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図書目録

現代社会論 【権力・人権】

治安政策としての「安全・安心まちづくり」

治安政策としての「安全・安心まちづくり」

監視と管理の招牌

清水雅彦

価格: 2400円+税
発行日: 2007年4月10日
版型: 四六判
ページ数:
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1463-2
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詳細内容

安全のみならず安心をも求める一般市民感情に呼応した警察・政府の治安政策としての「生活安全条例」と「安全・安心まちづくり」。住民・ボランティア団体、自治体等と協力する警察活動を批判的に検討。(2007・4)

【目次】

序 章 「安全・安心まちづくり」とは何か

第一部 「安全・安心まちづくり」の展開
第一章 戦後治安政策の展開と改憲論
第二章 「安全・安心まちづくり」論の生成と具体化
第三章 「地域安全活動」の実例と問題点

第二部 自治体における「生活安全条例」と治安政策の実例
第四章 東京・千代田区条例の内容と問題点
第五章 東京・世田谷区条例の内容と問題点
第六章 東京都条例及び神奈川県条例の内容と問題点
第七章 東京都の治安政策の内容と問題点
第三部 「安全・安心まちづくり」と「生活安全条例」の批判的検討
第八章 「安全・安心まちづくり」の批判的検討
第九章 「生活安全条例」の批判的検討
第四部 連動する有事体制と少数者の排除
第一○章 「国民保護法制」と「生活安全条例」
第一一章 「不安社会」と「安全」―オウム真理教事件を手がかりに

終 章 「安全・安心まちづくり」を越えて

資 料

初出一覧

あとがき

著者略歴

清水雅彦
1966 年兵庫県生まれ。明治大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、明治大学兼任講師、和光大学非常勤講師、明治大学軍縮平和研究所特別研究員、法政大学現代法研究所客員研究員。専攻は憲法学。主な共著に、『有事法制のシナリオ』(旬報社、2002年)、『アメリカ映画がわかる。』(朝日新聞社、2003年)、『住基ネットと監視社会』(日本評論社、2003年)、『生活安全条例とは何か』( 現代人文社、2005 年)、『わかりやすい法学・憲法』(文化書房博文社、2005年)など。

書評

[法学セミナー 2007/7/7]

憲法学の研究者である著者は、「安全・安心」に藉口した草の根的な生活安全条例制定の動きが、憲法上保証された基本的人権との厳しい緊張関係を孕む治安立法・治安政策にほかならないことを、警察関係の文献や各地の具体的な事例を丹念に検討することで明らかにする。

[出版ニュース6月下旬号 2007/6/7]

著者は新自由主義改革がもたらした「治安の悪化」対策であるとはっきりいい、本当に必要なのは<新自由主義改革の見直しや社会保障の拡充>による信頼社会の形成だと述べている。

法学館憲法研究所 2007/5/21]

偏在していた「まなざし」は遍在し、市民は警察官だけでなくコンビニ店員や郵便配達員などからの「まなざし」にもさらされ、多様な相互監視のネットワークが広がるのである。なぜなら、この治安政策で監視の対象にされているのは、いつ新自由主義改革の帰結により「犯罪者」になるかもしれない「普通」の市民だからである。

[婦人民主クラブ 2007/5/15]

「ゴメンですめば警察はいらねぇ」なんて啖呵もあるけれど、警察がいるから「ごめん」ですむところもすまないようになっている昨今。警察をそうさせているものは何か?それがこの本に書いてある。中略、たくさんの資料や実態に迫り、説得力のある内容です。

[インパクション2007 158号 2007/4/7]

本書は、近年各地の自治体で急速に進展してきた「生活安全条例」づくり、そのイデオロギーである「安全・安心まちづくり」を歴史的に追跡して、内実を徹底解剖している。全四部一一章から成るが、「安全・安心まちづくり」の進展状況を綿密にフォローしたうえで、その総体を治安政策、ひいては有事体制づくりの展開過程に位置づける。
著者によると、生活安全条例は、警察官僚が一九八〇年代のアメリカ・イギリスにおける治安政策に学んだ成果をもとに始動した。「凶悪犯罪キャンペーン」を利用し、警察や防犯協会などの肝いりで、表向きは「市民の要求」を反映した形で推進してきた治安政策である。一見すると「下からの運動」のように見えるが、実際は「上からの治安政策」を全国展開したものである。

前田郎

[軍縮地球市民 2007年夏 No.9 2007/4/7]

前略~しかし、本書は、そのような憲法学の現状にあって、この問題について真正面から果敢に取り組んだ、初の本格的な理論書といえるであろう。著者の清水雅彦氏は、気鋭の若手憲法研究者であるが、この問題にいち早くから取り組み、関連する数々の論稿を著し、そしてこれまで実務かなどとも連携しながら積極的に各方面で、この問題がもつ本質について警鐘を鳴らし続けてきた第一人者でもある。本書は、著者がこれまで行ってきたそうした取り組みの集大成とも呼ぶべきものであり、その文体は、普段の著者の明晰かつ軽妙な語り口がそのまま反映されたものとなっている。さらに、「やはり、ある政策に賛成するにしろ反対するにしろ、なるべく情報を集めて、正確な認識に努めた上で意志決定を行うべきであろう」という筆者の基本姿勢は、本書を通じても一貫しても貫かれており、それが本書の価値を、緻密な批判の書だけでとどまらない複眼的かつ建設的な啓蒙の書の域へと高めているといえるであろう。

三宅裕一郎

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