トップ > 図書目録 > 暮らし 【フェミニズムと家族】 > 書籍詳細 : 女たちの共同体

図書目録

暮らし 【フェミニズムと家族】

女たちの共同体

女たちの共同体

七〇年代ウーマンリブを再読する

西村光子

価格: 1700円+税
発行日: 2006年10月30日
版型: 四六判
ページ数:
ISBNコード: ISBN978-4-7845-0183-0
Cコード:

詳細内容

「性の解放」と「個の解放」めざして、鮮烈に登場した1970年代のウーマンリブ運動。全国各地に女たちの生活共同体(コレクティブ)が生まれた。同時代に生きた著者が、運動の実態と思想の意味をさぐる。(2006・10)

【目次】

*目次
序章 L文学とウーマンリブ
1 .L文学
2 .リブと「性の解放」
3 .「個の解放」とは何か
4 .「たつのこ共同保育所」

第一章 日本のウーマンリブの歩み
1 .ウーマンリブの歩み
〈全共闘とウーマンリブ〉〈ウーマンリブの誕生〉〈リブ合宿からリブ大会へ〉
〈リブ新宿センターの活動〉〈リブ新宿センター休館へ〉
2 .リブからフェミニズムへ
3 .日本のリブのコレクティブの特徴
〈リブのコレクティブの特徴〉〈リブのコレクティブの形態〉

第二章 女だけのコレクティブ・リブ新宿センター
1 .リブ新宿センターの日々
〈「ぐるーぷ闘うおんな」のコレクティブ〉〈リブ新宿センター設立の目標〉
〈構成メンバー〉〈経費〉〈生活〉〈共同性〉〈関係性〉
2 .リブ新宿センターが提起したもの
〈コレクティブの消滅〉〈連合赤軍とリブの接点〉〈問題の整理〉
〈連合赤軍の問題〉〈連合赤軍についてのスタインホフの指摘〉
〈ご飯粒のひっついた関係性〉

第三章 子育ての共有化をめざした「東京こむうぬ」
1 .沖縄でのタケとスガ
2 .「東京こむうぬ」の人びと
〈「東京こむうぬ」の経緯〉〈「とうりゃんせ 1 号」から保育所開所の頃〉
〈「とうりゃんせ 2 号」の頃〉〈ベビーカー問題に明け暮れた頃〉
〈「総括」を出すに至った頃〉
3 .子供の共有化と母の不在
〈子供の共有化〉〈母の不在〉〈多層のグループのなかの位置づけ〉

第四章 全国のリブのコレクティブ
1 .北海道――「札幌こむうぬ」
〈北海道リブ合宿〉〈「札幌こむうぬ」の活動〉〈夜間保育所問題で札幌市とやりあう〉
〈「共同保育館ばく」をつくる〉〈北海道リブの原理的な問題提起〉
2 .大阪――「庄内コレクティブ」
〈コレクティブをめぐる議論〉〈「庄内コレクティブ」の誕生と崩壊〉
〈二四時間共同保育の実現へ〉〈崩壊―再生の根強さが関西リブ〉
3 .九州――「紅館」
〈対関係と共同性の提起〉〈子産み・子育てはどこでやる?〉〈「自立」めざして解散〉

第五章 優生保護法改悪をめぐる七〇年代リブの闘い
1 .優生保護法改悪阻止のリブの論理
〈優生保護法改悪の動きとリブの反論〉〈「産む産まないは女が決める」〉
〈障害者からの問いかけ〉〈中絶への恐れとそこから自由になりたいと希求する矛盾〉
〈「胎児は命か」をめぐる議論〉〈障害者との共闘〉〈改定阻止グループのなかでの対立〉
〈田中美津の「〈テーマ〉堕胎の権利」〉
2 .リブのサブカルチャー化
〈式根島合宿〉〈資料提供に徹する〉〈優生保護法改悪を陰謀説で解く〉
3 .リブの優生保護法改悪阻止闘争の今日的評価
〈「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の視点から〉
〈優生保護法改悪阻止の論理にみるリブの先進性と限界〉

終章 リブのコレクティブが告げる「個」と「共同性」
1 .リブのコレクティブの行く末
〈リブの近代主義批判が引き寄せた前近代性〉〈田中美津の「強い主体」〉
〈コレクティブのなかの権力装置〉〈諧謔精神と倫理主義〉〈「個」と「場」〉
2 .新しい「家族のかたち」
〈「親密圏」と共同体〉〈「複数の母」〉〈人と人がつながりうる「住まいの形」〉

〈「コレクティブハウジング」の試み〉
3 .現代の若者たちが求める共同性
〈「自己」と「他者」〉〈超越性と感動ネタに諧謔精神を!〉
あとがき

著者略歴

西村光子
1944年、兵庫県姫路市で生まれる。
1966年、京都大学文学部卒業。京都市役所に勤務。
1970年、東京都大田区に転職。福祉職として障害者施設に勤務。
2004年、退職後、東京都立大学社会学科に研究生として学ぶ。
1986年に結成された「高津ネットワーク運動」に参加、現在は「自治市民かわさき」(1997年「神奈川ネットワーク運動」から独立、2001年改称)で市民運動を続けている。

書評

[派兵CHECK 2006/12/15]

著者の西村光子は「七〇年代リブと同時代に生き」、「図書館でたまたま手に取った田中美津の『いのちの女たちへ』に深く共鳴し」、「リブの呼びかけた女の共同性への構築に魅了され」、地域で共同保育所をつくる(序章)。同時に彼女は、そのとき活動家仲間と「すでに結婚し」、障害施設で働き子どもを育て反戦運動をしながら、「活動の場でも仕事の場でも、育児の場面でも中途半端な自分でしかない『引き裂かれた自己』であったこと」を「一番苦しく」感じる。そして、「全面的に」「あたしのままで」生きたい、というリブの言葉と共同体に、自分の鬱屈の基盤が社会構造にあることを看破するだけでなく、女が女であるからこそつながってできる社会改革の実践の輝きを見出した(あとがき)、まさに当事者なのである。

[インパクション2006年155号 2006/10/6]

リブを研究するにあたって、著者は共同体=コレクティブに焦点をあてた。当時のリブ運動のなかで、生活と活動を一体としたコレクティブは、運動の最高の到達点、規範的なモデルだとみなされていた。「リブ新宿センター」や「東京こむうぬ」の活動は、「リブニュース」などのミニコミを通じて伝えられ、それに参加しない/できない者を励ますと同時に、ある種の後ろめたさを感じさせたものだ。この本は、東京だけでなく、札幌・関西・九州と日本のあちこちに誕生した多様なコレクティブを紹介していく。

▲ページTOPへ