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図書目録

戦争と平和 【戦争の残響】

ルポ 悼みの列島

ルポ 悼みの列島

あの日、日本のどこかで

室田元美

価格: 2000円+税
発行日: 2010年8月5日
版型: 四六判並製
ページ数: 286頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-0596-8
Cコード: C0030
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詳細内容

戦争と人をめぐる旅。語り伝える人びとをたずねて・・・

『月刊 自然と人間』連載ルポルタージュ「あの日、日本のどこかで」待望の単行本化。

──戦争を考えるのは難しい。歳月を経て、体験者の語る機会は少なくなる。著者は、日本の各地に残る「戦争の爪痕」の現在を訪ね、そこに生きる人たちに取材し、「戦争とは何か」を探る。加害と被害。歴史は単純ではなく、苦しい。その重みに悩む。だから人に聞き、人に語る。テレビやネットだけでは伝わりにくい、草の根の「戦争」を知り、問われる「戦争のかたち」をこの本で知って欲しい。

【目次】

第1章 レジャー湖の水底で起こっていたこと
    [神奈川県・相模湖ダム]
第2章 地図から消された、毒ガスの島
    [広島県・大久野島
第3章 8月は、もうひとつの鎮魂の月
    [京都府・舞鶴 浮島丸事件]
第4章 骨を掘る、若者たち
    [北海道宗谷郡・猿払村]
第5章 ひとの命の重さが計られた
    [長野県・松代大本営]
第6章 「首都防衛」の名残りを歩く
    [千葉県・館山]
第7章 「従軍慰安婦の碑」は語る
    [千葉県・かにた婦人の村]
第8章 大都会のミステリー、人骨の謎を追う
    [東京都・陸軍軍医学校跡地]
第9章 異国で被爆した人びと
    [長崎県・岡まさはる記念長崎平和資料館]
第10章 朝鮮半島との古い交流と、あの戦争
    [大阪府・タチソのトンネル群]
第11章 Yデーに備え、地下壕を掘った
    [横須賀市・貝山地下壕]
第12章 住民の心にも残る「とげ」
    [秋田県・花岡事件]
第13章 日中友好と反戦平和のために
    [埼玉県・中帰連平和記念館]
第14章 鉱山で生きた人びとの記録
    [京都市・丹波マンガン記念館]
第15章 心に刻み、石に刻む
    [神戸港 平和の碑]
第16章 公害と労働運動、そして強制連行
    [栃木県・足尾銅山]
第17章 行動するミュージアム
    [東京 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)]
第18章 同じ悲劇をわかちあうことの意味
    [東京都 東京大空襲]
第19章 破れた海の底に眠る人びと
    [山口県宇部市・長生炭鉱]
第20章 それでも飛行機をつくろうとした
    [愛知県・瀬戸地下軍需工場]
第21章 語れる人がいなくなった、その後も
    [東京都・関東大震災]
第22章 抵抗の歴史から生まれたもの
    [高知県・平和資料館 草の家]
第23章 鉄と石炭と戦争
    [福岡県・八幡と筑豊]


・コラム・
安芸の小京都
遺された子どもの願い
出会いの絆と、飯の力
信玄の隠し湯
花作り禁止令
第五福竜丸と鴎外
岡正治さん小伝
継体天皇・諸説
元兵士・謝罪の旅
記念館の7300日
港町を散歩する
労働運動発祥の地
空襲地・巡礼散策
白鳥や黒鳥が泳ぐ、「常盤公園」
夢二と八幡


引用、参考文献(資料)

著者略歴

室田元美
神戸市生まれ。関西学院大学社会学部卒業後、広告会社のコピーライターを経て、フリーランスに。現在は主に女性誌のライター、FMラジオ番組の旅をテーマとした構成作家として活動するかたわら、各地を旅して戦争に関する取材を行っている。共著に「戦争のつくりかた」(マガジンハウス)他。

書評

[日中友好新聞 2011/2/25]

著者は、被害者と加害者がともに過去を正視し、未来を築いていこうという希望を、市井の人びとに見出し光りを当てた。
2010年度平和・共同ジャーナリスト基金奨励賞受賞作品。戦跡ガイドとしても読み物としてもお薦めの一冊である。

[ふぇみん 2010/11/15]

今回のルポのきっかけは、家のすぐ近くにある東京・目黒の「祐天寺」に、浮島丸事件で亡くなった朝鮮人軍属の遺骨が納められていることを知ったことだった。事件を知りたくて、京都の舞鶴にまで足を運んだ。
「初めは、ものを書く人間として史実を伝えなくてはという使命感でした。でも、何十年も手弁当で歴史の真実を掘り起こし、さまよう魂を鎮魂する人々と出会ううちに、人間そのものに惹かれていきました。
人の悲しみ、無念さ、弱さ、温かさ。さらに、被害者と加害者がともに過去を正視することで一緒に未来を築いていくことへの希望が、平易な文章でつづられ、読む人の胸に深く響く。

室田元美さんインタビュー

[週刊金曜日 2010/10/22]

浮島丸事件の舞鶴、花岡事件の花岡鉱山、強制連行の足尾銅山……戦争と人をめぐる旅、全23章。

[出版ニュース 2010/10/8]

本書は、そのよな知られざる事実を掘り起し、記録したもので、軍需産業が集中する京浜工業地帯へ水と電力を供給するために急増された神奈川県の相模ダムや、旧陸軍の毒ガス製工場がつくられた大久野島、飛行場建設工事で亡くなった犠牲者の遺骨発掘が今も行われている猿払村など、北海道から九州までの23箇所が紹介されている。

[社会新報 2010/9/29]

(一部抜粋) ・・・(著者は)物でしかない遺跡、遺物に命を吹き込むかのように、戦争を記録し、後世に残そうと語り継ぐ人びとに、その地で出会う。そして、その人びとの中に、そこはかとなく、しかし確固としてある、もっとも人間的な営為のありようを見出していくのである。

「戦跡に命を吹き込む旅」豊田直巳

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