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図書目録

著作集・叢書 【沖縄・問いを立てる】

沖縄に向き合う

沖縄・問いを立てる―1

沖縄に向き合う

まなざしと方法

近藤健一郎 / 新城郁夫 / 鳥山淳 / 藤澤健一 / 屋嘉比収

価格: 1800円+税
発行日: 2008年7月9日
版型: 四六判
ページ数:
ISBNコード: ISBN978-4-7845-0575-3
Cコード: C0030
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詳細内容

気鋭の若手沖縄研究者によるシリーズ全6巻。本巻は総論と座談会、沖縄研究ブックレビューを収録。沖縄をめぐって交錯する幾多の「問い」。それらの問いに応答しうる、「沖縄研究」を構想するために。(2008・6)

【目次】

はじめに…沖縄に向き合う まなざしと方法 藤澤健一 9
  1 沖縄・歴史と現在の旅……10
  2 「問いを立てる」ことへのいざない……12
  3 沖縄研究の再構想へ……16
1…[座談会]沖縄の現実と沖縄研究の現在をめぐって 19
屋嘉比収・近藤健一郎・新城郁夫・藤澤健一・鳥山淳
  はじめに……20
  1 個人史のなかの沖縄研究……23
  2 「しまくとぅばの日」の政治性と歴史性……36
  3 「立ち止まる」沖縄研究……45
  4 せめぎあう沖縄研究……48
  5 沖縄研究の制度化……55
  6 沖縄研究の批評性を回復する……68
  おわりに……74

2…問いを立てる 77
  1 方言札─ことばと身体(シリーズ第2巻) 近藤健一郎……79
  2 攪乱する島─ジェンダー的視点(シリーズ第3巻)新城郁夫……85
  3 友軍とガマ─沖縄戦の記憶(シリーズ第4巻)屋嘉比収……92
  4 イモとハダシ─占領と現在(シリーズ第5巻)鳥山淳……98
  5 反復帰と反国家─「お国は?」(シリーズ第6巻)藤澤健一……103

3…沖縄研究ブックレビュー 111
  はじめに……112
  1 沖縄に向き合う─まなざしと方法(シリーズ第1巻) ……115
比嘉春潮『沖縄の歳月』/谷川健一編『叢書 わが沖縄』六巻 沖縄の思想/外間守善『沖縄の言語史』/鹿野政直『戦後沖縄の思想像』
  2 方言札─ことばと身体(シリーズ第2巻) ……120
真境名安興『沖縄教育史要』/沖縄県私立教育会『琉球教育』/沖縄(県)教育会・沖縄教職員会編集『沖縄教育』/島袋全発『沖縄童謡集 附・那覇固有の遊戯』/『今日の琉球』/琉球政府編『沖縄縣史』第4巻 各論編3 教育/上沼八郎『沖縄教育論』/森田俊男『沖縄問題と国民教育の創造』/広島大学沖縄教育研究会編『沖縄の本土復帰と教育』/中屋幸吉『名前よ立って歩け』/沖縄県教育委員会編『沖縄縣史』第7巻 各論編6 移民/田中克彦『ことばと国家』/浅野誠『沖縄県の教育史』
  3 攪乱する島─ジェンダー的視点(シリーズ第3巻)……136
佐藤惣之助『琉球諸島風物詩集』/久志芙沙子『滅び行く琉球女の手記』/知念正真『人類館』/ミシェル・フーコー『性の歴史? 知への意志』/エドワード・W・サイード『オリエンタリズム』/高里鈴代『沖縄の女たち』/G・C・スピヴァク『サバルタンは語ることができるか』/竹下小夜子『性to 生』/ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』/高良倉吉・大城常夫・真栄城守定『沖縄イニシアティブ』/小林照幸『21世紀のひめゆり』/宮地尚子『トラウマの医療人類学』/伊波普『沖縄女性史』・もろさわようこ『おんな・部落・沖縄』・石川真生『沖縄ソウル』
  4 友軍とガマ─沖縄戦の記憶(シリーズ第4巻)……154
沖縄タイムス社編『沖縄戦記 鉄の暴風』/仲宗根政善『沖縄の悲劇』/防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書 沖縄方面陸軍作戦』/琉球政府編『沖縄縣史』第8巻 各論編7 沖縄戦通史・第9巻 各論編8 沖縄戦記録1・沖縄県教育委員会編 『沖縄縣史』第10巻 各論編9 沖縄戦記録2/福地曠昭『村と戦争』/曾野綾子『ある神話の背景』/大田昌秀『総史 沖縄戦』/仲程昌徳『沖縄の戦記』/嶋津与志『沖縄戦を考える』/渡嘉敷村史編集委員会編『渡嘉敷村史』資料編・通史編/座間味村史編集委員会『座間味村史』上巻・下巻/教科書検定訴訟を支援する全国連絡会『沖縄戦の実相』/下嶋哲朗『生き残る』/字楚辺誌編集委員会編『楚辺誌・戦争編』/ノーマ・フィールド『天皇の逝く国で』/ひめゆり学徒隊戦記・作 新里堅進・画『水筒』/金城重明『集団自決を胸に刻んで』/教科書検定訴訟を支援する全国連絡会『沖縄戦・草莽隊・教育現場』/大城将保『第32軍の沖縄配備と全島要塞化』/宮城晴美『母の遺したもの』/兼城一編著『沖縄一中鉄血勤皇隊の記録』∮√/林博史『沖縄戦と民衆』/米山リサ『広島 記憶のポリティクス』/内海愛子・石田米子・加藤修弘編『ある日本兵の二つの戦場』/NHK特集「沖縄 よみがえる戦場」/『沖縄県ハンセン病証言集資料編』/『沖縄県ハンセン病証言集 宮古南静園編』/『沖縄県ハンセン病証言集 沖縄愛楽園編』
  5 イモとハダシ─占領と現在(シリーズ第5巻)……186
佐木隆三『沖縄と私と娼婦』/阿波根昌鴻『米軍と農民』/日本弁護士連合会編『売春と前借金』/安里清信『海はひとの母である』/宮城悦二郎『占領者の眼』/高嶺朝一『知られざる沖縄の米兵』/庄司丈太郎写真集『明日また 釜ヶ崎・沖縄』/新崎盛暉『新版 沖縄・反戦地主』/新崎盛暉『沖縄現代史』/石川真生『沖縄ソウル』/新垣譲『東京の沖縄人』/『現代思想』「特集 日米軍事同盟」・酒井隆史『暴力の哲学』/徐勝編『東アジアの冷戦と国家テロリズム』/比嘉豊光写真集『赤いゴーヤー』/平敷兼七写真集『山羊の肺』
  6 反復帰と反国家─「お国は?」(シリーズ第6巻)……212
島尾敏雄『離島の幸福・離島の不幸』・森秀人『甘蔗伐採期の思想』・大沢正道『反国家と自由の思想』/仲吉良光『沖縄祖国復帰運動記』/『新沖縄文学』「特集・反復帰論」「特集・続・反復帰論」/大江健三郎『沖縄ノート』/新川明『反国家の兇区』/富村順一獄中手記『わんがうまりあ沖縄』/沖縄青年同盟編『沖縄解放への道』/竹中労『琉球共和国』/大城立裕『同化と異化のはざまで』/沖縄県教職員組合編『これが日本軍だ』/儀間進「栄光と誤謬」/岡本恵徳『現代沖縄の文学と思想』/桐山襲『聖なる夜 聖なる穴』/新崎盛暉・川満信一編『沖縄・天皇制への逆光』/岡本恵徳『「ヤポネシア論」の輪郭』・村山家國『奄美復帰史』・「奄美学」刊行委員会編『奄美学』

著者略歴

近藤健一郎
1967年生まれ 北海道大学教育学部准教授 日本教育史専攻
主要著作「学校記念誌にみる近代沖縄における方言札」『南島史学』第六三号所収(2004年)、『近代沖縄における教育と国民統合』(北海道大学出版会、2006年)

新城郁夫
1967年生まれ 琉球大学法文学部准教授 沖縄文学・日本近代文学専攻
主要著作『沖縄文学という企て─葛藤する言語・身体・記憶』(インパクト出版会、2003年)、『到来する沖縄─沖縄表象批判論』(インパクト出版会、2007年)

鳥山淳
1971年生まれ 沖縄国際大学・沖縄大学非常勤講師 沖縄現代史専攻
主要著作「沖縄戦をめぐる聞き書きの登場」、岩波講座アジア・太平洋戦争6『日常生活の中の総力戦』所収(岩波書店、2006年)、『沖縄の占領と日本の復興』(共著、青弓社、2006年)

藤澤健一
1969年生まれ 福岡県立大学人間社会学部准教授 教育制度・政策論専攻
主要著作『近代沖縄教育史の視角─問題史的再構成の試み』(社会評論社、2000年)、『沖縄/教育権力の現代史』(社会評論社、2005年)

屋嘉比収
1957年生まれ 沖縄大学法経学部准教授 近代日本思想史専攻
主要著作「沖縄戦における兵士と住民─防衛隊員、少年護郷隊、住民虐殺」岩波講座アジア・太平洋戦争5『戦場の諸相』所収(岩波書店、2006年)、『沖縄の占領と日本の復興』共編著(青弓社、2006年)

書評

[UP 2009/7/1]

新城郁夫は、東京で開かれた『沖縄・問いを立てる』の合評会(二〇〇九年四月二五日)で、沖縄研究が、出自や居住区で「資格」を問うてはならない と述べた。このことは、それぞれの研究の内容こそが問われるという厳しい指摘に他ならない。そうした緊張感をはらむシリーズとして、『沖縄・問い を立てる』は提供されている。

[琉球新報 2008/10/19]

「シリーズのねらい」として、巻頭に書かれた藤澤健一の論は沖縄を「観察対象としてではなく」「問いとして捉え直す」ことを強調、「ことばだけが飛び交う空疎なゲームや断片的情報の集積」、「保身のための業績づくり」を越え、「沖縄研究が既存の体制に制度化され無毒化されている事態をどのように変転できるか」という危機意識に立って「問い」に向き合う、とかなりポレミックな提起をしている。

[琉球新報 2008/10/19]

それにしても、このごろいよいよ痛感するのは、研究には頭脳の回転もさることながら、まず何よりも社会的問題意識、つまり閉塞した思考や現状を打ち破ろうとする意志が要請されるとの一事である。小ざかしさよりも、矛盾に満ち満ちた社会にコミットする度胸と実践力―。
それだけに、この本を読めばわかるが、学問・研究が社会変革とのかかわりで存在するという、古くて新しい問題を、編者や執筆者が執拗に問いかけているのは、やはり一番に目をひく。あえて、いわずもがなの紹介文をしたためたゆえんである。

[高知新聞、愛媛新聞、中国新聞、山梨日日新聞、日本海新聞、静岡新聞 2008/10/2]

沖縄の現実に根ざすような“知”の営みをどう再構築できるか―。こうしたテーマに基づく論集「沖縄・問いを立てる」シリーズ(社会評論社・全六巻)の刊行が七月から始まった。新城郁夫さんが編集委員に加わり、仲里効さんも貴稿する。
第一巻「沖縄に向き合う まなざしと方法」では、新城さんを含む編集委員五人の座談会を収録。「沖縄学の父」とも呼ばれる民俗学者伊波普猷から、「反復帰論」を展開した新川明、川満進一、岡本恵徳各氏らが果たした役割までを振り返る。そこで重視されるのが、制度的な学問知を相対化する、「反復帰論」のような批評の可能性だ。

[沖縄タイムズ 2008/9/27]

それにしても、このごろいよいよ痛感するのは、研究には頭脳の回転もさることながら、まず何よりも社会的問題意識、つまり閉塞した思考や現状を打ち破ろうとする意志が要請されるとの一事である。小ざかしさよりも、矛盾に満ち満ちた社会にコミットする度胸と実践力―。
それだけに、この本を読めばわかるが、学問・研究が社会変革とのかかわりで存在するという、古くて新しい問題を、編者や執筆者が執拗に問いかけているのは、やはり一番に目をひく。あえて、いわずもがなの紹介文をしたためたゆえんである。

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