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図書目録

戦争と平和 【植民地支配】

「大東亜共栄圏」と日本企業

「大東亜共栄圏」と日本企業

小林英夫

価格: 1800円+税
発行日: 2012年10月17日
版型: 四六判並製
ページ数: 224頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1510-3
Cコード: C0030

詳細内容

日本の植民地経営の実態とその戦後の変容。
一八九五年の台湾領有から、一九四五年の敗北までの約半世紀間、日本は東アジア植民地帝国として、この地域の政治・経済・社会生活に大きな影響を与えてきた。
日本植民地(朝鮮・台湾)、占領地域(満洲国・中国・南方地域)の経営史の総括と、それがいかに戦後に接続したかをさぐる。

【目次】

序章 「大東亜共栄圏」内の植民地


第一章 日本の植民地経営の諸段階
  はじめに
  第一節 日清・日露戦後期
   1 台湾・朝鮮の領有過程
   2 土地調査・幣制統一事業
   3 樺太・関東州領有過程
  第二節 第一次大戦後から満洲事変まで
   1 ミクロネシア、青島の領有過程
   2 産業開発政策
  第三節 満洲事変・太平洋戦争
   1 満洲、中国関内への領有過程
   2 蒙彊地区の領有過程
   3 軍事化・物資動員政策


第二章 日本の植民地経営と企業 総力戦体制構築との関連で
  はじめに
  第一節 総力戦構築と企業
  第二節 日本の総力戦構築の困難さ 「軍需工業動員法」
  第三節 一九二〇年代の総力戦準備状況
  第四節 総力戦体制構築と満洲事変
  第五節 朝鮮で先行する軍と企業家の連携
  第六節 進行する軍と企業家の連携
  第七節 日中戦争下の軍と企業家の結び付き
  第八節 軍・産・官の抱合
  第九節 「大東亜共栄圏」と日本企業
  おわりに 軍産結合の到達点


第三章 日本の中国占領地経営と企業
  はじめに
  第一節 日中戦争の展開 通貨工作を軸に
  第二節 軍票工作と軍配組合
   1 軍票工作の展開
   2 軍配組合の活動
  第三節 華興商業銀行の設立と活動
   1 華興商業銀行の設立
   2 華興商業銀行の活動 一般商業銀行として
  おわりに


第四章 太平洋戦争への道
  はじめに
  第一節 日中戦争への道
  第二節 北部仏印進駐
  第三節 国策の混迷 激動の磁場
  第四節 ルールの変更
  第五節 日本の殲滅戦略とその破綻
  第六節 欧米の消耗戦略
  おわりに

第五章 日本の東南アジア占領地経営─労務政策を中心に
  はじめに
  第一節 労務動員政策の立案
   1 労務動員の全体的特徴
   2 南方地区での労務動員
  第二節 民間企業の進出と労使関係
   1 陸海軍協力会の活動
   2 製造業
   3 鉱山経営
   4 農園経営
   5 土木建築業者
  第三節 鉄道部隊の結成と活動
  第四節 海軍設営隊の結成と活動
  第五節 労務動員政策の諸相1
   1 軍属
   2 捕虜
   3 ロームシャ
  おわりに


第六章 日本の東南アジア占領地経営─石原産業を中心に
  はじめに
  第一節 戦前における石原産業の活動
  第二節 戦中における石原産業の活動
   1 全体的特徴
   2 石原産業の受命事業
  第三節 戦前と戦中の石原産業の南方進出事業の経営実態
   1 開戦前鉄鉱山の開発と海運事業への進出
   2 日本軍占領下フィリピン鉱山開発
   3 戦時下の海運事業
  おわりに


第七章 日本の植民地経営と東アジアの戦後
  はじめに
  第一節 東アジア植民地体制の成立と崩壊
   1 一九二〇年代までの東アジア植民地体制
   2 一九三〇─四五年の東アジア植民地体制
   3 植民地体制の崩壊と戦後の東アジア
  第二節 「大東亜共栄圏」と「東アジア経済圏」
   1 工業化政策の立案過程
   2 工業化政策の実施過程
   3 東アジアでの戦後工業化の開始
   4 東アジアでの戦後工業化の展開
   5 戦前の工業化と戦後の工業化 連続と断絶
  第三節 「東アジア経済圏」の再編

  あとがき

著者略歴

小林英夫
1943年生まれ。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。
東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。文学博士。
著書に『「大東亜共栄圏」の形成と崩壊』(御茶の水書房、1975年)、『戦後日本資本主義と「東アジア経済圏」』(同、1983年)、『昭和ファシストの群像』(校倉書房、1984年)、『植民地への企業進出─朝鮮会社令の分析』(柏書房、1994年)、『「日本株式会社」を創った男─宮崎正義の生涯』(小学館、1995年)、『日本軍政下の香港』(社会評論社、1996年)、『満鉄─「知の集団」の誕生と死』(吉川弘文館、1996年)、『戦後アジアと日本企業』(岩波新書、2001年)、『日中戦争と汪兆銘』(吉川弘文館、2003年)、『帝国日本と総力戦体制─戦前・戦後の連続とアジア』(有志舎、2004年)、『満州と自民党』(新潮新書、2005年)、『満鉄調査部の軌跡─1907‐1945』(藤原書店、2006年)、『日中戦争』(講談社新書、2007年)、『〈満洲〉の歴史』(講談社新書、2008年)ほか。
共編著に『帝国という幻想─「大東亜共栄圏」の思想と現実』(青木書店、1998年)、『一九三〇年代のアジア社会論─「東亜協同体」論を中心とする言説空間の諸相』(社会評論社、2010年)、『朝鮮・韓国工業化と電力事業』(つげ書房新社、2011年)、『論戦「満洲国」・満鉄調査部事件─学問的論争の深まりを期して』(彩流社、2011年)ほか。

書評

[図書新聞 2013/3/2]

後発帝国としての日本は、初期において欧米帝国との植民地支配の相互承認という「国際協調システム」のもとで、土着の政治経済勢力の抵抗を軍事的に制圧した。台湾、朝鮮ではそれに続いて土地調査事業、鉄道敷設、貨幣統一、民族文化の抹殺・同化=日本語義務教育などが強行されていく。

[出版ニュース 2012/12/1]

(前略)植民地経営の諸段階を概観、総力戦体勢構築と大東亜共栄圏の実相、企業・企業家との結び付き、中国や東南アジアにおける占領地経営と労務動員政策を提示することで、それらがいかに戦後に接続したかを問う。

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