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図書目録

戦争と平和 【安保・憲法】

潜在的核保有と戦後国家

潜在的核保有と戦後国家

フクシマ地点からの総括

武藤一羊

価格: 1800円+税
発行日: 2011年10月30日
版型: 四六判並製
ページ数: 248頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-1483-0
Cコード: C0030

詳細内容

原発を持つことは核を持つことだ。
アメリカの世界システムに内属してかたちづくられた戦後日本国家の構造にとって、原発の意味とは。

【目次】

第Ⅰ部 潜在的核保有と戦後国家
   生ける廃墟としての福島原発─原爆からの系譜
 原発との奇妙な出会い─一九五七年広島
 原子力発電のテイクオフと軍事との新連結
 アメリカ、原水禁運動、「原子力平和利用」
 平和利用への幻想
 出発点─核武装能力のための原子炉導入
 原発レジームの形成と国家安全保障
 佐藤政権─「核武装カード」とその効果
 二つの戦略的隠ぺい─原子力と安保
 「ビンの栓」論─誰が誰に対して使ってきたか
 進路を変えよ─脱原発と脱安保

 第Ⅱ部 立体構造としての「日米同盟」

 政権交代と日米安保構造の浮上
 ─アメリカ・ヤマト・沖縄の三項関係として
 菅政権と日米安保─同じ脚本、別の役者
 開けかけた蓋を閉じることはできない
 新しい対峙関係─日本国家+米国と対等な決定主体としての沖縄
 日米安保見直しの機運を今こそヤマトに
 

政権交代が「維新」だったら、次は「条約改正」に進むべし
 戦後日本の下半身構造がせりあがってきた
 主流メディアが申し合わせたように絶対に言わぬこと
 安保釜の蓋が開き始めた
 対米取り決めを再交渉すべし
 「迷走」の功績と教訓─「鳩山演説」を代筆するとすれば

 沖縄米軍基地─「移設」というワナ
 誰が「移設」できるのか
 人質と身代金のリンケージ
 ワナから抜けて対米再交渉を

 ひねりをかけて歴史を巻き戻す─第二次日米安保五〇年によせて
 戦後日本の最初の選択
 第一次と第二次の安保条約
 冷戦の終わり─目的をすり替える
 「米軍再編」という名の軍事統合
 オバマ政権の誕生と対日政策
 政権交代と巻き戻しの提案

 米国・日本・沖縄関係と「脱植民地化」
 日本植民地帝国の終わり方
 米国覇権の背後でのアジア復帰
 戦後日本のアジア復帰─反省も不在、民衆も不在
 米・日植民地主義の合作─「在日」身分と戦後発生責任
 沖縄をめぐる三項関係─米国の軍事植民地・日本の国内植民地
 三項関係としての脱植民地化


 第Ⅲ部 政権交代とはなんであったか
 壊れた国家制度の相続─政権交代と民主党政権の過渡的性格
 自民党からの「政治空間」の相続
 原則なき政策の浮遊
 過渡としての民主党政権──政治勢力の再編成と民衆のアジェンダへ

 安倍政権の自壊と戦後国家にとってのその意味
 帝国継承原理の公然化と復権へのドライブ
 安倍政権─勝利による挫折という逆説
 攻勢戦略─巻き戻すとは何か、何に向かって巻き戻すか

 第Ⅳ部 [対談]戦後国家と原発批判の論理をめぐって  武藤一羊・天野恵一
 野田政権登場と民主党の位置
 戦後国家の三原理というキーワード
 三原理論はいかにして生まれたか
 八〇年代の論議をふりかえる
 見えなかった「平和利用」
 「原発責任」論は成り立ちうるか
 近代主義批判とオルタナティブ

著者略歴

武藤一羊
1931年東京生まれ。東京大学文学部中退。初期の原水禁運動の専従、ジャパン・プレス社勤務などを経て、60年代ベ平連運動に参加。1969年、英文雑誌『AMPO』創刊、1973年、アジア太平洋資料センター(PARC)設立にかかわる。1996年まで代表、共同代表を務め、国際プログラム「ピープルズ・プラン21」を推進。1998年、花崎皋平とともにピープルズ・プラン研究所を設立、共同代表を経て現在運営委員。1983年~2000年、ニューヨーク州立大学(ビンガムトン)社会学部教員。
 著書に『主体と戦線』(合同出版・67年)、『支配的構造の批判』(筑摩書房・70年)、『根拠地と文化』(田畑書店・75年)、『日本国家の仮面をはがす』(社会評論社・84年)、『政治的想像力の復権』(御茶の水書房・88年)、『ヴィジョンと現実』(インパクト出版会・98年)、『〈戦後日本国家〉という問題』(れんが書房新社・99年)、『帝国の支配/民衆の連合』(社会評論社・03年)『アメリカ帝国と戦後日本国家の解体』(同・06年)ほか。訳書にE・クリーバー『氷の上の魂』(合同出版・68年)、G・ハンコック『援助貴族は貧困に巣くう』(朝日新聞社・92年)、ジャイ・センほか編『帝国への挑戦』(武藤一羊ほか監訳、作品社・05年)

書評

[出版ニュース 2011/12/1]

戦後の日本に原子炉という形で「原子力平和利用」を持ち込んだ勢力は科学者ではなく、読売新聞の正力松太郎や中曽根康弘という政治家と、その背景 にいた勢力であった。

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