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現代社会論 【権力・人権】

拉致問題を超えて 平和的解決への提言

拉致問題を超えて 平和的解決への提言

拉致・人権・国際社会

江口昌樹

価格: 2300円+税
発行日: 2017年6月26日
版型: 四六判並製
ページ数: 254頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1206-5
Cコード: C0030

詳細内容

戦争の危機をはらむ朝鮮半島の平和構築はいかにして可能か。
国際人権法の視座からの提言。


拉致問題、「慰安婦」問題、経済制裁、度重なるミサイル発射、在日韓国・朝鮮人へのヘイト犯罪、……日本と朝鮮の間に横たわる国家犯罪と暴力的ナショナリズムの連鎖を、どのようにして断ちきるか。旧ユーゴスラビア内戦における、戦争と女性への暴力に抗するフェミニストの運動に学びながら、国際人権法・紛争解決プログラムの視座からリアルに論ずる。

【目次】

序論

第1章 拉致問題の現在

Ⅰ.朝鮮による外国人拉致問題とは何か
A:一九七〇~一九八〇年代の日本人拉致事案
B:韓国人拉致事件
C:一九九〇年代から現在まで:中国での拉致
D:一九七〇年代後半:他の各国からの拉致および女性の強制失踪

Ⅱ.外国人拉致問題の膠着状況
      
第2章 朝鮮の人権状況と政治体制
Ⅰ.朝鮮国内の人権状況
1.COIの設置と活動
2.COI報告の事実調査の概要
A:「成分」制度による差別
B:連座制
C:思想・信条・宗教への権利侵害
D:政治犯収容所
E:他の刑務所での重大な侵害・強制中絶
F:処刑
G:居住・移動の自由への侵害と国外渡航者に対する人権侵害
H:女性への性的暴力とその他の屈辱的行為、特に度を越えたボディチェック
I:送還された母親と子どもたちに対する強制中絶と乳児殺し
J:飢餓と食糧に関する人権侵害
K:女性への権利侵害
L:子どもへの権利侵害
3.外国人の強制失踪(国際法的アプローチ)
4.COIの勧告─外国人強制失踪を中心に
5.COIの勧告と日本政府
Ⅱ.朝鮮の政治体制と戦略
(附論)
(a)朝鮮は「全体主義」なのか?
(b)朝鮮の個人崇拝
(c)ネポティズム(縁故主義)
(d)先軍政治と並進路線─その必然性と意味
      
第3章 制裁論を超えて
Ⅰ.独自制裁論の前提を考える
(ⅰ)日朝国交正常化交渉の再開
(ⅱ)朝鮮国内にインテリジェンス(諜報機関)を持つ、朝鮮にとっての友好国との連携および情報の共有
(ⅲ)人権調査団に特化した安保理決議採択と中ロを含む当該調査団の派遣
(ⅳ)よど号事件関係者の帰国と証言
Ⅱ.朝鮮は日本の独自制裁で「困っている」のか
(ⅰ)「下からの市場化」・経済改革と急増する中国との貿易額
(ⅱ)着実に増える朝鮮のGDP
(ⅲ)朝鮮の最近の食糧事情
(ⅳ)産業の高度化・サービス化
(ⅴ)効果がなくまったく無駄な日本の独自制裁
(ⅵ)国際社会の制裁はなぜ効果を挙げないのか
Ⅲ.「北朝鮮の崩壊」論を検証する
(ⅰ)経済システムの変化・改革
(ⅱ)政治的変化の潜在性
(ⅲ)「北朝鮮の崩壊」の意味は何か
(ⅳ)動く「支配の正統性(legitimacy)」
(ⅴ)ソ連・東欧社会主義の体制転換(「崩壊」)の総括
(ⅵ)総括的結論
Ⅳ.朝鮮のさまざまな変化の可能性の検討
(ⅰ)朝鮮の政治体制と外交戦略は変化するか
(ⅱ)外部の関係国の「誤った関与」を「正しい関与」に


第4章 日朝交渉の政治学
Ⅰ.旧ユーゴスラビア紛争からの教訓
(ⅰ)拉致問題と旧ユーゴスラビア紛争─差異と類似性
(ⅱ)旧ユーゴスラビア紛争とは何か
(ⅲ)旧ユーゴスラビア紛争とジェンダー
(ⅳ)紛争の境界を超えるフェミニストたちのたたかい
(ⅴ)旧ユーゴスラビア紛争から日本人拉致問題へ
(ⅵ)日朝の暴力的ナショナリズムを超えて
Ⅱ.対朝鮮政策の方向性─拉致問題進展のための政治学と国際法の理論
(ⅰ)紛争のエスカレーション・モデルと非暴力的解決の理論
(ⅱ)拉致問題の重層的構造
(ⅲ)拉致問題と国際法
(ⅳ)拉致問題の平和的解決のイメージ
(ⅴ)朝鮮を「普通の国」に
(ⅵ)拉致問題の解決の定義と戦略
Ⅲ.日朝紛争の外交的解決
(ⅰ)歴史の中の日本人拉致事件
(ⅱ)拉致問題はなぜ膠着しているのか
Ⅳ.日朝の「対話」とは何か
(ⅰ)紛争解決アプローチの応用
(ⅱ)拉致問題に関する日朝交渉はアメリカから自立すべきである
(ⅲ)日朝交渉の留意点
Ⅴ.ヘルシンキ・プロセスの教訓と極東
(ⅰ)ヘルシンキ・プロセスとは何か
(ⅱ)六者会合をめぐる国際関係
(ⅲ)六者会合参加国における変化
(ⅳ)東アジア版「ヘルシンキ・プロセス」の再開の可能性
(ⅴ)東アジア版「ヘルシンキ・プロセス」と拉致問題
(ⅵ)六者会合での日本の位置
      
第5章 結論
Ⅰ.中間的結論─「日朝国交正常化交渉なくして、拉致問題の進展なし」
Ⅱ.暴力的ナショナリズムを超える市民のネットワーク
Ⅲ.最終的結論
(附論)日本人市民にとっての戦後責任と朝鮮問題

おわりに─拉致と万景峰号の地から
資料:朝鮮国内の人権状況(要旨)─COI報告(外務省仮訳)より

著者略歴

江口昌樹
新潟県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒。自治労新潟県職員労働組合勤務を経て新潟大学現代社会文化研究科(博士課程)修了(学術博士)。敬和学園大学非常勤講師(平和学)、新潟コリア交流プロジェクト・コーディネイター。著書『ナショナリズムを超えて─旧ユーゴスラビア紛争下におけるフェミニストNGOの経験から』(白澤社、2004年)、共著『社会党の崩壊─内側から見た社会党・社民党の15年』(みなと工藝社、2006年)

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