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書評


2009年

企業の戦争責任』 / [北羽新報] 2009/12/15

本書では、各現場ごとに当時の強制連行の実態と終戦から60年以上が経過した現在の状況、そして、地元の人々の複雑な思いなどを報告。花岡事件では企業の戦 争責任が問われることはなかったが、訪ね歩いた全国どこの現場も、まるで何もなかったかのように装っていた。

ニセドイツ1』 / [北海道新聞] 2009/12/13

1990年に消えた社会主義国・東ドイツ=ドイツ民主共和国。「みんなが平等」を目指したその国では、どこか懐かしく、微妙に勘違いした製品が続々と作り出されていた。工業製品や建築物、生活用品、出版物などを陳列した驚きのカタログ本。

ゾルゲ事件の謎を解く』 / [図書新聞] 2009/12/12

白井は、ゾルゲ事件が新しく書き直される時代が来たと述べる。日露歴史研究センターは独自に文献資料を発掘し、旧ソ連やモンゴルでシンポジウムを開催する など、活発な国際研究活動を行っている。ゾルゲ事件は反帝国主義や民族解放をめざす国際共産主義運動の一環だったという位置づけもなされている。白井の『ゾルゲ事件の謎を解く』は、ゾルゲ事件を新たに位置づけ直す土台となる一書 である。

トロツキー暗殺と米ソ情報戦』 / [朝日新聞夕刊文化欄] 2009/12/10

ソ連共産党の権力闘争でスターリンに敗れたトロツキーが、亡命先のメキシコで暗殺されたのは1940年。暗殺の実行犯を獄中から奪還するようにスターリンに命じられ、実行しようとした秘密部隊の様子を追った研究がまとまり、『トロツキー暗殺と米ソ情報戦』(社会評論社)として出版された。

企業の戦争責任』 / [秋田魁新報] 2009/12/9

戦中、中国人が強制連行された135カ所の現場を2001年から足かけ9年訪ね歩いた「慰霊と取材」の旅のルポで、県内の4カ所も紹介。

企業の戦争責任』 / [秋田さきがけ] 2009/12/6

野添さんによると、強制連行された中国人は約3万9千人。約6800人が連行先で亡くなり、うち4千人ほどは遺骨の行方が分からない。朝鮮人については、全部で何人が連行され、亡くなったのかも不明だという。

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アイヌときどき日本人増補改訂版』 / [北海道新聞] 2009/12/6

週刊現代ドキュメント写真大賞を受賞した同名写真集(2001年出版)に、02~08年の作品を加えた一冊だ。パフォーマンスグループ「アイヌ・レブルズ」のエネルギッシュなダンスや、父親と共に伝統の舞いを踊る2歳児らが「次の世代」と題して収められている。

アイヌときどき日本人増補改訂版』 / [北海道新聞] 2009/12/6

アイヌ民族は北海道―と、とらえられがちだが、首都圏にも少なくとも5千人が暮らしているという。千葉県出身の宇井眞紀子さんは、日高管内平取町の二風谷ダム反対運動に関心を持ち、92年から首都圏のアイヌ民族にレンズを向け続けてきた。

長寿 叢書・いのちの民俗学2』 / [出版ニュース 2009年12月号] 2009/12/1

そして第2部の「…民族誌」では生死観や霊魂観を聞き書きによって探り、第3部の「…習俗」では数え55歳で55個の団子を食べる習俗や、葬式に赤飯を使用する例、葬式した人にお金を入れた紅白のポチ袋を長寿銭として配る習俗の意味を考える。

アイヌときどき日本人増補改訂版』 / [クーヨン] 2009/12/1

首都圏に暮らすアイヌの姿が、写真とことばで伝えられる。なかでも胸に迫るのは、若い女性の「私はアイヌなのに、何もしていない。何もできない」のことば。文化を継承していないことを責められるのは、彼女? いや、継承を断絶さえた側だろう。

ニセドイツ1』 / [週刊現代] 2009/11/28

旧共産圏の文物を蒐集したり楽しむことを「共産趣味」という。西側の感覚からはちょっとズレたところが、「かわいい!」なんていわれたりして。伸井太一著『ニセドイツ』〈1 東ドイツ製工業品〉〈2 東ドイツ製生活用品〉も、そうした共産趣味の本。東ドイツのキッチュな工業製品をたくさん紹介している。 [評者 永江朗]

ニセドイツ2』 / [毎日新聞] 2009/11/22

世には、「共産趣味」なる言葉があるらしい。旧共産圏のバッジなどを収集したり、プロパガンダ映画などのキッチュさを楽しむ趣味である。監視国家の重圧を知らない人が、そのただ中にあった生活を消費するのだから、不謹慎な話だ。それでも本書の写真からは、乗用車にあこがれたり、より美しく着飾りたがるような、ごく当たり前の人間の営みがかいま見え、何かほっとする。その営みが、これらの品々の「祖国」を崩壊させたと改めて記憶するためにも、本書の意義はある。

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ニセドイツ1』 / [毎日新聞] 2009/11/22

世には、「共産趣味」なる言葉があるらしい。旧共産圏のバッジなどを収集したり、プロパガンダ映画などのキッチュさを楽しむ趣味である。監視国家の重圧を知らない人が、そのただ中にあった生活を消費するのだから、不謹慎な話だ。それでも本書の写真からは、乗用車にあこがれたり、より美しく着飾りたがるような、ごく当たり前の人間の営みがかいま見え、何かほっとする。その営みが、これらの品々の「祖国」を崩壊させたと改めて記憶するためにも、本書の意義はある。

長寿 叢書・いのちの民俗学2』 / [読売新聞群馬版] 2009/11/19

葬式に赤飯を出す風習を知ったのは、市史編さん室に勤務していた28歳の頃。伊勢崎市の豪農だった旧家が所蔵する史料を調べた際、香典帳に「赤飯」と書かれたものが多く、驚いたことがきっかけで調べ始めた。

ノアの箱船と伝書鳩』 / [出版ニュース 2009/11月中旬号] 2009/11/15

聖書「創世記」には、紀元前2348年の大洪水でアララト山に漂着したノアの箱船から放たれた鳩がオリーブの葉をくわえてもどり、水が引き始めたことを知らせたとあるが、この鳩はいったいどこからオリーブの葉をくわえてきたのだろうか。本書は、この「創世記」最大の謎を、鳩にかんする科学的知識をもって解き明かそうとする。

いんちきおもちゃ大図鑑』 / [日刊サイゾー] 2009/11/12

そのアジアに潜む、本場モンのコレジャナイロボを思う存分堪能できるのが、『いんちきおもちゃ大図鑑』である。本書には、和製コレジャナイロボがどこかに置き忘れてしまった、何とも言えないいかがわしさと天然のユルさに満ち満ちた「いんちきおもちゃ」がてんこ盛りだ。

アイヌときどき日本人増補改訂版』 / [AERA] 2009/11/9

彼らのなかには、差別への懸念などからアイヌ民族を意識しない生活を送る人がいる一方、独自の祭事や食文化、音楽や踊りなどの伝承と紹介に努め、差別解消や生活改善、先住権を訴えて活動する人も少なくない。そんな、自らの民族を誇りに思う「首都圏アイヌ」たちの姿を、1992年から17年にわたって記録した写真集。

長寿 叢書・いのちの民俗学2』 / [上毛新聞] 2009/11/8

人がこの世に生まれてから死ぬまでにさまざまな節目があり、慶事や弔事に合わせた儀礼や習わしが行われてきた。それぞれの行事には、一つ一つ意味があり、多くの思いが込められている。主に県内で聞き取りした長寿や誕生、死に関する数々の伝承などを紹介し、その意義に迫っている。

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ニセドイツ1』 / [日独機関誌Die Brücke 2009/11月号] 2009/11/1

「ニセドイツ」という書名には多少の説明が必要だろう。「贋物」ではない「似せ」と「西ドイツ」の「にし」を合成した造語で、「東ドイツ製品の“妖しい” 雰囲気を強調する効果を狙った」と筆者はあとがきに記している。

中略

ノスタルジーを喚起するトリビアルな商品カタログを装いながら、筆者はこれらの品々から独特の「匂い」を嗅ぎ取り、共産主義・社会主義システムの脆弱性と “いかがわしさ”を白日の下に晒していく。ユーモラスな筆致はむしろ冷徹でシニカルだ。

日録・大杉栄伝』 / [新潟日報] 2009/11/1

大杉の実像を彫像するために、多面的に照射されているだけではない、同時代の無政府主義社などの革命家、小説家や画家やジャーナリストたちとの交流の記録によって、「冬の時代」における知識人たちの動静もまた、よく見えてくる。

日録・大杉栄伝』 / [新潟新報] 2009/11/1

この本はタイトル通り、大杉の生誕から虐殺されるまでの日々を、彼の著書はもちろん、当時の新聞、雑誌記事から、特高刑事の報告もふくめて、あらゆる関係者の資料から博引旁証、大杉の足跡を再現したものである。このこだわり方は並大抵のものではない。
というのには、著者が大杉の弟の子ども(甥)ということが深く関わっている。おなじ甥でも、大杉の妹の子どもが彼と同時に虐殺された宗一だから、著者と宗一とは従兄弟同士、という関係になる。著者はテレビ局を定年退職したあと、10年もの歳月をかけて、この本を世に送り出した。いわば生まれるべくして生まれた、執念の書である。 [評者 鎌田慧]

ニセドイツ2』 / [FujiSankei Business i] 2009/10/31

本書は、その「オスタルギー」を思い起こさせる商品にスポットをあてた。東ドイツ国営企業が製造した工業製品はいかにニセモノ臭いか、という切り口で製品を紹介するとともに、その背後にあった東ドイツの共産主義体制の矛盾などをあぶり出す。
紙でできた自動車や注文して17年後に納品される自動車なども含め、こうした製品をカタログチックにみることができる珍しい一冊。写真はみな、どことなくなつかしい。

ニセドイツ1』 / [FujiSankei Business i] 2009/10/31

本書は、その「オスタルギー」を思い起こさせる商品にスポットをあてた。東ドイツ国営企業が製造した工業製品はいかにニセモノ臭いか、という切り口で製品を紹介するとともに、その背後にあった東ドイツの共産主義体制の矛盾などをあぶり出す。
紙でできた自動車や注文して17年後に納品される自動車なども含め、こうした製品をカタログチックにみることができる珍しい一冊。写真はみな、どことなくなつかしい。

記念碑論争』 / [週刊読書人] 2009/10/30

この論争自体を綿密に記録し過不足なく跡づけることは歴史的に大切な意味合いをもっているのである。本書は、現在にいたるまでのこの論争の全体的な流れと論点を、膨大な資料にあたり委曲を尽くしてよく整理再構成しており、大変な労作である。 [評者 芝健介]

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アルバニアインターナショナル』 / [出版ニュース 2009/10下旬号] 2009/10/25

ホヂャ独裁による鎖国で知られるアルバニアと45ヵ国の間に起きたエピソードやこぼれ話を硬軟とりまぜて紹介。80余話からアルバニアの意外な素顔も。日本は、親アルバニア派であった日本共産党(左派)やアルバニア俳句協会発足のことなど。著者は日本で唯一アルバニア語を操るという言語学者。その修得の話も興味深い。

戦場の街 南京』 / [出版ニュース 2009/10中旬号] 2009/10/15

南京大虐殺は日本の軍隊が組織的に行った中国民衆への殲滅戦といわれるが、実際に末端の兵士たちはどのように動いたのか。ここでは、南京戦に参加した元兵士が家族や友人と交わした手紙や戦友たちの日記、被害の側から惨状を克明に記録した程瑞芳の日記を軸に検討する。

アイヌときどき日本人増補改訂版』 / [The Chicago Japanese American News] 2009/10/9

A record of the daily lives of Ainu people living in the Tokyo metropolitan area has been published as a photo collection."Around 160 photos in "Ainu, at timese Japanese" depict Ainu people who are involved in traditional religious exercises, dancing and singing, and marriage ceremonies despite being far from their hometowns, mainly in Hokkaido.

アルバニアインターナショナル』 / [西日本新聞] 2009/10/4

から放たれた鳩がオリーブの葉をくわえてもどり、水が引き始めたことを知らせ

ノアの箱船と伝書鳩』 / [神奈川新聞] 2009/10/4

神が起こした大洪水から逃れ、動物たちと箱船に乗り込んだノアは、ハトを放って周囲の状況を探る。著者は、ハトの習性などを詳細に検討しながら、飛行ルートを大胆に推理していく。

日録・大杉栄伝』 / [朝日新聞千葉版] 2009/10/4

同志の動きや、当時の文壇や記者らとのさまざまな交流も確認し、巻末の人名索引には千人以上の名が挙がる。
未発表の書簡のほか、中学時代の成績表、徴兵猶予のために籍を置いたとされる明治大学の学籍簿など新たな資料を提示した。

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ノアの箱船と伝書鳩』 / [朝日新聞千葉版] 2009/10/4

文芸評論家が飼育経験をふまえ、箱船伝説成立の謎や今なお鳩が人をひきつけてやまない理由を検証するテキストクリティーク。

アイヌときどき日本人増補改訂版』 / [アサヒタウンズ] 2009/10/1

増補改訂版に加えたのは第9章「次の世代へ」の16点。若者や子どもたちが中心だ。この間に亡くなった人への思いと、次世代の新しいエネルギーを基準に写真を選んだという。昨年、「アイヌ民族を先住民とすることを求める決議」が国会で採択されたが、それに向けたデモや署名活動の写真も収めた。最近はカラーでも撮影しているが、8章までの140点に合わせてモノクロで収録している。

アルバニアインターナショナル』 / [読売新聞] 2009/9/14

冷戦終結まで半世紀近く鎖国政策を貫いたバルカンの小国アルバニア。日本で数少ないアルバニア語学者である著者が、かつての共産主義体制下の人々の暮らしぶりなど社会・文化の実像を、諸外国との交流史を軸に幅広く紹介する。

狙われた「集団自決」』 / [沖縄タイムス] 2009/9/11

著者は何度も渡嘉敷島、座間味島を訪れて聞き取りを重ねており、その成果が紹介されているだけでなく、教科書問題、大江、岩波訴訟と「集団自決」(強制集団死)体験者の体験の何が問われたのかなど、その位置づけが分かるという点で、論争史としての整理もされている点で大きな仕事をされたのだと感服した。 [評者 山口剛史・琉球大学准教授]

青春の柳宗悦』 / [神戸新聞] 2009/9/6

冒頭、これは伝記小説と書いた。筆者もそう言う。しかし、この本はそのジャンルに置くべきではないだろう。教科書…とまでは言わないが、私たち日本人が知らなくてはならない歴史本だ。学校の図書館に置いてほしい。 [評者 和田耕一・画家]

狙われた「集団自決」』 / [上毛新聞] 2009/9/6

ジャーナリストの著者は裁判の傍聴を重ねる傍ら、繰り返し沖縄に足を運んで体験者らの証言を集めるうち、「事実をゆがめようとすることは許せない」との住民の怒りに共感、本書を書き下ろしたという。

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釜山港物語』 / [朝日新聞] 2009/9/5

韓国で暮らす年老いた日本人女性を支え続ける韓国人男性がいる。在釜山日本領事館職員だった崔秉大さん(80)。植民地時代に生まれ、韓日を行き来し、歴史の傷がいえない両国関係の変移も最前線で見てきた崔さんの半生が本になった。

釜山港物語』 / [中日新聞] 2009/9/5

30年近い勤務の間、植民地時代に朝鮮半島の男性と結婚したが死別などで身寄りのなくなった日本人妻の帰国支援などの活動に尽力。また、拿捕された日本漁船の漁師を温かくもてなしたことや、80年の光州事件では、邦人救出にも活躍したという。「とにかく懐の深い、度量の大きい人だと思う」と北出さんは言う。

釜山港物語』 / [夕刊フジ] 2009/9/2

日本漁船拿捕や反日デモで緊張の日々。80年の光州事件では軍が封鎖する現地に入り、取り残された日本人の決死の救出作戦も行った。釜山の韓日親善協会顧問。妻と2人暮らし。

アルバニアインターナショナル』 / [Fuji Sankei Business i.] 2009/8/31

本書では、アルバニアと少しでも関係のある国々45カ国を無理やり集め、その関係をエピソードなども交えて展開。アルバニアの素顔を浮き上がらせている。日本の項目では、東京国際映画祭で最優秀賞に選ばれたアルバニアとフランスの合作映画の話や、アルバニアにある唯一の日本食レストランなどが紹介されている。現地の写真が多いのも特徴。

釜山港物語』 / [産経新聞] 2009/8/23

明治大学を卒業し、一時はやくざの用心棒にもなったが、韓国に戻り、国交回復による釜山総領事館設置とともに、現地職員に採用された。彼が力を尽したのは戦後も韓国に残された日本人妻たち。周囲のスタッフが「なぜそこまで」と思うぐらい、彼女たちの力となった。無限の包容力が不幸、悲惨のベールを少しずつはいでいく。

狙われた「集団自決」』 / [社会新報] 2009/8/19

metropolitan area has been published as a photo collection.

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釜山港物語』 / [東京新聞] 2009/8/19

「日韓の懸け橋になる仕事をしたい」と、釜山に開設された日本総領事館の「現地採用職員第一号」に。
そこで出会ったのが植民地時代に朝鮮半島出身者の男性と結婚し、夫に捨てられたり、差別や経済的苦難にあえぐ日本人妻たちだった。仲間の日本人職員とともに、「日本に帰りたい」という望みをかなえようと手弁当で駆け回った。

狙われた「集団自決」』 / [信濃毎日新聞] 2009/8/16

彼らのなかには、差別への懸念などからアイヌ民族を意識しない生活を送る人がいる一方、独自の祭事や食文化、音楽や踊りなどの伝承と紹介に努め、差別解消や生活改善、先住権を訴えて活動する人も少なくない。そんな、自らの民族を誇りに思う「首都圏アイヌ」たちの姿を、1992年から17年にわたって記録した写真集。

どうぶつ命名案内 犬猫どういう名前つけてるの?』 / [週刊朝日] 2009/8/14

ペットから動物園の動物まで、「命名」による日本人の動物観や傾向を元動物園副園長が探る。
犬に増えたのはモモ、サクラなど花系の優しい名。
猫は定番のチビやミーのほかヤシャやオワルなど奔放なものが多い。

狙われた「集団自決」』 / [琉球新報] 2009/8/12

ジャーナリストの著者は裁判の傍聴を重ねる傍ら、繰り返し沖縄に足を運んだ。
体験者らの証言を集めるうち「事実をゆがめようとするのは許せない」との怒りに共感、本書を書き下ろしたという。

ドラマ解読』 / [週刊新社会] 2009/8/11

またフェミニズムの視座という主調低音と表裏一体に、ともすれば社会のイデオロギー的バックラッシュに便乗する軽佻浮薄なトレンドへの強い拒絶感が、本書とりわけ第一部の基調となっており、そういう意味での「反流行」のぶれないスタンスが、現代日本社会に批判的な演劇や映画ファン以外の読者にも共感を誘う書物となっている。

超高層ビビル2』 / [東方] 2009/8/8

「超高層ビルマニア」の著者が、奇抜な高層建築が林立する中華圏を撮り歩いた写真集。
風水による独特な形状のビル、洗練された近未来型ビルなど六一一点。

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ドラマ解読』 / [図書新聞] 2009/8/8

演劇研究者であり日本文学の学者でもある井上理恵は、フェミニズム批評の実践者であるともいえるが、むしろ、上演芸術を中心に作品にアプローチするとき、視線の焦点がほとんど人物に具現される主題に結ばれてくる。その上でフェミニストの立場から、女性の生き方や現実社会(あるいは観客)の思想状況を明らかにしていく。 [評者 斉藤偕子]

記念碑論争』 / [宮崎日日新聞] 2009/8/2

著者は市民運動による建設呼び掛けから、連邦議会の決議までの約10年間を軸に、論争の流れと論点を当時の資料を基に再構成。その中で過去とどう向き合い、克服するかといった普遍的な問題を提起している。

記念碑論争』 / [Ministry 2009 Summer vol.2] 2009/8/1

「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」。通称「ホロコースト記念碑」は、ベルリンの壁が壊される以前の1988年に提起され、2005年に完成している。本書は、「ホロコースト記念碑」建設に至るまでの17年間、そして現在も論議が続けられている「記念碑論争」をまとめたものである。「受動的犠牲者」と「能動的犠牲者」、また「犠牲者となった加害者」という概念が用いられ、犠牲者の区別について深く掘り下げられた論議などが、多数掲載された資料・写真をもとに丁寧に紹介されている。

記念碑論争』 / [週間読書人] 2009/7/31

迫害されたユダヤ人。だが、彼らのための記念碑が建てられるとき、そこに〈特別な被害者〉と〈無名の死者〉との間の相克が生じ、記念碑建立自体の政治性が露わになる。

戦争と平和 朝鮮半島1950』 / [図書新聞] 2009/7/25

著者は、南朝鮮占領地域で人民軍が実施した人民委員会の復活の過程や人民に対する教育・動員の方式、また土地改革や宣伝活動の様子を具体的に描きながら、これらは「北朝鮮を韓国に暴力的に押しつけること」であったと指摘し、その政策が円滑に実施されなかったという理由から、北朝鮮の指導者の「国家経営能力」を疑問視している。その一方で著者は、人民軍が優勢だった同時期に、韓国軍が大量の兵力確保に成功したのは、解放後五年間の南北朝鮮間の「理念的対決」が、南朝鮮民衆の「国家に対する敵愾心」を生んだためであると説明する。このような分析は、一九四八年までに南北は全く異なる国家と社会を形成したとする、著者の概念(「四八年秩序」)に基づいている。 [評者 村上尚子]

人に育てられて生きる』 / [合格アプローチ 2009年8月号] 2009/7/20

著者が本書において訴えたい内容は、おそらく「人と人の関係を大切にしてほしい」ということではなかろうか。それは、中学校・高等学校という教育現場だけではなく、各家庭においても、親子がよく話し合うことによって、それぞれの人格を尊重していくことが、子どもたちの健やかな成長につながっていくと著者は考える。現代が抱えるさまざまな社会的諸課題を解決していくためにも、一人ひとりの子どもたちに、いかに温かい目を向けていくことができるかを著者は説く。

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狙われた「集団自決」』 / [毎日新聞大阪府内版] 2009/7/17

ミニコミ誌「新聞うずみ火」(大阪市)記者の栗原佳子さん(45)「狙われた『集団自決』」=写真=を出版した。沖縄戦での住民の集団自決に関し、文部科学省の教科書検定で、「日本軍の強制性」を示す表現を削除させられた問題を4年がかりで追い、丹念に集めた住民の証言などを基に検定での対応を厳しく批判している。

超高層ビビル2』 / [建築技術 No.174] 2009/7/1

明かそうとする。

沖縄に向き合う』 / [UP] 2009/7/1

新城郁夫は、東京で開かれた『沖縄・問いを立てる』の合評会(二〇〇九年四月二五日)で、沖縄研究が、出自や居住区で「資格」を問うてはならない と述べた。このことは、それぞれの研究の内容こそが問われるという厳しい指摘に他ならない。そうした緊張感をはらむシリーズとして、『沖縄・問い を立てる』は提供されている。

大使館国際関係史』 / [日本経済新聞] 2009/6/14

この本は、外交のあり方や世界情勢の変化を映し出す鏡でもある在外公館と、そこに駐在する外交官についての歴史を記した本だ。類書がほとんどないだけに、多くの文献からデータとエピソードを引用してまとめた本書はなかなか興味深く読める。
外交官が貴族から官僚の職に変わった歴史、海運・物流の発展と密接な関係があった領事の役割、在外公館と情報活動、相手国の世論に働きかけるパブリック・ディプロマシーなど、本書はさまざまな事象を幅広く取り上げた。

異郷の日本語』 / [週刊金曜日] 2009/6/12

優れた出版活動を続ける社会評論社からは、昨年から『沖縄・問いをたてる』全六巻という、「安定した日本」にくさびを打ち込む論集が出たばかりだ。ここにも私たちの怠惰な「戦後」と「戦時」の認識をきびしく批判する「問い」の数々がある。私たちの今を「ポストコロニア」や「ディアスポラ」と名指そうとするときの、切実で厄介で居心地の悪い、「いかんともしがたい」問いの前に立ち尽くすこと。「日本語の異郷」はそこからしか拓けない。

超高層ビビル2』 / [巨龍中国 No.690] 2009/6/9

「好き」ということは、こんな高見にまで登り着けるのだ。ということに感動すら覚えてしまう超高層ビル乱立写真集。物ごころついたころより高層ビル好きという著者の情熱は、規制より風水を重視し、一体感とは程遠い自己を主張し続ける中国の超高層ビル群との出合いによって、一気に開花したものと手前勝手に推測させてもらう。
巻頭の国際金融中心・第二期ビルの写真から一切の文章を排し、続く続く超高層ビルの写真は圧巻である。その一枚一枚を撮り続けた筆者の熱意の向こう側にある、建設した中国人のあふれでるパワーにも圧倒される。
この中国編で筆者の超高層ビビルのシリーズ化は不動のものとなり、今後は世界中の超高層ビルが紹介されるだろう、だが中国のパワーは底なしだ!!第3弾、第4弾も期待したい。

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昌益研究かけある記』 / [東奥日報] 2009/6/5

昌益が八戸に在住した証しを上杉修氏が私財を投げ打ち藩記録を集め、野田健次郎氏が解読を進めたと紹介。
ほか昌益の人間、労働、医学、社会、救世観、近年の昌益新発見などをやさしく記述。

超高層ビビル2』 / [出版ニュース 中旬号] 2009/6/1

例えば香港では日本にはない高さの超高層ビルや風水を取り入れた奇抜なデザインのビル、団地のように並んだ超高層マンション群など、多種多様な超高層を見ることができる。前著「日本編」に続く本書は、「香港・マカオ・深セン・広州・台湾」の超高層ビル600棟余りを再現。これらのビルを撮影するために合計1ヵ月近く、中国、台湾にとどまりひらすら撮影に明けくれたという。しかも現地で調べることは超高層ビルの情報や移動手段ばかりというのだから。

記念碑論争』 / [靖国・天皇制問題情報センター通信] 2009/5/31

記念碑をめぐって論じられた数多くのテーマや、それに伴う膨大な資料の中からの取捨選択は、日本の読者向けに考えられている。本書は、ドイツと同様に戦争の直接体験から共同想起への移行という過渡期にある日本の戦争責任や共同想起をめぐる議論をする際には、避けて通れない文献資料である。とりわけ、シンティ・ロマとの関連で論争された犠牲者を区別することによる「犠牲者のヒエラルキー」の問題や、国立追悼施設ノイエ・ヴァッヘの関連で論争された「犠牲者」という名前によって、「受動的犠牲者」「能動的犠牲者」「犠牲者となった加害者」が十把一絡げにされてしまう問題などが浮き彫りにされているのが興味深い。

イモとハダシ』 / [沖縄タイムズ] 2009/5/27

沖縄大学名誉教授の新崎盛暉氏は、「反復帰論への思いの強さがシリーズを通してある」と指摘しつつ、「40年という時間の経過による変化を見据えつつ、現在の状況とどうとらえるか、そして現状打破ができるかが問われている」とした。さらに「研究者の論文集」ではなく、(優れた研究成果を)社会的働きかけになるように」と、期待を寄せた。

出産』 / [図書新聞] 2009/5/23

男性産婆はトリアゲジイサンもしくはトリアゲジサなどと呼ばれており、男性産婆の世話になった人たちの話では、いずれも助産の腕前は老練で人々の厚い信頼を得ていたという。著者がいうように、「男性産婆は単なる変わった話ではなく、近代助産師にきちんと位置づけるべき事項の一つ」であることはまちがいない。
本書は算育習俗について深く掘り下げようとしており、内容は専門的な議論がなされていると同時に、民俗学に関心をもつ初心者への配慮が随所になされていてわかりやすい入門書でもある。 [評者 谷口貢二松学舎大学文学部教授・民俗学]

だれにも故郷はあるものだ』 / [週間金曜日 747号] 2009/4/17

著者は呼びかける。「朝鮮」から「逃げてはいけない。堂々とその運命を正面から引き受けるのが、尊厳ある人というものだ」と。「祖国」と「在日」を一層分断させる二分法の罠にはまってはならない。「今も、祖国・民族の運命と海外同胞の運命は強くつながっている」のだから。 [評者 李英哲(リ・ソンチョル/朝鮮大学国教員)]

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冒険に生きる』 / [西日本新聞、北海道新聞] 2009/4/12

彼らは皆、谷川岳のふもとにある山荘の主・高波吾策とその弟子・伊藤周左エ門の下に集った仲間だった。日本が誇る冒険家たちの青春をたどり、見返りなき挑戦に命を懸けた情熱のルーツを探る、胸熱くなる一冊。

ゴム銃オフィシャルガイドブック』 / [読売新聞 夕刊ライブラリー欄ナビ] 2009/4/11

後ろのほうには、「ゴム銃猟の手引き」という章がある。いったいゴム銃でなにをハントするのかというと、ハエやゴキブリ。「獲物が小さいだけに射技が要求され、捕獲できた時の喜びも大きいものです」とのこと。そして射程距離、射撃のコツまでが詳しく説明されている。お父さんだけでなく、工作好きのお母さんも、いたずら好きな弟や妹も、みんなさそって楽しみたい本。ぜひ、一家に一冊。
この本をながめながらふと思った。世界の銃器やミサイルがすべて、ゴム銃になってしまえばいい。 [評者 金原瑞人 法政大学教授、翻訳家]

ゴム銃オフィシャルガイドブック』 / [散歩の達人 No.157] 2009/4/9

子どもの頃つくっていた割り箸鉄砲が、知らないうちにスゴイことになっていた!板を切り出して作製するモデルガンさながらの精密構造に、連続発射の機関銃、さらにガトリング銃も。日本ゴム銃射撃協会の公式競技まであるのだ。本書は、そんな進化した大人のゴム銃の構造や工作方法(図面付き)を写真入りで丁寧に解説。オフィシャルガイドブックというだけあって、ゴム銃の楽しみのすべてが詰まっている。

資本主義の農業的起源と経済学』 / [読書人] 2009/4/3

著者が問うように、ケネーやスミスは一八世紀の経済学者なのに、なぜ一九世紀の産業資本主義を代表する経済学者として位置づけられてきたのか。その根拠はマルクスの『剰余価値学説』の影響にあろう。著者も注目する内田義彦は戦後民主化=経済再建の問題意識から『学説史』を参考にスミスを読み込み『経済学の生誕』を書いたと思われる。そのマルクスはイギリス産業革命の終局期に経済学をパリで学び始め、やがて「イギリス帝国秩序(Pax Britannica)」の中心・ロンドンに住む。彼の中心問題は世界を統合するイギリス産業資本主義にあった。
その観点から『学説史』でケネーやスミスを読んだ。マルクスのその視座を知る上でも、本書の意義は大きい。 [評者 内田弘]

どうぶつ命名案内 犬猫どういう名前つけてるの?』 / [ねこのきもち 第51号付録] 2009/4/3

本書には興味深いデータと解説がぎっしり。加えて、犬猫の命名に関する話だけでなく、葛西臨海水族園長と多摩動物公園副園長を歴任された著者ならではの、ゾウやチンパンジー、コアラやパンダ、ライオンなどの動物園のどうぶつについての名前の考察や、約4年間にもわたる多摩動物公園の飼育日誌も収められていて、とても充実した読み物に仕上がっています。

時刻表世界史』 / [交通新聞] 2009/4/2

交通協力会と交通新聞社共催、運輸調査局後援による2008年度(平成20年度)の第34回「交通図書賞」の表彰式が3月30日午後、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで行われた。中略。式には各受賞図書の編著者並びに出版社の代表と、主催者側からは交通協力会の秋山光文会長と管建理事長、交通新聞社の北川博昭社長らが出席。菅理事長から賞の趣旨や選考経過について説明があった後、秋山会長から著者に賞状と賞金、出版社の代表に記念品がそれぞれ贈られた。
また式後の懇談の席では、各受賞図書の著者および出版社の代表から、受賞の感想やそれぞれの作品に託した思い、制作時のエピソードなどについて興味深い話が披露された。

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ゴム銃オフィシャルガイドブック』 / [中部財界 2009/4月号] 2009/4/1

さて本の中身だが、実際に会員が作り上げた傑作ゴム銃が写真入りで紹介されており、作り方も書いてある。セミオート連発銃、機関銃、ガトリング銃まである。ここまで来ると、郷愁とか懐かしきこども時代ではすませられない。本気のゴム銃愛好家の領域である。

ゴム銃オフィシャルガイドブック』 / [ドーゥーパ 069号] 2009/4/1

子どもの頃、割り箸鉄砲で、輪ゴムを飛ばして遊んだ人は結構多いはず。この割り箸鉄砲がすごい進化を遂げている。それを証明するのが本書だ。精密射撃銃、機関銃などの作品から作り方、ルールまでを紹介している。「輪ゴムの知識」なんてページまで。遊び心満載の1冊は必見!

冒険に生きる』 / [毎日新聞埼玉版] 2009/3/25

05年に谷川岳のスキー場のリフトが閉鎖され、観光客が激減。伊藤さんが引き継いだ山荘も経営難から存続の危機に。「思い出の地がなくなってしまう」との危機感から筆を執った。昔からの知已に話を聞き、約1年かけて原稿をまとめながら、冒険心をはぐくんでくれた谷川岳の素晴らしさを再確認したという。

時刻表世界史』 / [交通新聞] 2009/3/23

単なるコレクションの紹介にとどまらず、交通ルートの概容やそれらが設定された時代背景、政治的・経済的な役割、ルートの変遷や交通モードの概容など広範
な情報を記述。
著者個人のエピソードも交え、各時代の交通事情が理解できるだけではなく、それぞれの国およびそれを取り巻く国際情勢等を浮き彫りにした、深みのある内容にまとめられている。

反復帰と反国家』 / [琉球新報] 2009/3/15

この焦燥と希望の多重奏に揺らされつつ思う。反復帰であれ反国家であれ、反(アンチ)とは正なる対象があって生成するものだが、「反」としてあるのではない、根源から凜として自由な「個」が群れ立つものとしての「われわれ」を、想像してみたいものだと。しかしそれはしょせんリベラリストのたわごとにすぎないのだろうか。読者氏にもその否やを問うてみたい。 [評者 豊見山和美・沖縄経験史研究会]

冒険に生きる』 / [埼玉新聞] 2009/3/12

長さんは2005年夏、土樽スキー場の閉鎖をニュースで知りがくぜんとした。
土樽や谷川岳をこよなく愛した岳人(アルピニスト)の多くが落胆したという。
土樽に集まり、世界に羽ばたいた冒険家たちの物語を残そうと思い立ったという。

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ローザ・ルクセンブルク思想案内』 / [毎日新聞] 2009/3/9

20世紀初頭、マルクス経済学を中心に才能を発揮し、今のグローバル経済を予言したともされるローザ・ルクセンブルクの入門書『ローザ・ルクセンブルク思想案内』(社会評論社)=写真=が出た。著者の伊藤成彦・中央大名誉教授はローザ研究の権威だ。中略。本書では、学会「ローザ・ルクセンブルク国際協会」での94年以降の発表などを元に、ローザの政治理論や経済学、民族問題への視点などを分かりやすく論じている。 [評者 鈴木英生]

日活ロマンポルノ異聞』 / [キネマ旬報No1527 2009年3月上旬号] 2009/3/9

もともと山口清一郎は60年代安保世代で、丸山眞男や『擬制の終焉』の吉本隆明に心酔する典型的な政治青年であり、「愛と希望の街」を見て深い衝撃を受け、映画を志す。この大島渚の処女作に啓示を受け、〈自分にとっての「資本論」である〉とまで断言するのだが、日活裁判で孤高の闘志として浮上する彼の原点は、やはり、この生来の〈政治〉への意思にあったのではないかと思い当たる。

方言札』 / [沖縄タイムズ] 2009/3/7

それにしても、当時の教師たちは、どうしてあれほど「方言」を禁止しようとしたのか。教師たちの中に意見の対立はなかったのか。そこには沖縄の「国語教育」の問題がどう現れていたのか。そもそも「国語」「標準語」「方言」「方言札」とは何か。
そうやって問いを立てていけば、そこには沖縄にとっての「ことば」をめぐる多様な問題群が立ち現れてくる。 [評者 目取真俊・小説家]

時刻表世界史』 / [「調査情報」TBSメディア総合研究所 2009/3-4 No.487] 2009/3/4

前略。このほかにもGHQが占領下の東京で運行していたバスの路線図、国鉄が運行した引き揚げ船連絡列車のダイヤ、学生活動家たちが乗り込んだ復帰前の東京・鹿児島~那覇間の航路(料金表には円とドルが併記されている)、さらに60年代初頭、公民権運動全盛期のワシントン発フロリダ行きグレイハウンドバスの時刻表なども紹介されており、これらは趣味の収集の域を超えた第一級の歴史資料といっても過言ではないだろう。
500ページ超、横2段組の大著であるが、乗り物マニアだけに独占させておくのは実にもったいない本である。

植民地朝鮮と児童文化』 / [朝鮮新報] 2009/3/4

なかでも注目されるのは、新しく発掘された貴重な一次資料が持つ研究史的意義だろう。崔南善の「京釜鉄道歌」と雑誌「少年」、方定煥の口演童話運動に影響を与えた日本の巌谷小波の口演童話に続いて、1920年代から始まった童話集ブーム、プロレタリア児童文学、植民地時代の総督府の「児童文庫」及び児童文化教育に至るまで、これまで調査されてこなかった総督府資料まで調べ、広範囲に取り上げている。 [評者 孟福美(朝鮮大学校准教授)]

攪乱する島』 / [沖縄タイムズ] 2009/2/21

本書は沖縄をめぐる二つの暴力―「集団自決」と「レイプ」―をジェンダー的視点によってつなぎ、今なお戦争の続く「例外状態」におかれた島=沖縄の実相を読者の喉元に突きつける、ラジカルにして真摯な訴えを載せた一冊だ。

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日活ロマンポルノ異聞』 / [図書新聞] 2009/2/21

そんな時代に映画監督・山口清一郎は、孤高のトップランナーとして「セックスはセックスでしかない」と、国家権力の虚妄を射抜いてみせた。本書は、その地平とともに、撮影所の光と影、映画産業の光芒を鮮やかに映し出す。

ゴム銃オフィシャルガイドブック』 / [スラッシュ・ドット・ジャパン] 2009/2/4

ゴム銃オフィシャルガイドブックでは、ゴム銃の構造から作り方、作例、さらにゴム銃で虫やゴキブリを狩る「ゴキブリ猟」などの遊び方にまで言及されています。本気でゴム銃に取り組みたい人から、ゴム銃を知らなかった入門者まで、さまざまな人におすすめできるこの本、ぜひ一冊いかがでしょうか。

ゴム銃オフィシャルガイドブック』 / [Garbagenews.com] 2009/2/4

見た目はとても「ゴム銃」とは思えないような作品の写真を見るたびに、その素晴らしさのあまりに「これがおおもとは割りばし鉄砲だったのか」とため息が出てしまう。さらにゴム銃の正しい使い方や公式競技の説明に目を通すと「ここまで緻密に設定をしているのか」とその意気込みに対する感嘆の想いで、胸が熱くなる。「大の大人がやることか?!」「こんなことして何になるのか!」というあきれ声も聞こえてきそうだが、ロマンを感じた人間にはそんな言葉は耳に入らないものだ。

時刻表世界史』 / [鉄道ファン 2008年2月号] 2009/2/1

本書は、鉄道に限らずさまざまな交通の時刻表を収集し、世界一の時刻表コレクターと称されている曽我氏ならではの視点で、全世界の不思議な路線、今では納得のいかない路線などを紹介しており、人文科学に関心のある方にもおすすめします。

友軍とガマ』 / [沖縄タイムズ] 2009/1/31

表題の「友軍とガマ」は、住民を守ってくれるはずの日本軍(友軍)と、日本軍による構造的強制のもとで家族同士が殺し合うという矛盾に追い込まれた状況(ガマ)を表している。

だれにも故郷はあるものだ』 / [図書新聞] 2009/1/31

in Hokkaido. [評者 山口泉]

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ゴム銃オフィシャルガイドブック』 / [オタロードブログ] 2009/1/31

「ゴム銃オフィシャルガイドブック」[AA]の帯には「こどもの頃、夢中になったあの割り箸鉄砲が大進化を遂げて帰ってきた!!」とあるけど、収録されているゴム銃はゴム銃とは思えない造りのものばかり。

ゴム銃オフィシャルガイドブック』 / [Make:Japan] 2009/1/27

ゴム銃の定義から始まって、輪ゴムの知識、メカニズムの詳細、作り方、さまざまな作例、射撃術などがまとめられたゴム銃本の決定版。出版社のページでポスターを見るだけで、完成度の高さがうかがい知れます。

だれにも故郷はあるものだ』 / [福島民友] 2009/1/18

韓国留学中の1971年に「学園浸透スパイ団事件」で逮捕され、19年にわたる獄中生活を送った著者が「日本における朝鮮人」のあり方を問い直したエッセー集。

太宰治はミステリアス』 / [朝日新聞] 2009/1/18

吉田和明著『太宰治はミステリアス』(社会評論社)は人間・太宰をさめた視線で見つめる著者が、“太宰業界”に切り込む挑戦的な一冊。

アントニオ・グラムシの思想的境位』 / [週間読書人] 2009/1/16

本書の著者・黒沢惟昭氏は早くからアントニオ・グラムシに注目して研究をしてきた教育学者として知られている。本書は黒沢氏の長年にわたるグラムシ研究の集大成である。著者が教育学者だからといって、本書は、教育にのみ視野を限定してグラムシの思想を検討したものではない。本書は、グラムシの思想の核心に教育の問題が位置づけられていることを鋭く抉り出し、しかもそれが現代の教育を考えるに当たっても非常に重要であることを明らかにするものである。この点において本書は、グラムシに関心を抱いている人びとのみならず、広く教育に関心を持つ人びとにも興味深いものである。 [評者 青柳宏幸]

K・A・ウィットフォーゲルの東洋的社会論』 / [週間エコノミスト] 2009/1/13

戦前日本の中国観を大きく規定し、今日なお残されている見方に「アジア的停滞・東洋的専制」という西欧中心史観がある。マルクス、ウェーバーの東洋観からドイツのマルクス主義者カール・ウィットフォーゲルが「アジア的生産様式」として定式化し、脱唖入欧の日本に輸出された。米国に亡命したウィットフォーゲルが反共マッカーシズムの証言者となると、日本の学問世界からは忘れ去られた。ただし文化大革命や天安門事件を文明史的に論じる際にはこっそり密輸入された。
そのウィットフォーゲルの膨大な未公刊遺稿と米国で格闘した石井知章『K・Aウィットフォーゲルの東洋的社会論』(社会評論社、2940円)は読み応えがある。毛沢東独裁も北朝鮮も彼の「水力社会」の眼で見直すと「社会主義」の基底に根付いた「アジア的復古」が学問的に説明できる。 [評者 加藤哲郎(一橋大学大学院社会学研究科教授)]

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方言札』 / [琉球新報] 2009/1/11

近藤と村上は明治大正期、仲里と戸邊は一九六〇年代を対象とする。近藤は資料や聞き取りなどから、方言札の起源を探り、そこに国民化教育の日本側の思惑と、次第に養成されていった沖縄の教員との心理的乖離はありながらも、結局、戸惑う子どもたちの発語身体を「日本語」化し、県民が日本語の未習熟から社会的「不利益」や「未開視」をこうむらないようにという被植民地的配慮を見る。

時刻表世界史』 / [鉄道ジャーナル 2009年1月号] 2009/1/9

鉄道はもとより、航空、・船・バスなど、すべての交通機関の時刻表を、世界的規模で紹介した書。地域別に章立てられ、すでに消えてしまった路線を数多く収録。国家の興亡や力関係の変化で消えた路線もかなりあり、本書で世界史の一端を学ぶことが出来る。

だれにも故郷はあるものだ』 / [東洋経済] 2009/1/9

釈放されるまでの壮絶な体験、亡き母への思い、アジアの平和と人権、そして在日について語られる。

超高層ビビル 日本編』 / [建築ジャーナル] 2009/1/9

高いところが苦手な筆者はタイトルからして恐怖を感じたが、読むとかなりおもしろい一冊だった。ファサードの参考書としても使えるのでは。ぜひ海外編も出版してほしい。

時刻表世界史』 / [世界の艦船 700] 2009/1/9

時刻表といえば誰しもまず思い浮かべるのは、いつも利用する鉄道やバスなどの時刻表だろう。ただしそれは必要に応じて見るのであって、時刻表をベースに何かを発見しようと意図する人はまずいない。
そんな実用本位の消耗品的時刻表から、世界の歴史を見通そうというユニークな試みを実践したのが本書で、古今東西、陸海空各種ルートの時刻表から、当該交通機関の有様とその歩みを紐解き、さらに社会情勢や政治情勢などにまで筆を進めている。収録されているのは、交通機関の存在と変遷が歴史の証人のような中国東北部の事例や、飛行時間2分というオークニー諸島の世界最短航空路線など千差万別で、本誌の関心事である船については、メジャーな北大西洋定期航路やサンフランシスコ航路、ハドソン川の連絡船やナホトカ航路など、二十数航路を取り上げている。

ゴム銃オフィシャルガイドブック』 / [Cyber Government Square 日立] 2009/1/9

それにしても、どうして最近のゴム銃はこのようにハイクオリティになったのでしょうか?
私が思うに、割り箸鉄砲を愛する人たちが「どうしたら連射できるか」「どうしたら命中率が上がるか」などをトコトン研究した結果の表れなのではないでしょうか。

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