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暮らし 【住民運動】
琶湖南東・栗東市の産廃処分場の焼却炉新設問題で、産廃処分場があることすら知らなかったニュータウンは大騒ぎに。運動への「参与観察」を強いられた社会学者による、住民運動の社会学。(2007・2)
【目次】
序章 有機的連帯をこえて
1─RD問題と私
2─社会学者として、住民として
3─住民運動の苦悩
4─「ぐるぐる」のように
第1章 方法
1─研究と実践の狭間で
知識人とは
社会学には何ができるのか
2─住民運動の語られ方
歴史主義
マルクス主義
対抗文化論
実証主義
四つの語り
3─環境社会学の貢献と限界
被害構造論
生活環境主義
受益圏・受苦圏論
方法論の無自覚性
4─住民運動をドラマとしてみる
七つの課題
社会学と社会学者にできること
第2章 舞台・アクター・シナリオ
1─事件の舞台
問題の発生
処分場とその周辺
2─住民運動の発生と展開
産廃処理問題合同対策委員会の結成
硫化水素の発生
運動団体の活動
運動の分裂
焼却炉問題から埋立廃棄物問題へ
運動団体の再編
四つの住民勢力と市民団体
市長・市議会・県知事
3─各主体の相関と時期ごとの特徴
第3章 被害の諸相と制度上の要因
1─自然への被害
ガス被害
地下水汚染
ため池と水生生物への影響
2─人間への被害
健康被害
生活被害
経済的被害
3─処分場における不法投棄
免許集中の危険性
安定品目という虚構
事後検証の困難性
基準の不在
時間との戦い
知らされなかったリスク
第4章 自治会による住民運動
1─自治会と市民運動団体
運動目標と運動スタイル
2─自治会という地域集団
町内会から自治会へ
町内会=自治会の評価
町内会論争
3─ボランタリーアソシエーションと官製アソシエーション
自治会は官製アソシエーションか
自治会の組織原理・文化原理
4─自治会が闘うために
自治会の人的資源と住民運動
自治会の自己保存力
第5章 マスメディア
1─社会学、新聞、そして社会運動
2─住民運動の見取り図
3─新聞報道の量と質
4─闘争への機能
5─アクターとしての新聞
第6章 行政の論理
1─行政の組織文化
保身。自らの責任を問われることをおそれる無責任体制
インクリメンタリズム(小出し主義)
住民との窓口を狭め、権威を守ろうとする態度
場面、場面によって対応を変えるというご都合主義
秩序への強い志向性
市より県、県よりも国が優先するという位階秩序
安全と安心を同一視する錯誤
知事の不法投棄
2─議会と調査委員会
議会の機能不全
調査委員会
ディス・コミュニケーション
第7章 歴史的位相
1─公害と環境問題
都市と農村、アップストリームとダウンストリーム
2─市場の限界と行政の怠慢
3─生活者と住民運動
私生活主義・マイホーム主義
大衆社会と大衆
生活者とは
4─ガバメントとガバナンス
情報格差の縮小
変わった栗東市と変わらなかった滋賀県
終章 いやいやながらの民主主義
1─社会の大切さと人間の尊厳
2─偏在する言葉
3─行政不信と住民不信
4─メディアの問題
5─住民運動とは
栗東RD問題の歴史
あとがき
早川洋行
1960年静岡県生まれ。滋賀大学教育学部教授。
横浜市立大学文理学部卒業。中央大学大学院文学研究科博士課程満期退学。名古屋大学より博士(社会学)取得。
著書に『流言の社会学──形式社会学からの接近』(青弓社、2002年)、『ジンメルの社会学理論──現代的解読の試み』(世界思想社、2003年)、 『第三版 応用社会学のすすめ』(共編、学文社、2003年)、『現代社会学のすすめ』(共編、同、2006年)ほか。
[滋賀報知_社説 2007/2/7]
3/31・住民運動のドラマは市民がつくるのだ
「いやいやながらも民主的な社会を目指して活動する人々、かれらを『地道に努力する者』ではないと、誰が、なにゆえ言えるだろうか。ドラマは生活者がつくる。」ーー著者の思想の根幹でもある。この本を読むと、なぜか今回の県議選と重ね合わせたくなる。はたして「市民革命は成就するのか」と。RD産廃処分場には、いまも豊島クラスの産廃が埋まっている現実に、住民たちは決してめげることがない。お薦めの一冊である。







