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現代社会論 【ビジネス】
| 価格: | 2800円+税 |
|---|---|
| 発行日: | 2012年1月19日 |
| 版型: | A5判上製 |
| ページ数: | 224頁 |
| ISBNコード: | ISBN978-4-7845-1808-1 |
| Cコード: | C0030 |
2000年には、証券取引委員会による公平開示規則が施行され、英米の証券取引所による活発なIR支援はIR業務が市場に不可欠な業務として位置つけられてくる。こうしたIR活動の展開と課題を解明する本書は、企業情報を読み解く「道案内人」の役割を果たすであろう。
【目次】
目 次
はじめに……………………Ⅲ
序 章 進展する「IRの定義」……………………1
第1章 米国公平開示規則(Reg.FD)の進展……………………6
Ⅰ 公平開示規則の施行(2000年10月)……………………6
健全な証券市場の鍵は良質の情報
選択的情報開示に対する米証券取引委員会(SEC)の見解
選択的情報開示を規制する
公平開示規則の施行へ
定着する公平開示規則
日本企業:「情報は公平に開示されるべきである」65.6%
Ⅱ 公平開示規則の進展……………………16
公平開示規則違反の摘発
ウェブ2.0時代の情報開示
企業ウェブサイトにSECガイドライン
ジョナサン・シュワルツ、公平開示規則に挑戦
シュワルツの挑戦、公平開示規則を更新へ
個人投資家の56%、ネット情報で投資判断
企業ニュース配信大手、SECの「ガイダンス」に反対
企業サイトガイドラインへ
Ⅲ ソーシャルメディアの登場とIR……………………25
ソーシャルメディアに向かう企業と市場の関心
ダニエル・カイネルの講演から
第2章 ルイス・トンプソンとIR活動の進展……………………32
Ⅰ NIRIのIR実務基準……………………32
1.NIRIの結成
NIRIから各国に広がるIR活動
「アナリスト/会社発行体の関係に関するベスト・プラクティス」
2.3回にわたる『IR実務基準』の策定
『IR実務基準(第3版)』の大要
情報開示基準を示す
企業情報開示方針(ディスクロージャー・ポリシー)
情報開示方針(文例)は19項目
アナリスト対応のガイダンス
IR関係者のレファレンス・ブック
3.アナリストと発行体の関係
NIRIとCFAインスティチュートが「タスクフォース」
タスクフォースの結成
タスクフォース結成の背景
タスクフォースの成果
ガイドラインでパブリック・コメント
「ベスト・プラクティス・ガイドライン」の発表
Ⅱ トンプソンが語る「IR活動の現況と将来の展望」……………………52
1.台頭する独立系アナリスト
2.ヘッジファンドは規制へ
3.取引所は統合へ
4.四半期報告書は廃止に
5.IR担当者の上司はCEO(最高経営責任者)に
6.役員がIR責任者(IRO)と議論するべき主なポイント
7.IRの効率判断は投資コミュニティからの非公式なフィードバック
Ⅲ トンプソンが語る「インターネット時代のIR活動」……………………63
1.インターネット時代の到来とIR
2.インターネット時代とIR活動の変容
①「公平開示規則」の内容に影響
②ニューヨーク証券取引所、「個人投資家諮問委員会」の議論
③空投票(empty voting)、報酬に一言(Say on Pay)
④非開示実質株主(OBOs)と開示実質株主(NOBOs)
⑤株主コミュニケーション、キーポイントの8項目
⑥株主コミュニケーションのチャンス
3.ルールの変更で、広がるIRO(IR責任者)のチャンス
①NYSE規則452条の改正
②「通知/アクセス・モデル」の変更
第3章 米証券取引委員会(SEC)委員長のリーダーシップ……………………74
~レビット、ピット、ドナルドソン、コックス~
Ⅰ アーサー・レビット委員長 ~個人投資家のチャンピオン~……………………74
1.回ってきた委員長ポスト
2.就任時の4つの課題
3.94年:米国は証券不祥事続出の1年
保険証券販売で商品説明の不明
地方債市場の不明
パーソナル・トレーディングの不明
MMF元本1ドル割れ、デリバティブの不明
4.94年10月の論点整理:市場の信用回復に向けて
「平明な英語」で書く投信の目論見書
「悪徳証券営業員の業界追放を」
証券教育活動への本格的な取り組み
5.市場環境の改革:「情報の非対称性」と「エドガー」の衝撃
1996年ナスダックの市場改革:証券会社間の手数料談合問題にメス
1994年SEC開示資料の「エドガー」公開
6.97年:レビットに続投コール
7.第2期を迎えたレビット委員長
「平明な英語」規則(プレーン・イングリッシュ・ルール)
公平開示規則(Reg.FD)の導入論議と施行
会計監査の独立性を求める新ルール
8.レビットの退場
Ⅱ ハーベイ・ピット委員長 ~利益相反の渦中で~……………………90
1.「米国で第1の証券弁護士」からSEC委員長に
2.9・11同時テロ攻撃に直面する
3.情報開示、四半期でも遅い
4.「中立性の確保」に直面するピット委員長―アンダーセン、公開会社会計監視委員会(PCAOB)、KPMG
5.アナリスト問題:立ち遅れるSEC
6.スピッツァーNY司法長官の登場
7.企業改革法:ピット委員長の貢献
8.迷走するピット委員長
SECが調査中のゴールドマン会長と面談
PCAOB委員長ウェブスター氏の選考過程に疑問
9.退場するピット委員長
10.証券取引等監視委員会(SESC)が提起する「3つの不信」
[附1]アナリスト問題、「グローバル・セトルメント」で決着……………………104
[附2]エンロン裁判に登場するIR責任者……………………107
検察側証人にIR責任者マーク・ケーニグ
ケーニグ、刑期18カ月、罰金5万ドル
Ⅲ ウィリアム・H・ドナルドソン委員長 ~SECの信頼回復に向けて~……………………111
1.問われる「投資家保護」、「外国企業の財務開示」
2.ぶり返すエトナ問題
3.指名公聴会を乗り切る
4.上院ドナルドソン指名を承認
SECの強化 市民サービス法の変更
5.問われるウォールストリート改革
Ⅳ クリストファー・コックス委員長
~SECは「他人のお金(Other People's Money)」の責任者~……………………118
1.委員長就任の挨拶
米国市場の強み
投資家フレンドリーかビジネス・フレンドリーか
投資家が幸福でなければ、誰ひとり幸福ではない
ロビイング活動の機関投資家、アクセス手段のない個人投資家
「平明な英語」の重要性
「根本的なインフラ」としての資本市場をSECが支える
2.「投資家の擁護者」と「平明な英語」
第4章 国境を超えて広がるIR活動……………………126
Ⅰ 国際IR連盟(IIRF)の歩みとグローバルIRネットワーク(GIRN)への改組……………………126
1.IIRFの発足と活動
2.新興国に広がるIR~東南アジアの動き~
3.グローバルIRネットワーク(GIRN)の発足
4.続く新興国のIR活動
Ⅱ IIRF「株主トランスパランシー」プロジェクト(1)……………………133
1.2003年9月、「株主トランスパランシー」報告
2.株主特定の質問集
3.調査結果:企業
グローバル売買を国内規則で対応
課題は外国人株主
「株主特定」の情報源
株主判明調査の頻度
4.調査結果:バイサイド
5.3つのモデルのどれを選択するか
Ⅲ 株主式判明調査:米国モデルと英国モデル……………………143
Ⅳ IIRF「株主トランスパランシー」プロジェクト(2)……………………144
1.「トランスパランシー、法規制、システム」と「株主議決権行使」
2.株主の情報源トップ3
3.相関する「株主判明調査の頻度とコスト」
4.「株主の特定」、63%が「難しい」と回答
5.「株主トランスパランシー」の3つのタイプ
6.IIRFキャンペーン、論点整理で見えた課題
Ⅴ 英米のIR協会が求める投資家の「空売り」ポジション公開……………………152
1.空売りポジションの報告が義務に
2.SEC、「空売り」ポジションを公開せず
3.英国IR協会、ショートポジションで動く
4.株主判明の仕組みがない日本
5.空売りでIOSCOが提言
6.SEC、空売り約定、ポジション公表に向けて
第5章 IR支援会社の買収劇……………………159
Ⅰ トムソン、米IRウェブキャスティング最大手CCBNを買収……………………159
1.IRに決定的なウェブのコミュニケーション
2.トムソン、CCBNを買収へ
3.CCBN小史
共同創業者パーカー氏はファースト・コールの創業者
「公平開示規則」(2000年)、ウェブキャスティングに追い風
戦略的パートナーシップがもたらす「ネットワーク効果」
4.トムソン、CCBN買収
Ⅱ 米議決権行使助言会社の買収劇……………………170
1.突出するISSへの注目
2.ISSが最大のライバルIRRCを買収
3.勢いを増す議決案助言ビジネス
4.P&Gのジレット買収劇、ISSのP&G提案支持で大勢を決する
5.ISS、世界各国で同業者を買収、欧州:デミノール・レイティングを買収
6.ISS、豪州に進出、プロクシー・オーストラリアを買収
7.ISSのIRRC買収、「米独禁法を発動する」の議論も
Ⅲ 買収されたISS、グラス・ルイス
~小さな巨人・議決権行使助言ビジネス~……………………179
1.頻出するISS報道、注目の議決権行使助言ビジネス
2.割れる議決権行使の助言
3.急追するグラス・ルイス
4.リスクメトリックスはISS、新華ファイナンスはグラス・ルイスを買収
5.グラス・ルイス、調査責任者リン・ターナーの辞任
6.上場するリスクメトリックス
7.DJ-MSCI、リスクメトリックスを買収
Ⅳ 年金ファンドが参入する議決権行使助言サービス
~オンタリオ教員年金、グラス・ルイスを買収~……………………189
1.グラス・ルイス、利害関係から「独立」した調査
2.議決権行使助言サービスに参入する年金運用機関(ハーミーズ、レイルペン、カルパーズ)
第6章 英米企業IRの現場から……………………193
Ⅰ 英米IR現場のアクティビスト対応……………………193
1.すぐ実行するべき平時のIR活動
2.有事の対応
3.IR担当者の「有事」の行動
4.「IRの基本」に沿って
5.英国企業、60%がアクティビスムに対応プランなし
Ⅱ 米企業の業績予想ガイダンス……………………203
1.米企業の61%、「利益/EPS」の予想は幅のあるレンジで
2.IRは有料プレスリリースを活用する
Ⅲ 英国IR協会の「ベストプラクティス・ガイドライン」……………………210
1.NIRIの「アニュアルリポート調査2010」
2.英国IR協会(IRS)のべストプラクティス・ガイドライン
1.アニュアルリポート・ガイドライン
2.コーポレートウェブサイト・ガイドライン
3.オンライン・プレゼンテーションのガイドライン
4.IR表彰を総なめ、独化学大手BASF
BASFのIR責任者が語るIR活動の実際
市場もIR活動を高く評価
第7章 証券取引所のIR支援強化……………………222
~IR支援で上場企業の「企業価値」を高める~
Ⅰ 米ナスダック、IR大手シェアホルダー・ドット・コムを買収……………………222
1.株式上場の価値を向上させるナスダック戦略
2.シェアホルダー・ドット・コムの概要
3.「ナスダック・コーポレート・ウェブサイト」
4.ナスダック、シェアホルダー・ドット・コムを完全子会社に
Ⅱ ロンドン証券取引所の『IR実務ガイド』……………………228
1.取引所はIRを「奨励」する
2.『IR実務ガイド』から IRとは何か?
3.『IR実務ガイド』から IRのベスト・プラクティスとIRツール
・四半期決算、半期決算
・年次株主総会(AGM)、個人株主を念頭に
・機関投資家・アナリストとのミーティング
・メディア・ブリーフィング ジャーナリストのカバレッジ獲得へ
・地方株主とのミーティング 株主分布に偏りがある場合に有用
・ロードショー 地方紙に企業紹介を掲載する
・年次報告書(アニュアルリポート)、「財務・法律文書」から「情報満載の文書」へ
・IRウェブサイトと電子的コミュニケーション、投資家向け広報(IR)のキー・ツール
・ウェブキャストとカンファレンス・コール、最大のIRツール
4.米ナスダック『IRの戦略と実践』
米ナスダック、IRのABCを示す
Ⅲ 「ORPHAN STOCK(孤児株)」に立ち向かうナスダックの挑戦……………………240
アナリスト・カバレッジのない上場株式を放っておけない!!
1.アナリスト・カバレッジ、上場会社の35%は「なし」、半数は3人未満
2.「グローバル・セトルメント(2002年12月)」の合意
3.アナリスト・カバレッジ数とベータ値
4.ORPHAN STOCKの課題
5.アナリスト・カバレッジの2極化現象
6.浸透する独立系アナリストのリポート
7.株式売買推奨ランキングで上位を占める独立系アナリスト会社
Ⅳ ロンドン証券取引所が仕掛けるアナリスト・カバレッジ拡大……………………249
1.PSQアナリティクスの立ち上げ
2.各方面に広がる反響
Ⅴ 日本企業のアナリスト・カバレッジ 現状と挑戦……………………252
1.日本企業のアナリスト・カバレッジ、35.2%
2.新興市場のアナリスト・カバレッジは9.4%―日証協、アナリスト・カバレッジで提案
3.大証、東証が乗り出すアナリストリポート提供サービス
おわりに……………………259
ウェブサイトで突出するGEとグーグル
企業ニュースの広がり方が株価・売買に影響する
投資家は、信頼できるIR活動の企業に10%以上のプレミアムを払う
〔参考文献〕……………………263
索引……………………269
米山徹幸
埼玉学園大学経営学部/大学院経営学研究科教授。全米IR協会(NIRI)会員、埼玉大学客員教授。1948年生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科(仏文学)修士課程修了。81年大和証券(国際部)入社後、ロンドン、パリ勤務などを経て、国際業務企画部長。99年大和インベスター・リレーションズに転じ、2009年大和総研経営戦略研究所客員研究員。10年より現職。
著書に「コーポレート・コミュニケーション・デザイン入門」(共著、英治出版、2003年)、「大買収時代の企業情報」(朝日新聞社、2005年)、「個人投資家と証券市場のあり方―証券市場の健全な発展のために」(共著、中央経済社、2005年)など。





