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書評


2008年

日米戦争はなぜ勃発したか』 / [図書新聞] 2008/12/27

経済的な構造からファシズムや戦争を問うことがいかに重要なのかを教えてくれる仕事だと思う。最近の思想界では、規範的な問題をめぐる議論ばかりが目立つが、構造的な分析をしなくてはやはり世界はわからないのである。 [評者 萱野稔人]

K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』 / [朝日新聞] 2008/12/21

ウィットフォーゲルはロシアや中国の社会主義体制を「東洋的専制国家」として批判したため、「反共」思想家として葬られた思想家だが、本書が示すように、現在の中国や北朝鮮、ロシアを見る上で、彼の認識は今も不可欠だ。 [評者 柄谷行人]

ホルクハイマーの社会研究と初期ドイツ社会学』 / [週刊読書人] 2008/12/19

本書の特徴は、この学派形成以前のホルクハイマーの思想形成を、ワイマール期の多様な思想の布置状況の中で探るところにある。本書には手探りだからこその疑問もあり、だからこその更なる追求の誘いもある。例えば、ゲシュタルト心理学から精神分析への転換は、フロムという人的契機だけに依ったのだろうか。マルクス主義にも残る啓蒙や自然科学への信頼を、ホルクハイマーはどのような契機で疑問を抱くようになったのだろうか、等々。 [評者 清水多吉]

時刻表世界史』 / [中日新聞] 2008/12/18

著者インタビュー
「時刻表収集が趣味」と聞くと、鉄道マニアを思い浮かべる人が多いかもしれないが、東京都杉並区の会社員曽我誉旨生さん(三六)の時刻表コレクションの目的は変わっている。古今東西の時刻表から世界の歴史を見通すことが目的だからだ。
中学時代から古書店やネットオークションなどで七百点を超す国内外の古い時刻表を収集。今秋、鉄道、バス、航空、船の時刻表を読み解いた成果をまとめ、『時刻表世界史』 時代を読み解く陸海空143路線』(社会評論社)を出版した。
コレクションには、戦争や紛争に苦しんだ人たちの足跡がうかがえる時刻表もある。戦後占領期の日本では、進駐軍の便に供するため連合軍専用列車が優先して運行された。外地から日本に帰国した人々を郷里に運ぶための引き揚げ列車は九州から東京まで、各駅停車で二晩を要した。(中略)
「鉄道や航空機の時刻は利用者の人生とも深くかかわっている。交通機関が生まれて以降の人類の歴史をもっとたどりたい」。それに大きな目標もある。「いつか実物の時刻表を展示する史料館を開設したいですね」(紙山直泰)

時刻表世界史』 / [鉄道ピクトリアル2008年12月号] 2008/12/8

戦前の中国大陸から戦後国内の興味深い事例、また鉄道に留まらず世界の航空路や航路の、国際政治と密接に結び付いた不思議な、時に抱腹絶倒のエピソードを、筆者が所蔵する膨大な時刻表コレクションとともに紹介する力作。

時刻表世界史』 / [航空情報2008年12月号] 2008/12/8

例えば、第1章の「亜欧連絡とロシア―旅は極寒の凍土を越えて」では、初の日英航空定期便が占領下の横浜に飛行艇で運航された経緯を、当時の時刻表を収録しながら語ってある。

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だれにも故郷はあるものだ』 / [朝鮮新報] 2008/12/8

本書は月刊「イオ」(朝鮮新報社刊)に連載された徐勝氏によるエッセー「在日同報とわたし」をまとめたもの。連載中から読者の大きな反響を呼んでいたと聞いたが、上梓された一冊を読むと、その重量感に改めて圧倒される思いがする。ここで、何度も繰り返されるキーワードは、「在日朝鮮人」とは何か、という問いである。

時刻表世界史』 / [月刊エアライン2008年12月号] 2008/12/8

時刻表と聞くとつい鉄道のものを思い浮かべるが、空路にも海路にももちろん時刻表は存在する。古今東西、陸海空路すべての時刻表を集める「世界最強時刻表収集家」の著者が「え?この時代、こんな所にこんな路線が?」と思わせるユニーク路線について解説。実物の時刻表の画像が添えられており、実際に当時の旅客になったような不思議な感覚を楽しめる。

時刻表世界史』 / [旅と鉄道2008年12月号] 2008/12/8

時刻表は長らく旅行の道具としてとらえられ、用済み後は捨てられる運命にあった。それが最近は資料としての価値が見直され、収集あるいは研究の対象とする人も多い。本書は鉄道のみならず、航空・航路・バスなど、あらゆる交通機関の時刻表を世界に求め、その成果を集大成したものである。鉄道以外の交通機関は小冊子形式なので破棄される機会が多かったと思われ、よくぞここまで収集したものと、感嘆せざるを得ない。

完全自殺マニア』 / [図書新聞] 2008/12/8

東京地裁は十一月に「債権者(『完全自殺マニア』)カバーが債権者カバーに依拠したものであることは認められるものの、共通部分はいずれも表現それ自体ではない部分か、あるいは表現上の創作性が認められない部分であり、しかも全体的にみても債権者カバーが債権者カバーの表現上の本質的な特徴を直接感得させるものであるとは認められない」として申請を却下した。太田出版は仮処分を申請した理由について「原著作物への依存があまりに安易であり、レベルが低いから」などと説明している。

時刻表世界史』 / [レイル・マガジン2008年12月号] 2008/12/8

何でこんな街からそんな街に路線が?という疑問に、世界最強の時刻表収集家が挑んだ。本書には戦前の時刻表をはじめとして、かなり珍しいものが紹介されていて、コレクターとしても充分に楽しめる内容になっている。

時刻表世界史』 / [北海道新聞] 2008/12/7

鉄道、船、航空機で張り巡らされた二十世紀の百四十三路線を収録した、歴史を旅する時刻表。列強が植民地に鉄路を敷設し、飛行艇を投入して定期航空路を開くなど、地球規模で輸送需要が激増した時代が浮き彫りにされる。戦前の函館―安別―(樺太西海岸)、函館―択捉島の航路、戦後の札幌―横浜の進駐軍専用列車の時刻表なども発掘、掲載されている。

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時刻表世界史』 / [出版ニュース] 2008/12/1

第2次大戦下、チェコスロバキアはナチス・ドイツの保護領となった。時刻表の駅名にはドイツ語とチェコ語の両方が記載された。ヴァルタヴァ駅は「モルダウ駅」の名称とともに。〈駅名は美しいが、その改称の背景となった歴史はなんとも悲しいことか…〉。世界一の時刻表コレクターと言われる著者は、鉄道だけではなく、飛行機、船、バス、さらに人力車の時刻表まで集まってきた。本書はこれら陸海空の時刻表の中に、世界が辿ってきたこの百数年の歴史を探る。全長200mの世界最短バチカン国鉄、飛行時間わずか2分間の定期直行便など興味深い話題にも事欠かない。

時刻表世界史』 / [読売新聞] 2008/11/30

時刻表は、単に旅程を検討するその刹那のためだけにあるものではない。時刻を表す数字を追いかけ、道中の車窓や行き先の街並みを想像し、旅の気分に浸れる紀行とも言えよう。はたまた、その時々に、列車や航空便がどこからどこまで運行していたかを記録した歴史書とも言えるかもしれない。当時は、今では想像もできないような都市を経由した航空便や、ある都市からさる都市への直通列車など、驚きの連続である。
く世界中の、戦前戦後を問わず収集した時刻表を惜しげもなく披露し解説している。鉄道だけでなく、バスや飛行機や船の時刻表もある。これだけ一冊の本で網羅的に扱った書はいまだ見たことがない。時刻表示自体は単なる数字の羅列かもしれないが、その数字が持つ意味は、現代世界史上での位置づけと重ね合わせれば、非常に奥が深い。

K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』 / [週刊読書人] 2008/11/21

アジア社会を封建性として把握するか、それとも東洋的専制として把握するか、という設問は古くて新しい問題だといわなければならない。なぜな ら、アジアの社会が世界の動きの一環に包摂され、その中で運動することを余儀なくされるとき、一見近代的に見えるその動きの影に、言いようのない古い残像 を垣間見るとき、これを封建的残滓として片付けるにはあまりに奥深いものを感じ取るからである。人は、それを閉塞的な「運命論」として忌み嫌うかもしれな いが、逆にその奥深さを認識することこそが、その克服の重要性と緊急性を訴える鍵となるのではないか。本書は、そうした時代的重要性を我々に喚起させる意 味でも貴重な一石を投じた著作だと言わなければならない。 [評者 小林英夫 (早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)]

時刻表世界史』 / [読売ウィークリー] 2008/11/16

時刻表から見えてくるのは、ほとんど「人類の過ちの歴史」だと著者は記している。たしかに戦争や植民地支配など、さまざまな国家の愚行に関する項目が目につく。たかが時刻表と軽く見るべからず、と言いたくなる。一方、英国北部にある所要時間2分の世界最短航空路線や、トロッコ列車の車両をそのまま吊り上げてロープウェイに変身する台湾の不思議な森林鉄道など、ユーモラスな話題に出会うと、何だかホッとする。(中略)東京の「進駐軍専用バス路線案内」(1947年)がある。「毛沢東語録」の一節を掲げた中国の鉄道時刻表(1969年)がある。何と1914年、昭憲皇太后大喪時に東京~京都間を走った霊柩列車の時刻表まで登場する。古い時刻表の入手方法は「企業秘密(笑)」だそうだが、こんなものまで! まさにサプライズな一冊である。 [評者 松村洋]

時刻表世界史』 / [サンデー毎日] 2008/11/16

およそ「交通機関のあるところに時刻表あり」。時刻表の背景から時代と社会が見えてくる、と語るのは曽我誉旨生『時刻表世界史』(社会評論社)だ。第二次大戦中、ヨーロッパの空からは多くの定期航空便が姿を消した。ナチス・ドイツの攻撃に運休を余儀なくされたのだ。唯一残ったのはスウェーデン~イギリス線。スウェーデンが中立国だったからだ。危険を覚悟で飛んだスウェーデン航空の時刻表には、「機密スケジュールにて運航」の文字のみが残されている。 [評者 中村貴美江]

K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』 / [情況] 2008/11/8

ここでようやく著者が「政治生命をかけた、一大挑戦」として本書を出した訳がわかってきた。中国ではウィットフォーゲルがタブー扱いされている。それは、「アジア的生産様式が単に中国共産党の『正統史観』の抜本的見直し、再解釈を迫るだけではなく、中国という『現存する社会主義』国家の依拠する支配の正当性そのものを根底から揺るがしかねない、極めて危険なものだからである」からだ、となる。
つまり、中国共産党→中国→中国社会という専制統治の序列が、ウィットフォーゲルの言説によって露わになる。
封建制打倒を掲げて自らの〈アジア的〉なるものに無自覚であったこと、内なる〈アジア的〉なるものが「近代」化を阻害していること、さらに、〈アジア的〉なるものを内包して「社会主義革命」などまやかしじゃないかという指摘、〈アジア的〉な家産官僚制度が連綿と続く風土。問題の所在を〈アジア的〉なるものに還元して理解する手法は、耳目に入りやすい。 [評者 桂木行人]

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アントニオ・グラムシの思想的境位』 / [出版ニュース2008.11下] 2008/11/8

イタリアの社会主義思想家で労働運動活動家であったアントニオ・グラムシ(1891~1937)の没後70年を機に、あらためて危機の時代を生きたグラムシ再評価の機運が高まっている。本書は、今日における新しい抵抗ヘゲモニーの創造と「もう一つの世界」に向けたオルタナティブを模索するためにグラムシの思想的・地平を検証、洞察する。

エンハンスメント論争』 / [ナーシング・トゥデイ Nursing Today] 2008/11/8

医療、薬、電子工学などを駆使したエンハンスメントは生命倫理の重要命題だ。海外の文献の翻訳と、日本人研究者の論文を集め、技術の概容と論点の所在がつかめる構成。

時刻表世界史』 / [サライ23号] 2008/11/8

20世紀に発売された時刻表から、その社会背景などを考察。例えば、ロシアが建設した東清鉄道は中国への進出が目的だった。

攪乱する島』 / [琉球新報] 2008/11/2

この本は、いま脚光を浴びているシリーズ「沖縄・問いを立てる」の第三巻。沖縄を扱ってきたジェンダー批評の里程標として位置づけることができよう。
「ジェンダー」とは、人間を二つに分ける抑圧的な分割線のことだ。それを分析概念として「女性化された沖縄」を見ると、沈黙の闇に覆われていた声ならざる声が、身体的な「語り」や「行為」となってよみがえってくる。
まずは編者による冒頭の「性支配のレトリック」だけでも読んで欲しい。いかに「沖縄」がジェンダー表象されていて抑圧されているか、そしてその呪縛を解くためにはジェンダー批評がいかに重要であるかが、身に染みて分かるはずだ。 [評者 稲福恵子 早稲田大学教授]

エンハンスメント論争』 / [公明新聞] 2008/10/20

第II部(「エンハンスメントと生命倫理」)ではこの問題について日本の代表的論者による関連論文がまとまった形で掲載されており、現段階での日本の主だった論点が集約されている。

沖縄に向き合う』 / [琉球新報] 2008/10/19

それにしても、このごろいよいよ痛感するのは、研究には頭脳の回転もさることながら、まず何よりも社会的問題意識、つまり閉塞した思考や現状を打ち破ろうとする意志が要請されるとの一事である。小ざかしさよりも、矛盾に満ち満ちた社会にコミットする度胸と実践力―。
それだけに、この本を読めばわかるが、学問・研究が社会変革とのかかわりで存在するという、古くて新しい問題を、編者や執筆者が執拗に問いかけているのは、やはり一番に目をひく。あえて、いわずもがなの紹介文をしたためたゆえんである。

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沖縄に向き合う』 / [琉球新報] 2008/10/19

「シリーズのねらい」として、巻頭に書かれた藤澤健一の論は沖縄を「観察対象としてではなく」「問いとして捉え直す」ことを強調、「ことばだけが飛び交う空疎なゲームや断片的情報の集積」、「保身のための業績づくり」を越え、「沖縄研究が既存の体制に制度化され無毒化されている事態をどのように変転できるか」という危機意識に立って「問い」に向き合う、とかなりポレミックな提起をしている。

世界への道』 / [出版ニュース 10月下旬号] 2008/10/8

本書は、義足とリハビリという苦難の過程を通してつかんだもの、トレーニングや心構え、日常生活、さらには障害者スポーツの問題点まで、トップアスリートとしての鈴木徹の考え方や発言を追う。

世界への道』 / [Number 2008年10月] 2008/10/8

右足切断の苦難を乗り越え、義足のプロアスリートとなった鈴木徹の人生を追う。北京パラリンピックでは5位入賞。

世界の首都移転』 / [国土交通省 国土計画局 ニューズレター「新時代」 第66号] 2008/10/7

経済のグローバリゼーションが進展する中で、首都は、海外企業誘致の有力な受皿でもあり、地域格差縮小のために企業立地を規制する類の政策は採りにくく、政府機関の再配置が、行政効率化と地方振興を併せて追求する有力な政策手段とされているようにみえる。
グローバリゼーションやIT革命の進展は、様々な経済活動の立地、そして首都の役割に大きな影響をもたらしつつあり、首都機能の配置のあり方をめぐっても、重要な要素となっているといえよう。

沖縄に向き合う』 / [高知新聞、愛媛新聞、中国新聞、山梨日日新聞、日本海新聞、静岡新聞] 2008/10/2

沖縄の現実に根ざすような“知”の営みをどう再構築できるか―。こうしたテーマに基づく論集「沖縄・問いを立てる」シリーズ(社会評論社・全六巻)の刊行が七月から始まった。新城郁夫さんが編集委員に加わり、仲里効さんも貴稿する。
第一巻「沖縄に向き合う まなざしと方法」では、新城さんを含む編集委員五人の座談会を収録。「沖縄学の父」とも呼ばれる民俗学者伊波普猷から、「反復帰論」を展開した新川明、川満進一、岡本恵徳各氏らが果たした役割までを振り返る。そこで重視されるのが、制度的な学問知を相対化する、「反復帰論」のような批評の可能性だ。

沖縄に向き合う』 / [沖縄タイムズ] 2008/9/27

それにしても、このごろいよいよ痛感するのは、研究には頭脳の回転もさることながら、まず何よりも社会的問題意識、つまり閉塞した思考や現状を打ち破ろうとする意志が要請されるとの一事である。小ざかしさよりも、矛盾に満ち満ちた社会にコミットする度胸と実践力―。
それだけに、この本を読めばわかるが、学問・研究が社会変革とのかかわりで存在するという、古くて新しい問題を、編者や執筆者が執拗に問いかけているのは、やはり一番に目をひく。あえて、いわずもがなの紹介文をしたためたゆえんである。

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世界の首都移転』 / [地域開発 Vol.528] 2008/9/8

どのように新首都の位置が選定されたか、どのように計画されたかなど詳しく述べられているが、首都を移転するということがどれほどの議論と労力を必要とするかよく理解できると同時に、東京の首都機能移転の難しさを痛切に感じさせられた。

日米戦争はなぜ勃発したか』 / [出版ニュース] 2008/9/8

近代化と人口増加の関係や、戦前の日本がどれくらい食糧が不足していたか、資本主義の矛盾と戦争に向かう回路は〈人々の生きづらさを冷淡に放置するような病んだ社会〉として過去形ではないと説く。

太宰治はミステリアス』 / [西日本新聞] 2008/8/31

本書は、太宰治作品をあらためて深く読み込むだけではなく、周辺で書かれた文章をも丁寧に検証しながら、作り上げられ固定化してしまった伝説というものを、解きほぐしていく。
まず最初に取り上げられるのは、太宰の死についてである。その死は衝撃的な力を持っていた。これを深く嘆いたのは、井伏鱒二だった。この井伏の嘆きが、独り歩きを始めて、太宰は「ふてくされた女に殺された」という固定した見方を作り上げていく。著者はこれを解きほぐしていく。

超高層ビビル 日本編』 / [日本経済新聞] 2008/8/25

本人インタビュー
超高層の写真集を出版
海外では中国の上海、香港、米ニューヨークで撮影した。現在、世界一高いビルを建設中のドバイにもぜひ出かけたいが、同国では次々に新しいビルが建っているのでタイミングが難しいところだ。
高層ビルを片っ端から撮っているが、どちらかというとオフィスビルよりマンションが好きだ。同じ高さでお階数が増えることと、そこでの生活を空想するのが好きだからだ。私は現在東京・江戸川区の二十七階建てマンションの高層階に暮らしているが、西側数㌔先に東京スカイツリーの建設が始まった。徐々に伸びていく様子を見るのが今から楽しみだ。
おおむね百㍍以上のビル九百二十一棟収録した写真集『超高層ビビル』(社会評論社)を最近、出版した。今後は建築基準法で超高層建築物とされる六十㍍以上の全国のビルを制覇したいと考えている。

太宰治はミステリアス』 / [東京新聞] 2008/8/17

数々の作品への解釈、心中相手・山崎富栄の日記解析、関係者の証言や意義を通じて、作品と作家の実相をさぐる。

太宰治はミステリアス』 / [北海道新聞] 2008/8/17

井伏は、太宰の師であるということになっているが、その書き残したものを見ると、師であるという以上に友情という感情が深く働いている。友情から出た嘆きの言葉を事実と混同したところに伝説が生まれる余地があったのだ。と同時に、太宰自身が、読者の期待に応えてしまう性質を持っていたことも解き明かされていく。
そのようにして読み解かれた太宰論は素直に作品を読む現在の読者の生きた感想にもっとも近いものになっている。

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トヨタ・イン・フィリピン』 / [労働情報] 2008/8/15

本書は、フィリピントヨタ社における労働争議を綴った闘いの記録である。この争議がフィリピン国内における労働者と、資本や政府とのあいだの対峙を越えて、日比の労働者・市民との連帯、そして世界各地の労働者が連帯の取り組みを行うというグローバルに展開していったプロセスが克明に記されている。

超高層ビビル 日本編』 / [散歩の達人 2008年8 No.149] 2008/8/8

高さ100m以上の竣工済みビルはほぼ網羅してある。いずれも、子どもの頃から超高層ビル好きだった著者が、自ら出かけて撮影したもの。青空をバックにしたビルの姿は、勇壮で美しい。ふだん車窓から眺めていたあのビルの名前もわかるかも。

方言札』 / [インパクション166] 2008/8/8

他方で、第四巻の『方言札―ことばと身体』の、奇妙な(非)同居状態もまた、別様の感受性から興味深い。この巻では、「方言札」や「国語教育」など「異化」と「同化」の問題が一つの軸となるが、そこで、「復帰運動」の担い手となった沖縄教職員の(最)評価をめぐって、仲里効と戸邉秀明の論考が対照をなす一方で、「公開音楽会」をめぐる音楽論もはいっている。また、「沖縄」と「日本」のはざまで「選択の困難さと意味を考えさせる」伊佐由貴の「沖縄移民」をめぐる本巻の論考は、ひとつの「沖縄」といってしまった途端にこぼれおちる者らの生の軌跡に肉薄し、沖縄固有の歴史にこだわりながら、ひとつの「沖縄」からこぼれおちる者たちと、そして、他の抑圧を被る者たちと出会う回路へ開いていくものとして読むことができ、印象的だった。

日米戦争はなぜ勃発したか』 / [東京新聞] 2008/8/3

太平洋戦争の原因を当時の国民の貧困や格差の問題から解明した。

超高層ビビル 日本編』 / [PC Fan] 2008/8/1

巨大建築物フリークのためのありそうでなかったビル図鑑
東京JAPの『摩天楼ブルース』がスマッシュヒットを飛ばしていたころ、超高層ビルは新宿副都心くらいにしか連なっていなかった。だが、現在はどうであろう。見上げればそこここに超高層ビル。高さ100mを越えるビルでも、都市部ならいたるところにゴロゴロしている。いったい、どれほどの数にのぼるのか?そんな疑問に答えてくれるのが本書だ。

多磨全生園・〈ふるさと〉の森』 / [朝日新聞 東京版] 2008/7/31

東村山市の国立ハンセン病療養所「多磨全生園」の森を入所者たちがいかに大事に育んできたか、その歴史を振り返る証言集が出版された。森の物語という視点で、入所者や職員57人もの言葉を集めた資料は珍しい。ハンセン病問題基本法が6月に成立し、豊かな緑を地域にどう受け継ぐか関心が高まる中、貴重な資料になりそうだ。

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メディア「凶乱(フレンジー)」』 / [世界へ未来へ 9条連ニュース] 2008/7/12

メディアのフレンジー(狂乱)な現状を、「集団的人権侵害取材」と呼び、権力を監視するジャーナリズムをつくりだそうと著者は訴える。メディア発の情報の洪水。その中に生きながら真実を見抜くことが、いかに困難で大切であるかを痛感する。

K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』 / [出版ニュース] 2008/7/8

本書は、ウィットフォーゲルのテキストに内在するマルクスのアジア的視点を導きだしながら、多様な角度で思想的・今日的な意義を考察、「東洋的社会」と「東洋的専制主義」の関係から中国と北朝鮮の現代史と政治過程を照射する。

太宰治はミステリアス』 / [産経新聞] 2008/6/29

吉田さんの著書は、作家論という物語が作られるプロセス自体を偶像破壊的に語ったものといえるだろう。太宰治の「富嶽百景」は芸術的抵抗だった、太宰は山崎富栄に殺されたのだ、等々、太宰治という「物語」のキーとなる神話の形成過程を、吉田さんは執拗かつ饒舌に解きほぐしていく。

超高層ビビル 日本編』 / [Fuji Sankei Business i] 2008/6/23

「高さ」だけでは注目を集めなくなった高層ビル。周囲の景観に配慮しつつ、他のビルに負けまいという競争心を感じ取れ、楽しい写真集だ。

K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』 / [朝日新聞] 2008/6/22

ウィットフォーゲルは晩年も厖大な著作を残したが、すべて未出版にとどまった。本書で、著者は、未公開の文献を渉猟し、その上で、彼の理論をより一貫した説得的なものにしている。さらに、中国と北朝鮮において、「アジア的」なものがどのように復古してきたかを詳細に分析している。これはかつて類のない考察である。また、文化革命後の中国で、ウィットフォーゲルが翻訳され注目を浴びたが、天安門事件以後禁圧され、最近また少しずつ見直しが起こっている、といった経緯が興味深い。”ウィットフォーゲル”は中国という社会の現状を示す指標となっている。 [評者 柄谷行人]

在日朝鮮人の人権と植民地主義』 / [朝鮮新報] 2008/6/14

在日朝鮮人の人権状況が現在どうなっているのか。その法的地位はどう変遷してきたのか、植民地支配下の朝鮮における法制度はどのようなものだったのか。そしてその植民地支配、戦争責任の精算はどのようになっているのか。こういった問題を一冊にまとめた本書は、読者が現在の在日朝鮮人の状況を平面的に見るだけではなく、歴史の縦軸の中に位置づけ把握することを可能にしてくれる。
また内容は「重厚」であるが、在日朝鮮人関連の情報媒体の編集を手がけ、各地を飛び回ってきた著者の筆致はとても読みやすく、統計資料や語句解説も随所に載っており、読むものの理解を自然に深めさせてくれるものとなっている。 [評者 金東鶴・在日本朝鮮人人権協会事務局長]

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都立の逆襲』 / [都政新報] 2008/6/13

取材したインタビューは、『都立の逆襲―進化を遂げる東京都立高校―』(社会評論社)という本にまとめられた。解説は、秋川高校での恩師である小田原榮先生(元都教育庁理事)が書いて下さった。「逆襲」とは強烈だが、わが母校なきあとの都立高校へ向けた燃ゆる想いである。もう一度、高校に行けるとしたら、やはり秋川高校でと、この年(57歳)になって思うからである。

太宰治はミステリアス』 / [東京新聞] 2008/6/12

文芸評論家吉田和明さん(五五)は先月、三冊目の太宰論となる『太宰治はミステリアス』(社会評論社)を刊行した。「太宰の死に顔は微笑んでいた」といった「太宰神話」に疑問を投げ掛け、その実相に迫った。
吉田さんは「作家は生誕百年を超えると評価が動かなくなる。これまでの太宰論を脱構築するには最後のチャンスになると思った。この本にはこれまでとは違う太宰がいるはずだ」と語る。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [朝日新聞] 2008/6/10

戦前日本の東北地方がかかわった「暗部」に、視線が集まっている。鉱山や建設現場での中国人ら外国人に対する強制労働の実態調査が続く一方、過酷な労働や闘争を描いた小林多喜二の小説が現代の若者の共感を呼んでいる。調査や研究をしている人たちは「語り継ぎ、次の世代に知ってもらうことの大切さ」を訴えている。

K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』 / [エコノミスト] 2008/6/10

1957年、梅棹忠夫は「文明の生態史観序説」を発表し、ユーラシアの東西で封建制から高度資本主義への移行が見られるとし、同じ年にウィットフォーゲルは「多中心的で私有財産に基礎をおく産業社会を生み出したのは封建制」なりとして、有名な『オリエンタル・デス歩ティズム(専制)』を著した。ウィットフォーゲルは、戦後は反共的立場のゆえに日本で無視され続けてきたが、近年注目が集まっている。
湯浅赳男著『「東洋的専制主義」論の今日性』(新評論、3465円)は、ウィットフォーゲルのいわゆる”水の理論”を分かりやすく解説し、梅棹生態史観と併せて画期性を強調したもの。石井知章著『k・Aウィットフォーゲルの東洋的社会論』(社会評論社、2940円)は湯浅とは立場を異にするが、オリエンタリズム批判の視点から、マルクスを含めて水の理論の意義を考察する。いずれにせよ、読者は『オリエンタル・ディアスポティズム』を読まれたいが、忘れ去られた重要書が再び注目されていることは、評者として感慨無量のものがある。 [評者 今谷明 都留文化大学学長]

トヨタ・イン・フィリピン』 / [社会新報] 2008/6/8

争議が始まってすぐ政治的な色合いが強まった。トヨタなど現地に進出している日本企業が、フィリピン政府に争議を解決しなければ撤退すると圧力をかけたからだ。
自分たちの思いどおりにしたい多国籍企業と、その意を受けた形でしか対応しない現地政府。しかし労働基本権は認められねばならない。組合側の主張に沿ったILO(国際労働機関)勧告が出され、国際労働団体であるIMF(国際金属労働組合連盟)も動き出した。

超高層ビビル 日本編』 / [月刊マンション通信ウェンディ235号] 2008/6/8

著者インタビュー
そして、国内ばかりではなく海外の超高層ビルも撮りに行くつもりである。世界では東京タワーよりもはるかに高い超高層ビルが競い合うように何棟も建設されている。地震対策、土地の値段、人件費、法律などさまざまな要因があるので単純比較をしてはいけないのだが、日本ではありえないデザインや高さの超高層ビルを見るのは刺激的である。
超高層ビルに拒否反応を示す人が結構いるのだが、こうして国内外の超高層ビルを紹介することにより超高層ビルの魅力を広げ、そして少しでも超高層ビルに興味を抱く人が増えてくれればなと思っている。

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世界の首都移転』 / [土木学誌] 2008/6/8

黒川紀章がデザインしたナイジェリアのアブジャ、カザフスタンのアスタナなど、古今東西の遷都の謎に迫る。

トヨタ・イン・フィリピン』 / [インパクション165] 2008/6/8

フィリピントヨタ争議は、まだ規模としては小さいかもしれない。だが、それは企業のグローバルな支配秩序とはまったく別の労働者の世界があることを示している。ゼネストはすでにはじまっている。古くて新しい、ゼネストという希望の理念を思い起こさせてくれる好書として、わたしはぜひ本書の一読をお薦めしたい。

ファーストフードマニア』 / [たのやく] 2008/6/8

躍進目覚ましい中国、そしてもうすぐ北京オリンピック!そして何だかいつの間にか毒餃子はうやむやになってしまった……。そして実は中国は食べ物・食品だけでなく、食べ物を売っている店自体がそのまま毒々しく、また偽装っぽく、そしてマヌケだったのだ!マクドナルド+ケンタッキー=マクタッキーはもちろん、吉田屋の牛丼、中国流スマイルの客に対する怒鳴りつけ、全くワケが分からないものが乗っかってる回転寿司など中華圏のヘンな外食チェーンを一大暴露!

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [日本と中国] 2008/6/5

戦争末期、日本政府は約4万人の中国人を日本に強制連行した。花岡ではその内986人を使役した。食事はにぎりこぶしほどの大きさの、木の皮が混じったような饅頭がひとつずつ。
住居環境もひどかった。強制連行された人たちの過酷な暮らしぶりが随所にうかがえる。非人道的なひどい扱いを読むと、まだ戦争責任に決着がついていないことを考えさせられる。

コミュニタリアン・マルクス』 / [図書新聞] 2008/5/24

コミュニタリアンとしての著者は、すでに大著『コミュニタリアニズムへ』を世に問うており、本書はそれを敷衍したという趣をもつ。しかし、あらためて本書を梓に上せたのは、方法論的個人主義の瀰漫に対する危機意識があったからと見られる。新古典派や新制度学派が依拠する、なにものも前提しない「自由な主体」を分析的マルクス主義のみならず宇野学派の主潮流までもが自明視する状況を告発しようという強い意志といってよい。「自由な主体」を「負荷なき自我」と喝破したものこそコミュニタリアニズムではなかったか、という自負がのぞく。

多磨全生園・〈ふるさと〉の森』 / [毎日新聞] 2008/5/22

全生園の看護師や職員にも森をめぐる思い出を聞き取った結果、「森は入所者たちの生きた証し」と考えた。
聞き取りの記録は計57人分が収録され、入所者は半数が実名掲載に応じた。
それまでハンセン病患者といえば、裁判で戦う原告団のイメージが強かったが、全生園で触れ合ううちに、「何とか平穏な暮らしをしようと努力していた」と印象も変わった。

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世界の首都移転』 / [日本経済新聞] 2008/5/11

興味深いのはブラジルの人工首都、ブラジリアの功罪を論じた部分だ。章を一つ費やし、整備された道路網と話題性に富んだ建築群を持つ壮大な未来都市の現状をバランス良く分析する。予期せぬ渋滞など問題点の指摘からは、都市という生き物を設計する難しさが浮かび上がる。
著者は国立国会図書館に勤務する調査のプロ。国会での首都機能移転論議のため海外の実情を調べた成果が本書の下敷きになっている。日本の首都移転の歴史、国会での審議の経緯なども最終章にまとめてあり、役立つ。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [東京新聞] 2008/5/9

著者は四十五年前、二十七歳のときから地元のひとたちの聞き書きをはじめ、中国に渡って生存者と会い、この事件の真相を明らかにしてきた。ここに記録されているのは、目を覆いたくなるような残酷な事実で、日本人が侵略した中国本土でやっていたことが、この内地でもおこなわれいたことを示している。
「うさぎ狩り」といわれた、中国の故郷と家庭を破壊した強制連行の事実は、朝鮮・韓国でもおこなわれていたのだが、読みすすむと、圧倒的な事実の前で粛然とさせられる。と同時に著者が、うまずたゆまず、ゆっくりとした足どりで、故郷と中国の山道を歩きながら、埋もれかかった歴史の惨事を掘り出してきた営みに畏敬の念を覚える。日中両国の間に立つ、輝かしい紙碑といえる。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [朝鮮新報] 2008/5/9

野添憲治さんの著作集刊行完結記念シンポ
本紙に朝鮮人強制連行の実態を告発する「遺骨は叫ぶ」を執筆中の作家・野添憲治さんの著作集「シリーズ花岡事件の人たち―中国人強制連行の記録」(全4巻、社会評論社)の刊行完結を記念するシンポ「大東亜戦争から何を学ぶか」が4月19日、東京・千代田区の明治大学駿河台キャンパスで開かれ、役150人が参加した。
著作集は「花岡事件」(75年)など著書6冊と資料を基に構成。昨年12月から今月にかけて「強制連行」「放棄前後」「花岡鉱山」「戦争責任」の順で刊行された。

ジェームス三木のドラマと人生』 / [出版ニュース2008年5月中・下] 2008/5/8

脚本家・ジェームス三木がドラマとは、人生のツボとは何かを伝授する。自分史振り返り、脚本家として職人となるまで、俳優・スター論、テレビ・メディア論、美しい女性のための考察など、豊富な経験と洞察を軽妙なスタイルで。

多磨全生園・〈ふるさと〉の森』 / [インパクション165] 2008/5/8

本書は、まず著者が、森のたどった経緯を概説し、次に入所者による詞、俳句、短歌に込められた森への思いが紹介されている。さらに後半部は入所者や職員など計五〇人以上にわたる聞き書きで構成され、さながら多声による立体的な叙事詩が浮き上がってくるかのようだ。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [図書新聞] 2008/4/26

地元で事件の掘り起こしを続ける難しさのなかからしか、解決の道は見いだせない。しかし、いったい事件の「解決」とは何なのか。和解といっても、いったい何の「和解」なのか。法的責任と道義的責任の別云々の議論の先には、もはや道はない。その地平を越えて、追及されねばならないものがある。簡単に〈闇〉というにはあまり暗い、「残酷を娯楽とし、他人の苦痛を見せ物として慰安」とする現代の人間の罪深さとの闘い―。半生をかけて紡がれた本シリーズは、そのことを伝えている。

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シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [毎日新聞秋田版] 2008/4/21

野添さんは「強制連行の現場から考える」と題し講演。取材した警察史や市町村の史書には強制労働の実態が十分記されていないことなどを挙げ、「強制連行は今でも精算・整理されておらず、このままではうずもれてしまう」と指摘した。このほか、中国で関係者に取材した野田正彰・関西学院大学教授らも講演した。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [秋田魁新報] 2008/4/20

野添さんは二〇〇一年以降、中国人が戦時中に強制連行された国内百三十五カ所のうち、百九カ所を訪ね歩いた。各地の警察史をはじめ、市町村史の強制連行に関する記述を調べてきたとした上で、「警察史は内容がずさん。相当間違っている。市町村史は、まったく書いていないのが約六割。書いていても、連行された人数や死者数が違っていた」と指摘、「こうした大変な本が後世に伝えられると思うと、恐ろしい」と述べた。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [毎日新聞] 2008/4/20

「強制連行の現場から考える」と題した講演で野添さんは、全国135カ所ある、中国人労働者が強制連行された企業の事業所跡のうち109カ所を取材した体験を語り、「各地で強制労働があったことが市町村史に記録されていなかったり、教育現場で子どもたちに教えられていない。このまま強制連行の過去が清算されないままうずもれてしまうのではないかと感じている」などと述べた。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [北鹿新聞] 2008/4/18

また、侵略戦争の告発と、日中国交回復・友好を願って集団創作された木刻連三環画集「花岡ものがたり」の版木発見や、創作者の1人、牧大介(本名・下村信一)氏のことも記録されている。
「花岡ものがたり」は、侵略戦争の告発と日中国交回復・友好をねがって作られた版画集。中国でも出版され、高く評価されたが、なぞに包まれた部分も多かった。
牧大介氏は1920年、毛馬内町(現鹿角市)生まれ。旧制大館中に進学。花岡鉱山直営劇場、共楽館(のちに花岡事件で、捕らわれた中国人に対する拷問の場となる)に住んで苦学した。
卒業後、日製日立工場に勤務し、美術団体でも活動。1950年、日立争議で失職。そのころから中国美術の1分野、木刻連環に取り組んだ。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [秋田魁新報] 2008/4/13

事件をなきものにしようとする圧力の高まりや、多くの日本人の当事者意識の薄さに懸念を示している。
筆者は一九三五年生まれ。木材業界紙記者、ラジオキャスターなどを経て著述活動に入った。著書はほかに「開拓農民の記録」「塩っぱい河をわたる」など。

浮世絵のなかの江戸玩具』 / [おもちゃと遊びNo.25] 2008/4/10

江戸時代後半、疱瘡よけの手遊び(玩具)として、だるまとともに愛され、今ではすっかり忘れられてしまった張子のみみずくの出来自来歴について、歌川国芳をはじめ、幕末の浮世絵師が描く数々の浮世絵や、同時期の文献類を読み込むことを通して生き生きと描き出す見事な論考です。

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シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [毎日新聞秋田版2008年4月8日] 2008/4/8

戦時中の1945年、旧鹿島組花岡出張所(大館市花岡町)で中国人労働者が過酷な強制労働に耐えかねて蜂起、100人以上が犠牲となった花岡事件。この事件を長年追い続けてきた能代市在住ルポライター、野添憲治さんの著作集「花岡事件の人たち―中国人強制連行の記録」(全4巻、社会評論社)の刊行が完結し、記念のシンポジウムが今月19日、東京都千代田区の明治大駿河台キャンパスである。

浮世絵のなかの江戸玩具』 / [全日本だるま研究会] 2008/4/8

60点余の浮世絵から、だるまとみみずくの起き上がりの関わり、疱瘡除けの役割、だるま誕生から今のだるままで解き明かす書。

コーラ白書』 / [Tanoyaku 2008年4月 Vol48] 2008/4/8

コーラと言えばコカコロナイゼーションと言われ、グローバライゼーションの槍玉に挙げられますが、反米イスラム主義者によるメッカコーラなる物もあで登場する始末。単純にコカコーラによって独占支配されたという訳ではありません。むしろ各国の流行に敏感な若者に受け入れられる様、その国独自の仕様に奮闘された形跡が露骨に表れています。悪フザケが昂じてしまって笑える試験販売コーラもあります。

コーラ白書』 / [POPEYE2008年4月号] 2008/4/8

輪郭を持たざるカオスな飲み物、コーラ。その独自性はパッケージデザインにも表れており、ときには社会情勢をも反映してきた。ゲバラがコーラとなった驚きの「BRAINWASH COLA」。対するアメリカでは、政権交代でホワイトハウス内自販機のコカ・コーラとペプシが総入れ替えするとの噂があり、ホワイトハウスと民主党、共和党に照会したが、回答は得られなかった。「CLINTON COLA」で見事当選したクリントンが入れ替えを実行したのかは不明だが、来年あたりにオバマ・コーラなんて出るかも? コカ・コーラの赤とマッチする中国からは「可口可楽草味」がエントリー。実はこれ、バニラ味。ちなみにパクチーは香菜と書く。

アーサー・シイク 義憤のユダヤ絵師』 / [図書館] 2008/3/22

執拗に向けられるヒトラーとナチスの面々に対する指弾の筆跡は、やがて日本の指導者へとも向けられる。特に昭和天皇への容赦ない鉄槌は、日本人なら誰しもがあっと驚き息をのむほどだ。「こんな絵があったのか」と著者をして驚嘆せしめたのは、白馬にまたがり血をしたたらせながら軍刀を抜いて進む不気味な姿だ。腰にはヒトラーの一味ということを示す為に鍵十字の勲章をぶら下げている。タイトルは「天の子(ヒロヒト天皇)」。戦時中多くの少年と同じく「軍国少年」だった著者にとって、「現人神」への宣戦布告にも似た劇画化は衝撃的だったという。ヒトラーと二人で沈み行くマストにすがっている絵もあれば、スカンクの剥製を指揮棒に胴体が地球の格好をした馬にまたがった姿もある。地球にまたがった天皇の風刺画の題は、「ヒロヒトラー 世界最初の支配者たらん」である。一九七五年の昭和天皇訪米のあと、ニューヨーク・マンハッタンの老舗画廊でシイクの作品「天の子」と出会った著者は、このような絵を描いた画家はどんな人物なのか、どのような生涯を送ったのか、他にどのような作品を描いたのか、調べ始める。その旅は、シイクの母国・ポーランドから二十世紀の戦争の歴史へと広がっていく。絵の凄みにもまして画家の人生そのものが、壮絶なのである。 [評者 鈴木義昭]

ファーストフードマニア』 / [読売ウィークリー] 2008/3/16

15年以上前、台湾の高雄で麥當勞(マクドナルド)に入った。店内に滑り台やジャングルジムが置かれていた。今日では日本の郊外店でも珍しくないが、当時、私は初めて見た光景に圧倒された。味は日本に比べて大差なかったが、「国が違えば店舗スタイルも違うんだな」と教えられた、と覚えている。
世界各国のファーストフード店を紹介するという壮大な企画で、Vol7まで刊行予定だ。第1巻は中国、台湾、香港が舞台。各国の状況に詳しい3人のライターが、それぞれ担当。飲み、食い、そして、店舗の内外装、店員、メニュー、店内の雰囲気などの写真を紹介する。「よくここまで撮影できたな」と思いたくなるが、そこは一苦労あったようだ。もっとも、取材許可を本社に申請しても、実現するわけもない。なにせ本書の意図は、冷やかし半分のノリ。日本の店、ライバル店との味やサービスの比較など粗探しも容赦ない。
日本で馴染みの店もあれば、「こんな店もあるのか」と楽しめる。旅行やビジネスで訪れる際、実に役立つ。甘くないソフトドリンクはまず存在しない、という各国共通のスタイルを知るだけでも大きい。 [評者 ノンフィクション作家・小林照幸]

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シリーズ・花岡事件の人たち 第三集 花岡鉱山』 / [北羽新報] 2008/3/16

また、「二〇人の証言」では、当時の鹿島組職員や消防団として山狩りに参加した住民の声、引き揚げ女性が見た中国人の悲惨な状況などが生々しい言葉で語られているほか、巻頭には写真や連載紙、中国人虐待を描いた判図ノート「秋田物」も掲載されている。

都立の逆襲』 / [月刊国語教育] 2008/3/8

改編の効果は、周囲の評判よりも早く表れてきた。「進学指導重点校」七校の指定や、「進学重視型単位制高校」三校の創設などで都立上位校が活性化、ひくずられるように都立高校全体の大学合格実績も大きく上昇した。そして二〇〇七年、進学指導重点校を追随する学校として「進学指導特別推進校」五校。「進学指導推進校」十一校が指定され、さらに勢いづいている。これらの都立高校改革の実態と実績、そして展望は?
本書は、それをデータ分析中心にまとめた第一章「都立高校の改革と発展」。そして、進学指導重点校(日比谷、戸山、西、八王子東、青山、立川、国立)、進学重視型単位制高校(国分寺、新宿、隅田川)計十校の校長に、その理念と実践をインタビュー取材して、「都立の逆襲」の実態を浮き彫りにした第二章「校長先生に聞く」の全二章からなる。
都立高校の現在がよくわかる一冊。

ファーストフードマニア』 / [日経デザイン] 2008/3/8

世界のファーストフードチェーンを紹介するシリーズの第一弾として、中国・台湾・香港を取り上げている。
メニューの不思議さや類似や模倣の大胆さなどに話の中心が置かれ、デザインに重きをおいたものではないものの、中国(語圏)市場におけるチェーンが、どう広がり、どんなものが人気を得るのか、背景を知るには格好の資料となるだろう。
台湾や香港は日本に近い感覚があるが、マクドナルド(麦当労)とケンタッキー(麦肯基)を生みだしてしまう中国本とを理解するには、まだまだ時間がかかりそうだ。

ファーストフードマニア』 / [チャモーレ] 2008/3/8

中華圏に店舗を構えるファーストフード店や外食チェーンを徹底調査。著者自らがその店に行き、食べ、調べているだけにその詳細な描写は読み応え満点だ。

「WTCビル崩壊」の徹底究明』 / [週刊金曜日] 2008/3/7

あの「9.11」事件の象徴とも言うべき、世界貿易センタービルの崩壊。だが当時のビルの映像と写真が示すのは、「ハイジャック機の衝突で火災が発生し崩壊した」という米国政府が流した俗説の誤りだ。

アーサー・シイク 義憤のユダヤ絵師』 / [信濃毎日新聞] 2008/3/2

約三十年前、マンハッタンの画廊で偶然シイクの絵と出合った著者は、絵筆で闘いを挑んだ知られざる画家の足跡をたどる。日本人を戯画化したイラストは刺激が強いが、戦争が遠くなった今、その毒とユーモアを直視する意義は小さくない。

[図書館2008年3月22日]評者:鈴木義昭
執拗に向けられるヒトラーとナチスの面々に対する指弾の筆跡は、やがて日本の指導者へとも向けられる。特に昭和天皇への容赦ない鉄槌は、日本人なら誰しもがあっと驚き息をのむほどだ。「こんな絵があったのか」と著者をして驚嘆せしめたのは、白馬にまたがり血をしたたらせながら軍刀を抜いて進む不気味な姿だ。腰にはヒトラーの一味ということを示す為に鍵十字の勲章をぶら下げている。タイトルは「天の子(ヒロヒト天皇)」。戦時中多くの少年と同じく「軍国少年」だった著者にとって、「現人神」への宣戦布告にも似た劇画化は衝撃的だったという。ヒトラーと二人で沈み行くマストにすがっている絵もあれば、スカンクの剥製を指揮棒に胴体が地球の格好をした馬にまたがった姿もある。地球にまたがった天皇の風刺画の題は、「ヒロヒトラー 世界最初の支配者たらん」である。一九七五年の昭和天皇訪米のあと、ニューヨーク・マンハッタンの老舗画廊でシイクの作品「天の子」と出会った著者は、このような絵を描いた画家はどんな人物なのか、どのような生涯を送ったのか、他にどのような作品を描いたのか、調べ始める。その旅は、シイクの母国・ポーランドから二十世紀の戦争の歴史へと広がっていく。絵の凄みにもまして画家の人生そのものが、壮絶なのである。

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ファーストフードマニア』 / [東京カレンダーモバイル] 2008/3/1

大好きなファーストフード店が、アジアのお店はこうなっているという、カタログのような一冊です。
最初のページから笑わせてくれます。マクドナルド+ケンタッキーが合体してマクタッキー!?なんて、著者も凄いこと書いています。マスコットキャラクターもチキンで、どこから引っ張ってきたの?と思わせる人形が、お店の前に立ってます。牛丼の「吉田屋」」MOS BURGERの「S」が白抜きのモスバーガーもどきなどなど。面白くて笑っちゃうお店が、わんさか載っております。
アジア旅行する方は、ガイド本のひとつとして持っていってもいいかも……。 [評者 オリオン書房ノルテ店販売担当:渋谷正一]

ファーストフードマニア』 / [週間アスキー] 2008/2/26

マクドナルドとケンタッキーを足して2で割ったようなパチもの店、本社が撤退しているのに店舗だけ営業を続けているモスバーガー。ファーストフードからアジア各国のお国柄が見える。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [北羽新報] 2008/2/24

衝撃を受けたのは、日朝の人達の「秋田県朝鮮人強制連行真相調査団」が、国や県が自ら処分してしまった資料の残り滓から事実を丁寧に、かつ、公平に掘り出したことである。それと、鉱山で働いていた当の朝鮮人の人人の、淡淡とした語りを聞き書きで記録したことである。そこには人道をあまりにかけ離れた日本人による支配の凄みや、落磐、飢え、病、死と、目を背けたら、歴史の真実が消滅してしまうことへの真摯な態度がこもっている。

アーサー・シイク 義憤のユダヤ絵師』 / [週間エコノミスト] 2008/2/19

日米関係史研究の先達、袖井林二郎の『アーサー・シイク 義憤のユダヤ絵師』(社会評論社、2625円)は、忘れられた第2次世界大戦記、連合国側の対日風刺画を収集し、正面から向き合う。ポーランド出身のユダヤ人画家が、亡命先の英米で細密画芸術から風刺画へ移ったのは、ナチスのホロコースト告発のためだった。ヒトラー、ムッソリーニと並んで日本の昭和天皇が軍人がどう描かれたかを100枚以上の漫画を発掘し、強烈に示す。

ファーストフードマニア』 / [イザ!] 2008/2/18

外国に進出した場合は、現地の消費者に合わせた工夫も求められる。特に中国や台湾など、外食が大きく発展し、かつ、長い伝統に裏打ちされた食文化があるような地域では、現地に合わせた修正が欠かせない。
本書は、そんなファストフードチェーンが、中国や台湾でいかに現地化しているのかを知る第一級の資料といえる。
と同時に、似て非なる中国発祥のチェーンなども満載。ビジネスやオリンピック観戦で中国のファストフードを利用する可能性がある人には、ガイドとしても役立ちそうだ。

アーサー・シイク 義憤のユダヤ絵師』 / [福島民友] 2008/2/17

約30年前、マンハッタンの画廊で偶然シイクの絵と出会った筆者は、絵筆で闘いを挑んだ知られざる画家の足跡をたどる。

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シリーズ・花岡事件の人たち 第二集 蜂起前後』 / [熊本日日新聞] 2008/2/17

一冊の本が絶版を繰り返しながら、三十年以上を経て再度出版される。これは奇跡と言える。野添さんが花岡鉱山に初めて調査にいったのは、最初の出版に先立つ十数年前、一九六二年のことだという。実に半世紀、二十七歳の時から今に到まで花岡事件と共に歩んでいる。本書も野添さんの情熱と出版社の使命感に支えられて、三十年を超える生命を保ってきたのである。しかも、その生命は発表当時と変わらず、悲しみと怒り、深い共感と反省に満ちて、瑞々しい。その後、花岡事件関連書は多数公表されているが、訴えてくる力において今なお『花岡事件の人たち』を超えるものはない、と思う。

靖国の闇にようこそ』 / [婦人新報2008年2月号] 2008/2/8

よくここまで詳しく、判りやすく、靖国神社の過去・現在、さらに遊就館の見方についてのガイドをしています。もし、この本一冊を読みつつ靖国神社を訪ねれば、日本の現代史の闇の森の中に無自覚に迷い込みがちな私たちをガイドしてくれ、私たちの立つ場を自覚させてくれる。

アーサー・シイク 義憤のユダヤ絵師』 / [出版ニュース] 2008/2/8

本書は、シイクに惹かれて30年余の著者による日本で初めての研究・紹介書、伝記であり、カラー作品多数を含む画集でもある。国際的評価が再び高いこの特異な画家の内面とその時代背景を情熱込めて分析し、いっきに読ませる労作 [評者 作家 小野耕世]

メディア「凶乱(フレンジー)」』 / [出版ニュース] 2008/2/8

メディアによるスクラムとは本来は「人民の権益」を守るために取材記者が団結して権力に立ち向かう姿を表現する肯定的な言葉で、日本での市民への集団的取材は「狂乱・凶暴」という意味の「フレンジー」が適しているという。そして、その狂乱報道の例として光市事件におけるメディアの弁護士攻撃、秋田・男児殺害事件における加熱取材、朝鮮敵視報道等をあげ、マスコミの「犯人は誰か」という取材が冤罪を生むのだと厳しく批判している。

シリーズ・花岡事件の人たち 第二集 蜂起前後』 / [北鹿新聞] 2008/2/3

表題の蜂起前後だけでなく、それぞれの主人公の生い立ちから強制連行、帰国後の後半生までの極めて長い時間を記述。ほとんど伝記に近いが、日本政府や企業の責任を追及しているのが単なる伝記との違い。

アーサー・シイク 義憤のユダヤ絵師』 / [読売新聞] 2008/1/27

枢軸国三人組の中で昭和天皇は最も個性を欠いているが故に、からかいの対象として生き生きもする。「ヒロヒトラー 世界の最初の支配者たらん」とのキャプションが付いた、地球儀の馬にまたがって剥製のスカンクを指揮棒に持つ姿などは、シイクの面目躍如であろう。

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ファーストフードマニア』 / [サーチナ・中国情報局] 2008/1/21

世界でもっとも権威あるグルメガイドの『MICHELIN GUIDE』の東京版とほぼ同時期に発売されたのがこの本。収録されているのは中国・台湾・香港に店舗を構えるファーストフード店の食べ歩きガイドで、取材対象は中国に進出したマクドナルドやケンタッキーなどを筆頭に、日本陣営では牛丼の吉野家をはじめ大手の回転寿司チェーンやドーナツ店が紹介され、間違ってもミシュランの調査員が訪れることのないジャンクフード店がならぶ。
特筆すべきは、これらの本家を模倣した現地企業が多数紹介されていることだ。巻頭のグラビアページではマクドナルド+ケンタッキーでマクタッキーなる店舗を紹介。店名から想像できるように、ここのメニューはあちこちのファーストフードチェーンの寄せ集め。お味の方はどうかと言えば、やはり……。続く紹介には、元禄寿司⇒元緑寿司、吉野家⇒吉田屋、Subway⇒Subberと、スゴイ店舗がならぶ。

ファーストフードマニア』 / [日刊サイゾー] 2008/1/17

昨年、偽ディズニーランドとして世界中にそのニュースが配信された中国の「北京石景山游来園」。作りの稚拙なミッキーやドナルドなどのキャラクターたちは世界中から失笑と反感を買った。これに限らず、アジア全土には偽物やパクリが横行しているのは、もはや周知の事実。
このたび、そんな本物、偽物を含む中国、台湾、香港のファーストフード店を、紹介した『ファーストフードマニア』(社会評論社/1890円・税込)なる本が発売された。
本の中には、マクドナルドとケンタッキーフライドチキンを掛け合わせた「マッコンキー」や、牛丼の吉野家そっくりな「吉田屋」、スターバックス風のロゴの「e COFFEE」などなど、本物と間違えて入ってしまいそうなお店がいくつも紹介されている。

コーラ白書』 / [日本経済新聞] 2008/1/14

コーラの面白さは各国の文化を映すところにある。パキスタンやアラブ首長国連邦(UAE)などで買える「メッカ・コーラ」は反米感情の高まりを背景に生まれたイスラム系コーラだ。販売元はチュニジア系実業家の会社。利益の二〇%をイスラム圏とアラブ圏に還元する「チャリティーシステム」をとっている。
反米ならコーラを飲まなければいい気もするが、意外にシリアやレバノンといった国々にも浸透している。コーラ文化は政治や宗教の違いをも越えるということか。
昨年、日本を抜いて世界第四位のコカ・コーラ消費国となった中国。中華民国時代の二〇年代にコカ・コーラが進出し、中華人民共和国成立時に撤退。七九年の米中和解を機に再上陸、と政治状況に左右された歴史がある。最近は純国産コーラに力を入れ「非常可楽」はさっぱりとしたいい味わいだ。

アーサー・シイク 義憤のユダヤ絵師』 / [雑誌『社会評論』2008冬] 2008/1/8

ナチス・ドイツによるヨーロッパのユダヤ人弾圧・追放・抹殺。これがポーランド生まれのアーサー・シイクの運命を変えた。一九三八年、ドイツがポーランドに侵攻し第二次世界大戦が始まる。シイクはアメリカに亡命し、風刺画によって、まだ参戦していなかったアメリカの世論を動かそうと努力を始める。その間、ユダヤ人の大量虐殺(六〇〇万人に達することになる)を耳にし、その中に自分の母や兄も含まれていたことを知る。祖国ポーランドだけでなく、肉親までもナチス・ドイツに奪われた憎しみ。これこそが、彼の、風刺画を描く最大の原動力になっていくのである。ナチスが憎ければ、その同盟国であるイタリアも日本も同列である。彼の攻撃の対象は、ヒトラーであり、ムッソリーニであり、天皇であった。かくして多数の天皇風刺画が描かれた。

シリーズ・花岡事件の人たち 第一集 強制連行』 / [出版ニュース] 2008/1/8

著者は花岡事件の取材を続けて45年になるという。その原点は著者もこの事件に加担したという自覚からであった。当時国民学校5年生の時、〈戦争末期にわたしの村に来た二人の中国人は、花岡事件で逃げた人たちだと気がついた。先生に引率されて行ったとはいえ、その二人にツバを吐きつけ、砂をなげたうえで何度も罵声を叫んだのだ―〉