拡張および社会的領域の発展
3. カードル問題への「非市場的」対応
むすび

第 4 部 ポスト・ソヴェト農民
ロシアにおける土地流通・土地市場――野部公一
――実態理解のための若干の考察――
1. 課題設定
2. 土地改革の経緯
3. 土地流通・土地市場の特徴
4. 変貌する土地市場
5. おわりに

移行経済下ロシアの農村における貧困動態――武田友加
――都市の貧困動態との比較から――
はじめに
1. ロシアの貧困の特徴
1.1. 貧困と不平等の拡大
1.2. 都市・農村の貧困リスクと貧困増加・減少の変化率
2. データと分析方法
2.1. 貧困動態分析のためのデータ
2.2. 貧困の測定
2.3. 貧困動態:慢性的貧困、一時的貧困、非貧困
3. 都市貧困と農村貧困の相違
3.1. 都市と農村の貧困動態:一時的貧困か、慢性的貧困か?
3.2. ロシア全体の貧困動態と労働力状態
3.3. 都市内・農村内の貧困動態と労働力状態の連関の相違
3.4. 都市・農村間の貧困動態の相違
おわりに

編者あとがき
事項索引
人名索引

著者略歴

エシコフ・セルゲイ
タンボフ国立技術大学・国家と法(歴史と理論)講座主任
『ネップ期( 1921 ~ 1928 年)におけるタンボフ県の農民経営』(タンボフ、 2004 年);『中央黒土の集団化:前提と遂行( 1929 ~ 1933 年)』(タンボフ、 2005 年);「改革後農村の土地諸関係:研究史の諸問題」(論文集『人文科学:問題と解決』第 4 部、ペテルブルグ、 2006 年)など

浅岡善治
福島大学・人文社会学群・人間発達文化学類・助教授
「ネップ期ソ連邦における農村通信員運動の形成-『貧農』『農民新聞』の二大農民全国紙を中心に」(『西洋史研究』 1997 年新輯第 26 号所収);「『ソヴィエト活発化』政策期におけるセリコル迫害問題と末端機構改善活動」(『ロシア史研究』 1998 年第 63 号所収);「ボリシェヴィズムと『出版の自由』-初期ソヴィエト出版政策の諸相」(『思想』 2003 年8月号所収)など

池田嘉郎
新潟国際情報大学・情報文化学部・講師
「内戦期のモスクワにおける党と行政」(『スラヴ研究』 2004 年第 51 号所収);「革命期ロシアにおける全般的労働義務制」(『史学雑誌』 2005 年第 114 編第 8 号所収);「革命期ロシアにおける労働とネイション・ビルディング」(『ロシア史研究』 2006 年第 78 号所収)など

奥田央
東京大学・大学院経済学研究科・教授
『コルホーズの成立過程-ロシアにおける共同体の終焉』( 1990 年);『ヴォルガの革命-スターリン統治下の農村』( 1996 年);『 20 世紀と農村ロシア』(編、 2005 年、露文)など

梶川伸一
金沢大学・文学部・教授
『飢餓の革命-ロシア十月革命と農民』( 1997 年);『ボリシェヴィキ権力とロシア農民-戦時共産主義下の農村』( 1998 年);『幻想の革命-十月革命からネップへ』( 2004 年)など

グルムナーヤ・マリーナ
国家行政北西部アカデミー・ヴォログダ市支部・人文社会系学科講座主任・助教授
「1920 年代末~ 1930 年代ロシア・ヨーロッパ北部におけるコルホーズの土地利用」(『 20 世紀の北部農村』第 2 部、ヴォログダ、 2001 年所収);「大祖国戦争期におけるロシア・ヨーロッパ北部のバザール商業」(『 1941-1946 年 戦争の教訓』ヴォログダ、 2006 年)「 1930 年代のコルホーズと村ソヴェト:相互関係の特殊性(ロシア・ヨーロッパ北部の資料による)」(『統治と経済の現実的諸問題』ヴォログダ、 2006 年)など

コヴァリョーフ・ドミトリー
モスクワ国立教育大学・ロシア現代史講座・教授
『転換の 10 年間 1917 ~ 1927 年におけるモスクワ郊外の農民』(モスクワ、 2000 年);「 19 世紀末~ 20 世紀第1四半期ロシアの農民経営における近代化過程の歴史から(モスクワ近郊の史料による)」(『祖国史』 2002 年第 5 号所収);『 20 世紀第 1 四半期の首都圏における農業変革と農民』(モスクワ、 2004 年)など

コズノワ・イリーナ
ロシア科学アカデミー・哲学研究所・上級研究員
『ロシア農民の社会的記憶のなかの 20 世紀』(モスクワ、 2000 年);『多ウクラード的農業経済とロシア農村( 20 世紀 80 年代中頃から 90 年代)』(共著、モスクワ、 2001 年);「ロシア農民の記憶のなかの農業変革」(『社会学研究』 2004 年第 12 号所収)など

コルニーロフ・ゲンナジー
ロシア科学アカデミー・ウラル支部・歴史考古学研究所・主任研究員
『大祖国戦争期( 1941 ~ 1945 年)のウラル農村』(エカテリンブルグ、 1990 年);『人口発展史』(共著、エカテリンブルグ、 1996 年);文書資料集『 20 世紀ウラルの食糧の安全 1900 ~ 1984 年』(全 2 巻、エカテリンブルグ、 2000 年)など

コンドラーシン・ヴィクトル
ペンザ国立教育大学・歴史学部・教授
『 1918 ~ 1922 年における沿ヴォルガの農民運動』(モスクワ、 2001 年);『飢饉:ソヴェト農村における 1932 ~ 1933 年(沿ヴォルガ、ドン、クバンの史料による)』(共著、サマーラ‐ペンザ、 2002 年);「大祖国戦争期におけるソ連の農民と農業」(『ロシア科学アカデミー・サマーラ学術センター・イズヴェスチヤ』 2005 年第 7 巻第 2 号所収)など

鈴木健夫
早稲田大学・政治経済学術院・教授
『帝政ロシアの共同体と農民』( 1990 年);『近代ロシアと農村共同体-改革と伝統』( 2004 年);『ロシアとヨーロッパ-交差する歴史世界』(編、 2004 年)など

武田友加
東京大学・大学院経済学研究科・助手
「移行初期ロシアにおける不平等の固定化と貧困 賃金支払遅延と第 2 雇用」(『スラヴ研究』 2000 年第 47 号所収);「 1990 年代ロシアの貧困動態 貧困者間の相違性の把握」(『スラヴ研究』 2004 年第 51 号所収);「移行経済下ロシアの貧困緩和と貧困化の決定要因 都市と農村」(『経済学論集』 2006 年第 72 巻第 1 号所収)など

タルホワ・ノンナ
ロシア国立戦争公文書館・文書公刊部・部長
『軍と農民:赤軍とソヴェト農村の集団化 1928 ~ 1933 年』(モスクワ‐ペテルブルグ、 2006 年);文書資料集『ロシアの農民革命 1902 ~ 1922 年』(モスクワ、 2000 年~継続刊行中);文書資料集『ソヴェト農村の悲劇 1927 ~ 1939 年』(モスクワ、 2000 年~継続刊行中)など

崔在東
慶應義塾大学・経済学部・助教授
「ストルィピン農業改革とモスクワ県ゼムストヴォ」(『土地制度史学』 1996 年第 152 号所収);「ストルィピン農業改革期ロシアにおける遺言と相続」(『ロシア史研究』 2002 年第 71 号所収);「ストルィピン農業改革期ロシアにおける私的所有・共同所有および家族分割」(『歴史と経済』 2003 年第 178 号所収)など

ナウハツキー・ヴィターリー
ロストフ国立経済大学・歴史学政治学講座・教授
『農業とロシア農村の近代化 1965 ~ 2000 年』(ロストフ・ナ・ドヌー、 2003 年);『 1965 ~ 1991 年におけるロストフ州農村の社会的分野の発展』(共著、ロストフ・ナ・ドヌー、 2005 年);「 60 年代~ 80 年代ソ連の農業生産の動態:特質、問題、矛盾」(『ロストフ国立経済大学通報』 2005 年第 1 号所収)など

野部公一
専修大学・経済学部・教授
「処女地開拓とフルシチョフ農政」(『社会経済史学』 1990 年第 56 巻第 4 号所収);「コルホーズのソフホーズへの転換- 1954 ~ 1965 年」(『政治経済改革への途』 1991 年所収);『 CIS 農業改革研究序説』( 2003 年)など

広岡直子
東京外国語大学・外国語学部・非常勤講師
「リャザーニ県における出生率の推移とその歴史的諸原因」(『ロシア農村の革命-幻想と現実』 1993 年所収);「ロシア農村の伝統世界-農民暦を読む」(『スラブの社会』 1995 年所収);「現代ロシア農業への歴史的視座-デニーソヴァとポポフを読む」(『 PRIME (明治学院大学国際平和研究所)』 2001 年第 14 号所収)など

松井憲明
釧路公立大学・経済学部・教授
「ソ連のコルホーズ農戸について」(『スラヴ研究』第 33 号、 1986 年);「旧ソ連におけるコルホーズ員の農家付属地の性格について」(釧路公立大学 Discussion Paper

奥田央
東京大学・大学院経済学研究科・教授
『コルホーズの成立過程-ロシアにおける共同体の終焉』( 1990 年);『ヴォルガの革命-スターリン統治下の農村』( 1996 年);『 20 世紀と農村ロシア』(編、 2005 年、露文)など

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