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戦争と平和 【歴史認識】

国家と追悼

国家と追悼

「靖国神社か、国立追悼施設か」を超えて

山本浄邦(編著)

価格: 2200円+税
発行日: 2010年8月2日
版型: 四六判上製
ページ数: 256頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-0597-5
Cコード: C0030
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詳細内容

なぜ、加害者である国家が〈追悼の主体〉となりうるのか。靖国神社に代わる「対案」として浮上した「無宗教の国立追悼施設」構想。しかし、多様な個性を持った「犠牲者」を単一化・唯一化し「追悼」することで、一つの〈国家〉が顕現される本質は変わらない。国家によるあらゆる「追悼」を根底から問う宗教者・研究者による論集。

【目次】

序章…追悼する国家を問う視点 山本浄邦 
 1 はじめに─小泉首相の靖国参拝と国立追悼施設構想の登場
 2 〈国家による追悼〉をめぐるこれまでの議論
 3 本書の構成と目的

第1章…【座談会】国立追悼施設論争とは何だったのか? 千葉宣義・菅原龍憲・山本浄邦
 1 靖国国営化法案反対闘争から
 2 靖国問題は「信教の自由」の問題なのか
 3 遺族の一人として
 4 アジア訴訟が問いかけたもの
 5 浮上した「新たな国立の追悼施設」
 6 国立追悼施設に反対する宗教者の運動
 7 追悼対象としての「新たな戦死者」
 8 「無宗教」が意味するもの
 9 国家による「追悼」の空間
10 国家は謝罪の主体たり得るのか
11 天皇が「心安らかに」参拝できる場所
12 追悼儀礼の政治的意味
13 死者を意味づけてはならない

第2章…〈非宗教/無宗教〉のポリティクス 山本浄邦 
     神道非宗教論と「国立の無宗教の施設」論をめぐって
 はじめに
 1 神社非宗教論と「信教の自由」
 2 「無宗教の施設」論と「信教の自由」
 3 日本近代における〈非宗教〉の発見
 4 戦後日本における〈無宗教〉の発見
 5 〈非宗教/無宗教〉のポリティクス
 まとめ


第3章…ドイツにおける国家と追悼 米沢薫 
     ノイエ・ヴァッヘはドイツの「過去の克復」に何をもたらしたか
 はじめに
 1 ノイエ・ヴァッヘ設立の前史─東西ドイツにおける戦死者の追悼の問題
 2 ノイエ・ヴァッヘ設立に至る経緯
 3 ノイエ・ヴァッヘの完成
 4 ノイエ・ヴァッヘが提起する問題─むすびにかえて

第4章…済州・虐殺と追悼 「死者」の再構成という観点 高誠晩 
 1 はじめに─追悼する国家の二重性
 2 誰が「犠牲者」なのか─「死者」の選別と再構成
 3 「彼/彼女ら」のみのための追悼、「彼/彼女ら」のみの追悼
 4 おわりに─当事者不在の時代のため、いま何をすべきか

終章…国家による追悼 何が問題なのか? 山本浄邦 
 1 国立追悼施設構想、その後
 2 選別される「史実」と「犠牲者」
 3 預言者・救済者となる〈国家〉─死者への情念から政治的エートスへ
 4 追悼の単一性・唯一性を超えて
 5 「追悼」ではなく情報公開と補償を─まとめにかえて
  関連資料

著者略歴

山本浄邦
1973年生まれ。龍谷大学文学部真宗学科卒業、佛教大学大学院文学研究科東洋史学専攻修士課程修了。佛教大学前研究員。
国立追悼施設に反対する宗教者ネットワーク及び、憲法20条が危ない! 緊急連絡会で事務局長を務める。
専門は、朝鮮近代史、国家と宗教、植民地主義と宗教。
著書に『大谷光瑞とアジア』(共著、勉誠出版、2010年)、主な論文に「1920年代植民地朝鮮における監獄教誨」(『近代仏教』16、2009年)など。

書評

[朝日新聞 2014/2/9]

他方で、戦争犠牲者を追悼する外国の新しい事例も参照されるようになった。山本浄邦編著『国家と追悼』は、全体としては日本の新国立追悼施設の建設の可否を論じた本である。

[出版ニュース 2010/9/25]

本書は、国家が加害者となりながらその死者を追悼することの意味を検証した共同研究である。冒頭の「国立追悼施設論争とは何だったのか?」と題さ れた座談会では、「靖国か、国立追悼施設か」という追悼の目的や方法の是非をめぐる議論ではなく追悼施設に反対する立場から、「国家が追悼するの は当然である」という前提を根本から批判する。

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