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書評


2007年

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [北羽新報] 2007/12/14

花岡事件に関する一連の著作をまとめたシリーズ・花岡事件の人たち第1集「強制連行」は、「花岡事件の人たち」と「花岡事件を見た二〇人の証言」の2部構成。期間の同名の著書をベースとしているほか、冒頭の「概説・日本の中国侵略と花岡事件」は「中国人強制連行・花岡事件関係文献目録(増補版)」(能代文化出版社刊)に加筆している。また、花岡での中国人虐待の実態を版画で描いた「花岡ものがたり」の原本とされる「秋田物語―花岡を忘れるな」(ノート)から版画と添え書きの写真が収録されている。

コーラ白書』 / [出版ニュース] 2007/12/7

コーラをCoca-Colaの専売特許と考える向きは多いが、世界では様々なコーラが日々製造されている。なかには個性的なものもある。コーラコレクター歴20年余、「コーラ研究」が趣味という中本氏の研究成果を公開。

コーラ白書』 / [Nikkei Design] 2007/12/7

パチモン、コピー商品、類似商品は商品デザインの敵なのだが、似ている商品があればあるほど、本家本元がいかに大きな存在であるか感じられる、というもの。
本書は世界でも最も商品数が多いものの1つであろう「コーラ」に焦点を当て、世界に流通するコカコーラとペプシコーラのバリエーション、コーラ飲料約200本を写真と発表年などのデータと共に紹介している。

コーラ白書』 / [サンデー毎日2007年12月2日] 2007/12/2

コカ・コーラとペプシのシェア争いで、新たな味が開発されてきたことは知っていた。だが、世界各地で中堅の各社がこれほど多彩なコーラをつくっているとは驚きである。グローバル化もなんのその、だ。コーラ観が変わるといっても過言ではない。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [北鹿新聞] 2007/11/25

野添憲治氏は、花岡事件に少しでもかかわった人と実態を見聞してきた人を訪ね歩いては「聞き書き」をし、中国人との接触もはかったりして花岡事件のなんたるかの「真実の検証」に粘りづよくあたってこられた。花岡事件と言っただけで禁句ともいえるほどいやがられた「検証への足がかりの苦労」は並大抵のものでなく、筆舌につくしがたい血をなめるような思いをしただろうと私は推察している。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [秋田魁新報] 2007/11/22

「約四千人の遺骨が今でも日本に残っている。中国には遺族がいるはず。同じ人間だから、日本で死んだ家族の事を知りたいのは当然。調べて教えてあげたい」。日本人とか中国人という前に「同じ人間」だという感性。野添さんが何げなく自然に口にした言葉が心に残った。

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シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [毎日新聞秋田版] 2007/11/22

野添さんによると、花岡事件から62年を迎え、関係資料も限られてきたうえ、死亡する関係者も多くなり、事件の調査が困難となりつつある。今回の著作集の出版に向け、事件の全体像をより明らかにするため、大幅に加筆したのに加え、中国人の過酷な労働の実態などを描いた版画集「花岡ものがたり」に使われた版画の貴重な原画も各週に10枚ずつ収録する。

都立の逆襲』 / [東京新聞] 2007/11/22

少子化、ニーズの多様化に対応できず陰りの出ていた都立高校が変化している。約3分の1の高校を改編、新タイプの学校49校を設置するという都による「改革」は、約10年前スタートし2011年に完成するが、すでに「進学指導重点校」指定で都立上位校が活性化、都立全体の大学合格実績も上昇した。この改革の中身と展望は?

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [世界へ未来へ] 2007/11/20

「極めて現代的意味の大きい記録」と、9条連代表の常石敬一さんも推薦している。

コーラ白書』 / [週刊アスキー] 2007/11/13

コカ・コーラ、ペプシをはじめ、世界各国の500種類以上のコーラを掲載。独立記念日に由来する韓国の『815』、オーストラリアのラム入りコーラなど、幅広いコーラの世界に驚かされる。

靖国の闇にようこそ』 / [情況2008年11・12月号] 2007/11/7

「靖国参拝違憲訴訟の会・東京」事務局長の肩書きを持つ著者は、「英霊顕彰」の国家装置としての靖国神社、すなわち「ヤスクニ思想」を厳しく拒否する立場に立つ。著者のヤスクニ批判の論理と実践の深さは、決して他の人に劣るものではないであろう。しかし本書を読むと、靖国神社へのあまりの造詣の深さに、物質としての靖国神社を実は著者が深く愛しているのではないかと錯覚すらしてしまう。

コーラ白書』 / [読売新聞] 2007/10/21

収集した中本晋輔さんは小学4年のころから20年余り、珍しいコーラを探し続けてきた。その成果たる本書は、もはや定義困難な多様性を浮き彫りにする。
グローバル化した商品と見られがちだが、実際は地域ごとに変容しながら広がっているようだ。コーラを通じて、今日の世界が見える一冊でもある。

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どうぶつのお墓をなぜつくるか』 / [読売新聞] 2007/10/7

現在も、食用に供された動物のためなどに、動物のためなどに、動物塚は作られつづけている。人間と人間以外、伝説と現実の境目がかぎりなく曖昧だということが、動物塚の存在に表れている。この文化と宗教観については、今後ますます分析や考察がなされることだろう。
いままで気にしたこともなかった動物塚が、人間と動物との交流(食べちゃうこともあるが)のたしかな証しとして、なんだか輝いて見えてくる。カバーの味のある犬の絵も、著者が描いたものだそうだ。

どうぶつのお墓をなぜつくるか』 / [東海教育研究所月刊『望星』10月2007年] 2007/10/7

犬塚、猫塚、蛇塚、実験動物の慰霊塔。一口に動物塚といっても、そのルーツは縄文時代に埋葬された縄文犬にまでさかのぼることができるらしい。本書はそんな日本人の動物埋葬の源流を探る、本格的な研究書だ。

闇から光へ』 / [沖縄タイムス] 2007/10/6

申英子は、ありのままの自分と、同時に生まれ育った空間(すなわち日本)を愛するという人間の根源的な思いを手放さず、かつそれが、日本同化にも日本ナショナリズムにものみ込まれない立ち位置を模索する。
日本国民という枠組みは、沖縄人を他の沖縄人にも在日外国人にも、日本同化をせまる立場に誘惑する。沖縄人が同化とのたたかいに本書から学ぶものは大きい。している。

焼津流平和の作り方』 / [静岡新聞] 2007/9/8

第五福竜丸の元漁労長、三崎吉男さん(八二)=焼津市小川新町=の証言を柱とする第一章から、故岡本太郎氏制作の巨大壁画「明日の神話」の誘致運動をまとめた第七章までの七ヵ章と、焼津を紹介する二つの特別章で構成した。
このうち第四章「『やいづ平和学』の実践」では、会の発足に先立って〇一年に静岡精華短大(現静岡福祉大、焼津市)がスタートさせた公開講座「やいづ平和学」や、本紙の連載ルポタージュ「第五福竜丸 心の航跡」、会員による核被災の実態調査、小学校の総合学習での平和教育の実践記録を収めた。

靖国の闇にようこそ』 / [百万人の幸福] 2007/9/7

靖国神社が内包する「闇」を、「靖国のことなら図書館は要らない」という著者が暴き出す。著者は「靖国参拝違憲訴訟の会・東京」事務局長で、日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会の委員も務める。
サブタイトルは皮肉を込めて「靖国神社・遊就館(資料館)非公式ガイドブック」。しかし公式ガイドより詳しいこと受け合いだ。

インドネシア残留元日本兵を訪ねて』 / [月刊インドネシア] 2007/9/7

著者は1984年にジャカルタ日本人学校に勤務、ふとしたことから残留元日本兵の方々と知り合い、祖国を捨て、異国で生きなければならなかった彼らの波乱の人生を記録に残したいと思うようになった。

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子どもの危機・教育のいま』 / [全外教通信] 2007/9/5

本書は「1、教育を考える視角」から「11、歴史教科書と教育」に至るまで、戦後教育史を批判的にに総括しながら、いずれの章にも非常に示唆に富む論考が満載されている。

靖国の闇にようこそ』 / [解放新聞] 2007/8/20

本書を手に靖国を訪れれば「裏の靖国」がよくわかる。本書には闇を照らす歴史の真実が書かれている。
本当は、いくなら8月15日がいい。右翼が境内を闊歩し、さながら右翼の解放区状態が出現する。一言でいえば、きわめて異様な世界であり、間違いなく身も心もひんやりする。
遊就館には、自慢げに戦争関連グッズが並んでいる。それらは、侵略の事実を自白する証拠品ともいえる。戦争の対義がアジア解放というなら、特攻隊が「天皇陛下万歳」といおうが「お母さん」とマザコン的叫びをのこして死のうが、どうでもいいのだが、その片鱗をまったく感じない展示であることが摩訶不思議なのである。本書を手にその目で確かめる夏にしてはどうだろう。

靖国の闇にようこそ』 / [クリスチャン新聞] 2007/8/19

靖国神社の本殿や鳥居、境内にあるさまざまな碑などに込められた意味を、皮肉を込めながらも適確に解説する。また同神社の資料館「遊就館」の展示についても、その問題点を浮き彫りにしている。表紙カバーを裏返せば、境内の地図が現れる。「ガイドを片手に靖国神社へどうぞ」といった趣向だ。そんな「遊び心」を随所に盛り込んでいる。
サブタイトルは「靖国神社・遊就館 非公式ガイドブック」。しかし公式ガイドより詳しいこと請け合いだ。

靖国の闇にようこそ』 / [キリスト新聞] 2007/8/18

わたしはこのたび辻子実さんの労作を読む機会を与えられた。そして靖国の暗部はかつて日本が海外に創建していった「侵略神社」の歴史を知ることなしには見えてこないことを思い知らされた。辻子さんはあとがきに、「アジアとの平和共生を願う時、何よりも歴史の共有が不可欠ではないかと思います」と記しておられるが、正にその通りだと思う。

靖国の闇にようこそ』 / [日本バプテスト連盟ニュースレター第5号] 2007/8/7

「靖国神社」ガイド。知る人ぞ知る「靖国博士」である著者が、貴重な資料と知識を披瀝し、靖国神社および関係者の発言などを紹介しながら、できるだけビジュアルに「ヤスクニの闇」を案内する。

靖国の闇にようこそ』 / [彷書月刊 Mo.262 070725] 2007/8/7

実にサマザマな靖国神社をめぐる書物があるケレド、本書は、<靖国神社・遊就館 非公式ガイドブック>。狛犬から、鳥居、睥のかずかずを検証していく。はじめて知ったこともタクサンありマス。御神体は刀鏡。

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靖国の闇にようこそ』 / [[キリスト者政治連盟 No.331] 2007/8/7

楽しく、まじめで、読者への優しい眼差しに溢れている。辻子さんお人柄そのもののようである。こんな適切な靖国ガイドブックはなかったはずだ。まずはこの本を片手に、靖国神社へ、遊就館へ行っていただきたい。靖国神社は人間を兵器にする工場あることに身をもって気付くだろう。

靖国の闇にようこそ』 / [中外日報] 2007/7/24

靖国神社を歩くための非公式のガイドブック。非公式ではあるが、虚偽の内容を記したものではなく、靖国神社関係資料や関係者の発言、写真資料を交えて詳細に説明。靖国神社境内や靖国神社の歴史観を公にする戦争博物館の遊就館を取り上げる。

【米国公文書】ゾルゲ事件資料集』 / [図書新聞] 2007/7/21

ゾルゲ事件といっても、二一世紀の若い読者には「スパイ」くらいしか連想できないかもしれない。本書の編者白井久也氏、解説者渡部富哉・来栖宗孝氏らは、一九九七年に日露歴史研究センターを結成し、日米戦争開戦前夜、一九四一年に検挙されたリヒアルト・ゾルゲと尾崎秀実を中心とした「国際スパイ事件」の真相解明と歴史的意義の研究を進めてきた。東京、モスクワ、ドイツ、モンゴルで国際シンポジウムを開催してゾルゲ事件研究者の国際ネットワークを構築し、世界各地の貴重な新資料と研究論文を発掘してきた。本書は、その会誌である『ゾルゲ事件関係外国語文献翻訳集』の成果の一部である。

治安政策としての「安全・安心まちづくり」』 / [法学セミナー] 2007/7/7

憲法学の研究者である著者は、「安全・安心」に藉口した草の根的な生活安全条例制定の動きが、憲法上保証された基本的人権との厳しい緊張関係を孕む治安立法・治安政策にほかならないことを、警察関係の文献や各地の具体的な事例を丹念に検討することで明らかにする。

子どもの危機・教育のいま』 / [兵朝研] 2007/7/7

私が最も関心を持ったのは、「3―在日朝鮮人教育を通じて見た教育基本法」、「4―枝川裁判を通じてみる『改正教育基本法体制』」及び「5―国際的に見た教育基本法体制―子どもの権利条約」だった。
これらでは、在日朝鮮人の民族教育の流れを解説しつつ、いま東京で問題になっていて、韓国社会までも動かしはじめた「枝川裁判」について一章を設けて解説している。

子どもの危機・教育のいま』 / [io] 2007/7/7

著者は、権力にとって教育の関心は次代を担う支配階級の形成で子どもの学力ではないと断言する。戦後徹底された教育への国家支配を概観しつつ、「改正教育基本法」に有効な議論をもち得なかった学校現場の問題点を探る。

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子どもの危機・教育のいま』 / [靖国・天皇制問題情報センター通信] 2007/6/30

者は「歴史と世界とその中の教育」の中で、日本の植民地支配から解放された南北朝鮮の政府が朝鮮半島での戦争、民族分断という困難の中でも教育を国家的な政策の重点に位置づけてきたこと、そのこともあって、教育が非常に拡大したことを紹介している。また、1980年に独立したジンバブエ政府が無償初等教育を宣言・実施したことも紹介し、それぞれの国における植民地支配下の教育のあり方と比較している。
評者が接する国際協力活動に関心を持つ学生、大学院生の多くは、こうした歴史的背景を踏まえて途上国の現状と課題について考える訓練をほとんど受けていない。「歴史と世界とその中の教育」を出発点に、適切な資料紹介を行っていきたいと考えている。

【米国公文書】ゾルゲ事件資料集』 / [朝日新聞] 2007/6/28

太平洋戦争の開戦を前に日本とドイツの機密情報をソ連に流したゾルゲ事件について、戦後に米国側が行った調査記録2点が発見され、『ゾルゲ事件資料集』(社会評論社)として出版された。暗号の仕組みなどが初めて明らかになり、米国人協力者の存在も浮かび上がった。
事件に関心を持つ研究者で組織する日露歴史研究センター(白井久也代表)が米国の図書館などで入手し、翻訳を進めてきた。一つは連合国軍総司令部(GHQ)がまとめた「ゾルゲ事件報告書」。日本の警察や検察が保管していた資料を押収して分析、47年に米国の国務省に送ったもの。もう一点は51年に米国下院の非米活動調査委員会が行った聴聞の記録で、ドイツ人新聞記者リヒアルト・ゾルゲを取り調べた日本人検事らの証言が残っていた。米ソ冷戦の本格化を背景に、共産主義スパイ団への対応策を考えるため、ゾルゲたちがどのように情報を入手したかを解明するのが狙いだったようだ。
(中略)
「スパイ・ゾルゲ」を手がけた映画監督の篠田正浩さんは「映画を作るために可能な限りの資料に目を通したが、分からずに心残りだったことが、この本でいくつも明らかになった。米国側の協力者の存在はその一つで、どこかにいるだろうと思っていたが、ハルビンだったとは……本当に驚いた。表面を見ていただけでは分からない歴史のアンダーグラウンドの部分が浮かび上がる」と語った。

子どもの危機・教育のいま』 / [朝鮮新報] 2007/6/11

東京朝鮮2初級学校の土地問題をめぐる「枝川裁判」では、民族教育の権利が初めて法廷で問われた。佐野通夫・四国学院大学教授は裁判で提出した意見書のなかで「民族教育を受ける権利が憲法・教育基本法上、保障されている」ことを明確にした。
本書はそういった民族教育などさまざまなテーマから「改正時代」の教育体制について考察している。

治安政策としての「安全・安心まちづくり」』 / [出版ニュース6月下旬号] 2007/6/7

著者は新自由主義改革がもたらした「治安の悪化」対策であるとはっきりいい、本当に必要なのは<新自由主義改革の見直しや社会保障の拡充>による信頼社会の形成だと述べている。

治安政策としての「安全・安心まちづくり」』 / [法学館憲法研究所] 2007/5/21

偏在していた「まなざし」は遍在し、市民は警察官だけでなくコンビニ店員や郵便配達員などからの「まなざし」にもさらされ、多様な相互監視のネットワークが広がるのである。なぜなら、この治安政策で監視の対象にされているのは、いつ新自由主義改革の帰結により「犯罪者」になるかもしれない「普通」の市民だからである。

治安政策としての「安全・安心まちづくり」』 / [婦人民主クラブ] 2007/5/15

「ゴメンですめば警察はいらねぇ」なんて啖呵もあるけれど、警察がいるから「ごめん」ですむところもすまないようになっている昨今。警察をそうさせているものは何か?それがこの本に書いてある。中略、たくさんの資料や実態に迫り、説得力のある内容です。

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治安政策としての「安全・安心まちづくり」』 / [軍縮地球市民 2007年夏 No.9] 2007/4/7

前略~しかし、本書は、そのような憲法学の現状にあって、この問題について真正面から果敢に取り組んだ、初の本格的な理論書といえるであろう。著者の清水雅彦氏は、気鋭の若手憲法研究者であるが、この問題にいち早くから取り組み、関連する数々の論稿を著し、そしてこれまで実務かなどとも連携しながら積極的に各方面で、この問題がもつ本質について警鐘を鳴らし続けてきた第一人者でもある。本書は、著者がこれまで行ってきたそうした取り組みの集大成とも呼ぶべきものであり、その文体は、普段の著者の明晰かつ軽妙な語り口がそのまま反映されたものとなっている。さらに、「やはり、ある政策に賛成するにしろ反対するにしろ、なるべく情報を集めて、正確な認識に努めた上で意志決定を行うべきであろう」という筆者の基本姿勢は、本書を通じても一貫しても貫かれており、それが本書の価値を、緻密な批判の書だけでとどまらない複眼的かつ建設的な啓蒙の書の域へと高めているといえるであろう。 [評者 三宅裕一郎]

治安政策としての「安全・安心まちづくり」』 / [インパクション2007 158号] 2007/4/7

本書は、近年各地の自治体で急速に進展してきた「生活安全条例」づくり、そのイデオロギーである「安全・安心まちづくり」を歴史的に追跡して、内実を徹底解剖している。全四部一一章から成るが、「安全・安心まちづくり」の進展状況を綿密にフォローしたうえで、その総体を治安政策、ひいては有事体制づくりの展開過程に位置づける。
著者によると、生活安全条例は、警察官僚が一九八〇年代のアメリカ・イギリスにおける治安政策に学んだ成果をもとに始動した。「凶悪犯罪キャンペーン」を利用し、警察や防犯協会などの肝いりで、表向きは「市民の要求」を反映した形で推進してきた治安政策である。一見すると「下からの運動」のように見えるが、実際は「上からの治安政策」を全国展開したものである。 [評者 前田郎]

アメリカ帝国と戦後日本国家の解体』 / [図書新聞2007年3月24日] 2007/3/24

武藤一羊の最新論文集である。武藤はここ数年、精力的にアメリカの帝国的支配、戦後日本国家の解体変容過程の解析とともに、それらに抵抗する諸運動の紹介と提起を行ってきた。 [評者  皆川勤]

日本植民地教育の展開と朝鮮民衆の対応』 / [教育学研究第74巻] 2007/3/7

多面的な幅広い研究文献の渉猟と独自の資料発掘と分析を試み、著者の地道な研究が反映されている。後出の参考文献は多岐に亘り、その努力の跡が伺われる。とくに「忌避」から「受容」という概念を用い、一連の民衆の教育熱を基軸に植民地期と解放期の連続性を見いだそうとした点は独自である。また資料として添えられた民族系新聞の教育記事は、これからの植民地教育研究にとって貴重な素材となるであろう。

石も夢みるスペインロマネスク』 / [スペイン語講座6月] 2007/3/7

スペイン史をある程度頭に入れて読めば、楽しめるだろう。たくさんのモノクロ写真が味わい深い。

ドラマとしての住民運動』 / [滋賀報知_社説] 2007/2/7

3/31・住民運動のドラマは市民がつくるのだ
  「いやいやながらも民主的な社会を目指して活動する人々、かれらを『地道に努力する者』ではないと、誰が、なにゆえ言えるだろうか。ドラマは生活者がつくる。」ーー著者の思想の根幹でもある。この本を読むと、なぜか今回の県議選と重ね合わせたくなる。はたして「市民革命は成就するのか」と。RD産廃処分場には、いまも豊島クラスの産廃が埋まっている現実に、住民たちは決してめげることがない。お薦めの一冊である。

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世界飛び地大全』 / [朝日新聞] 2007/2/7

世界の中には不思議な飛び地がある。なぜ、そんな形になったのか。そこには歴史的な背景が。謎解き感覚で読めます。

日本植民地教育の展開と朝鮮民衆の対応』 / [アジア教育創刊号2007] 2007/2/7

民衆の側からの教育への反応を見る視点の重要性、さらには、植民地期後とのつながりを検討する必要性を実証した本書は、多くの示唆を与え、かつ植民地教育史研究を大きく前進させてくれるものである。