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著作集・叢書 【沖縄・問いを立てる】

攪乱する島

沖縄・問いを立てる-3

攪乱する島

ジェンダー的視点

阿部小涼 / 坂元ひろ子 / 佐藤泉 / 村上陽子 / 森川恭剛 / 新城郁夫(編)

価格: 1800円+税
発行日: 2008年9月17日
版型: 四六判並製
ページ数: 232頁
ISBNコード: ISBN978-4-7845-0577-7
Cコード: C0030
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詳細内容

沖縄をめぐるジェンダー規範解体の試み。
性的比喩に依存することなく、沖縄を表象することは、それほどまでに困難なことなのか。

【目次】

はじめに…攪乱する島 ジェンダー的視点 新城郁夫 
  1 性支配のレトリック
  2 「集団自決」とレイプと
1…「集団自決」をめぐる証言の領域と行為遂行 阿部小涼 
  はじめに
  1 「神話」と向き合う
  2 ひとつのもののふたつのあらわれ─「復帰」と「集団自決」
  3 愛国と死の共同体
  4 「あなたは命令しなかった」─女の証言の領域
  おわりに

2…沖縄と東アジア社会をジェンダーの視点で読む──移動、戦争、「語ることができる/できない」記憶の問いかけ 坂元ひろ子 
  1 「東アジア」構想と沖縄の歴史
  2 先島の女性労働者と移動
  3 戦争の記憶は「語ることができるか」─沖縄戦「集団自決」と中国戦線体験
  4 「集団自決」被害の連鎖性
  5 「ひめゆり学徒隊」の場合
  おわりに

3…戦後沖縄と強姦罪 森川恭剛 
  はじめに─米兵による強姦の罪の重さ
  1 強姦罪の主体と法益
  2 軍事化と植民地化
  おわりに─ジェンダーのトラブル化と強姦罪

4…沈黙へのまなざし ──大城立裕「カクテル・パーティー」におけるレイプと法 村上陽子 
  1 「カクテル・パーティー」というテクスト
  2 「被害者」の言葉の収奪
  3 法の暴力性
  4 身体の発話行為

5…一九九五─二〇〇四の地層 目取真俊「虹の鳥」論 佐藤泉 
  1 九五年と〇四年
  2 産出された非/人間
  3 生ける死者の形象
  4 奪われた時の地層
  5 置き換えられた始点
  6 「犠牲」と「比喩」の論理
  7 「犠牲化不可能」の時代の中で

6…母を身籠もる息子──目取真俊「魂込め」論 新城郁夫 
  1 身体の洞窟
  2 籠もることと込めること
  3 洞窟=グロテスクという回路
  4 〈不気味なもの=家政性〉からの超出
  5 「ウタ」の祈りの不可能性から

著者略歴

阿部小涼
一九六七年生まれ 琉球大学法文学部准教授 アメリカ・カリブ海地域研究/文化研究
主要著作「抵抗の領域における邂逅─出会い損ねる主体の詩学から」、『立命館言語文化研究』一九巻二号(二〇〇七年十一月)、「国民を証明しよう とする人々─米国に生きるプエルトリカンの身元証明と人種」、樋口映美・中條献編『歴史のなかの「アメリカ」─国民化をめぐる語りと創造』所収(彩流社、 二〇〇六年)

坂元ひろ子
坂元ひろ子(さかもと ひろこ)

一九五〇年生まれ 一橋大学大学院社会学研究科教授 中国近現代思想文化史専攻
主要著作『中国民族主義の神話─人種・身体・ジェンダー』(岩波書店、二〇〇四年)、『アジア新世紀』全8巻、共編著(同、二〇〇二~二〇〇三年)

佐藤泉
佐藤泉(さとう いずみ)

一九六三年生まれ 青山学院大学文学部教授 日本近代文学専攻
主要著作『漱石 片付かない〈近代〉』(NHK出版、二〇〇二年)、『戦後批評のメタヒストリー─近代を記憶する場』(岩波書店、二〇〇五年)、『国語教科書の戦後史』(勁草書房、二〇〇六年)

村上陽子
村上陽子(むらかみ ようこ)

一九八一年生まれ 東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程 沖縄文学専攻
主要著作「喪失、空白、記憶─目取真俊「風音」をめぐって」、『琉球アジア社会文化研究』第一〇号(二〇〇七年)

森川恭剛
琉球大学法文学部教授 刑法学
主要著作「刑法における反差別原則」、『琉大法学』六二号(一九九九年八月)、「規範のゆがみと強姦罪の解釈」『琉大法学』六八号(2002年9月)

新城郁夫
一九六七年生まれ 琉球大学法文学部准教授 沖縄文学・日本近代文学専攻
主要著作『沖縄文学という企て─葛藤する言語・身体・記憶』(インパクト出版会、二〇〇三年)、『到来する沖縄─沖縄表象批判論』(インパクト出版会、二〇〇七年)

書評

[沖縄タイムズ 2009/2/21]

本書は沖縄をめぐる二つの暴力―「集団自決」と「レイプ」―をジェンダー的視点によってつなぎ、今なお戦争の続く「例外状態」におかれた島=沖縄の実相を読者の喉元に突きつける、ラジカルにして真摯な訴えを載せた一冊だ。

[琉球新報 2008/11/2]

この本は、いま脚光を浴びているシリーズ「沖縄・問いを立てる」の第三巻。沖縄を扱ってきたジェンダー批評の里程標として位置づけることができよう。
「ジェンダー」とは、人間を二つに分ける抑圧的な分割線のことだ。それを分析概念として「女性化された沖縄」を見ると、沈黙の闇に覆われていた声ならざる声が、身体的な「語り」や「行為」となってよみがえってくる。
まずは編者による冒頭の「性支配のレトリック」だけでも読んで欲しい。いかに「沖縄」がジェンダー表象されていて抑圧されているか、そしてその呪縛を解くためにはジェンダー批評がいかに重要であるかが、身に染みて分かるはずだ。

稲福恵子 早稲田大学教授

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