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書評


2011年

菊田一夫の仕事』 / [毎日新聞] 2011/12/18

一般には通俗的な作家と思われている菊田一夫の、秘められた思いを描き出した好著。著者は今まで誰も言及しなかった菊田一夫の宝塚歌劇の戯曲の分 析によって、菊田一夫を描いている。それによって菊田一夫ばかりでなく宝塚の特殊な演劇的意味も明らかになった。

赤塚不二夫大先生を読む』 / [出版ニュース] 2011/12/1

ギャグ漫画史に輝く数々のヒット作、傑作群、魅力あふれるキャラクター、奇抜な着想、破天荒な漫画人生と、赤塚不二夫の全貌はまだ語られていない と、本書は、赤塚不二夫の足跡とその時代をファンとしての愛情あふれる作品解説とともに徹底して考察した研究本。

赤塚不二夫大先生を読む』 / [読売新聞夕刊] 2011/11/28

同時代を共にした藤子不二雄A、森田挙次らのインタビューを収め、巻末には作品リストを収録。赤塚ファン、同時代のカルチャーに興味のある方にお すすめ。

バパ・バリ 三浦襄』 / [出版ニュース] 2011/11/1

リゾート地、芸術の島として知られるバリ島で、終戦直後、一人の日本人が自決した。彼の名は三浦襄(1888~1945)。戦時中は軍属として日 本軍の水先案内人を務めた。著者は、インドネシア残留日本人の聞き取り取材の中で三浦襄のことを知り、遺族や関係者をたどりながらその数奇な生涯 を描くことを決意する。

ファーストフードマニア』 / [週刊大衆] 2011/10/24

パクリ屋・中国のファーストフード店。マクドナルドとケンタッキーで「マッコンキー」、Sを取って「モバーガ」、野を田に変えて「吉田家の牛丼」 etc。世界的にも有名なあのチェーン店が思わぬ形でパクられていた! 思わず「ヒドい!」とツッコミを入れたくなる。“パチものファーストフー ド店”を一挙大公開!

戦争と伝書鳩 1870―1945』 / [東京・中日新聞] 2011/10/23

十九世紀の普仏戦争では孤立したパリを救い、原爆の惨禍に見舞われた広島の状況を最初に伝えたのも新聞社の鳩という。第二次大戦まで内外の戦争の 最前線で活躍した〈小さな伝令使〉の逸話が満載。

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アート・検閲、そして天皇』 / [思想運動] 2011/10/15

かれらの意識に反応し行動した参加者は、総勢三六名にものぼり、さまざまなジャンルにおよんだ。その発言と行動が記録されている本書は、三部からなり、一部は、抗議のためのシンポジウムが、三部では緊急アートアクション二〇〇九と題された展覧会とパフォーマンスそしてトークが、二部では 「検閲問題とその周辺」についての論考が寄せられている。

戦争記憶の継承』 / [週刊金曜日] 2011/10/14

語り継がなければならない歴史を語る側(特に被害者)は、抑圧に直面する。だからこそ、いかに継承するかということが問題になる。

いんちきおもちゃ大図鑑』 / [週刊大衆] 2011/10/10

日本の有名キャラに似てるけど、まるで違う! アジアのインチキ玩具トンデモ16。パッと見ると誰もが知ってる有名キャラだが、よ~く見ると違いすぎて思わず爆笑。合体しちゃうあの有名機関車から、補助輪つき自転車に乗る国民的ヒーローまで、笑撃のアヤシ~イ玩具を大紹介!

軍艦島に耳を澄ませば』 / [東京新聞] 2011/10/2

虐待・差別・圧制の果てに死んでいった労働者たちの無念の思いに光りをあて、日本の近代化が侵略と表裏一体であったことを忘れてはならないと訴える。

軍艦島に耳を澄ませば』 / [東京新聞] 2011/10/2

「軍艦島」の通称をもつ長崎港の沖合に浮かぶ端島…。海底炭鉱の閉山により無人島となったが、近年世界遺産登録を目指す動きがあり注目を集めてい る。一方でそこは戦時中、朝鮮人・中国人に強制労働を課した歴史の島であった。

軍艦島に耳を澄ませば』 / [週刊金曜日] 2011/9/30

日本の近代エネルギー政策と差別構造は裏表である。この炭鉱の島も朝鮮人・中国人の強制連行で成り立っていたことを忘れてはいけない。

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忘れられた王国』 / [図書新聞] 2011/9/24

秘境と言われる雲南について、大変貴重で示唆に富んだ本が翻訳された。実は本書はすでに半世紀前の一九五七年に、『忘れられた王国』と題してロンドンで出版されたものである。著者のピーター・グラードはロシア生まれで、幼少時にロシア革命にぶつかり、以後、トルキスタン、シベリア、中国へ と点々と何を逃れながらの移動を繰り返し、数奇な運命に翻弄された人生を送った人である。

菊田一夫の仕事』 / [図書新聞] 2011/9/17

東宝ミュージカルの礎どころか、現代日本のミュージカル全盛時代の扉を開けた業績も丹念に跡づけた。日本のミュージカルのすべては菊田から始まったことがわかる。それだけに海外で東宝ミュージカルを興行しようとした野望と挫折の記述には胸を打つものがある。 [評者 山本健一]

昭和桃色映画館』 / [週間ポスト] 2011/9/9

ピンク映画の歴史を追い続けている鈴木義昭さんは若い頃にピンク映画でアルバイトをしていたというほどのファン。そして引退して姿を消した香取環 と内田高子に会うことに成功した。この二人の対談は、あの時代、ピンク映画に心ときめかした世代には実に懐かしく、かつ貴重。

昭和桃色映画館』 / [小説すばる] 2011/9/1

本書は、著者のそれこそ長年をかけた足の取材と資料の踏査の上に立って、紙の上ではあるものの、正しい映画ファンの関心と妄想を慰めてくれる、私 にとっては、佐藤忠男や蓮實重彦が書く、権威主義的な、或いは観念的な本よりどれだけ楽しく有難かったことか。

昭和桃色映画館』 / [図書新聞] 2011/8/27

本書は、ピンク映画、東映異常性愛路線、そしてロマンポルノを日本映画史として俯瞰しつつ、女優(香取環)、白川和子、内田高子、愛染恭子、乱孝 寿、片桐夕子、丘ナオミ、日野繭子)、男優(高橋明、久保新二、港雄一、野上正義、トニー大木)、監督・プロデューサー(矢元照男、荒井美三雄、 小川欽也、井田深、関本郁夫、鈴木則文、高橋伴明)たちへのインタビューを収め、著者の熱い思いが膂力となって、ピンク映画館と揶揄され蔑まされ た場所が、活気あふれた映画人たちによって生み出された作品を映し出し、光り輝きながらスクリーンを照らし出していたことを浮き上がらせている。 [評者 皆川勤]

昭和桃色映画館』 / [週刊新潮] 2011/8/11

前略~『ピンク映画水滸伝』(傑作です)等の著作のある著者が副題にある“まぼろしの女優、伝説の性豪、闇の中の活動屋たち”をとにもかくにも対 談やルポタージュによって、かたちのあるものにしてくれた貴重な一巻。

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ゴム銃大図鑑』 / [新潟情報] 2011/8/10

「日本ゴム銃射撃協会のメンバーが趣味で作ったオリジナルのゴム銃246挺を紹介した本。割り箸で作ったオーソドックスなものから、アルミやヒノ キを使った重厚なものまで、こだわりの作品ばかり。男ゴコロをくすぐる1冊です。」 [評者 ヴィレッジヴァンガード新潟ビルボードプレイス店長久家さん]

昭和桃色映画館』 / [キネマ旬報] 2011/8/1

その発言を引き出すのが、著者鈴木義昭の真骨頂だ。調べ上げたことと映画を実際に観た経験の力で、ひとりひとりに本音を語らせている。実に面白い。三十有余年にわたりこの種の映画にこだわり続けてきたこの人にしかできない仕事だ。ほぼ同時代に日本映画に耽溺したわたしの知らざる事実まで、愛情をこめて丹念に発掘している作業に感服させられる。
白井佳夫キネマ旬報の愛読者で故竹中労に私淑し、ロマンポルノ裁判やピンク映画にずっと目を向けてきた鈴木さんの映画人生に対し密かに敬意を抱いてきたが、本書に接し改めて脱帽である。

昭和桃色映画館』 / [東京新聞] 2011/7/31

小川欣也ら監督たちへの取材、白川和子や片桐夕子ら銀幕に体当たりした女優たちが、時代への向き合い方や製作秘話を語る。欲望や性の表現を開拓した活動家の情熱が伝わる。

戦争記憶の継承』 / [出版ニュース] 2011/6/15

沖縄での集団自決をめぐる記憶の問題では、自らの目的を達成するために創作された「記憶」によって悲惨な集団自決が政治的に利用され、沖縄戦の実 相そのもの歪曲されようとしていることを明らかにし、沖縄戦の語り部たちの語りの内容を分析し、「追想・追悼」「体験の開示・共有」を契機に戦争 体験者たちの思いや体験のとらえ方に変化があることを報告している。

超高層ビビル 日本編』 / [もっとデジイチLIFE] 2011/6/14

中谷幸司は、プログラマーの仕事の傍ら、超高層ビルなどの写真を撮り続け3冊も作品集を出版した写真家である。最初のきっかけは2003年にコンパクトデジカメを買ったことだった。何かテーマを決めて撮りたいと考え思いついたのが、子どもの頃から好きだった高層ビルの撮影である。当時、六本木ヒルズが完成、タワーマンションが次々と建設された時期だった。

吉本隆明と親鸞』 / [東京新聞] 2011/6/12

『最後の親鸞』が書き継がれた七〇年代に、吉本が親鸞を通していったい何を考えようとしていたのか、仏教思想と著者の専門の現代思想を自在に交差させつつ、粘り腰で明らかにしてゆく。

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ゴム銃大図鑑』 / [サンデー毎日5.29号] 2011/5/29

昭和に少年期を過ごした男性だったら、一度は作って遊んだことがあるだろうゴム銃。基本は割り箸を組み合わせて輪ゴムを飛ばす単純なオモチャだ が、その性能と造形の進化を、徹底的に追求している大人たちがいる。『ゴム銃大図鑑』は彼らの作品の数々を紹介した、遊び心あふれる1冊だ。

ゴム銃大図鑑』 / [日刊サイゾー] 2011/5/22

誰でも簡単に作れるゴム銃だが、なかなか奥深い世界であるようだ。市井には多くのゴム銃愛好家がおり、日本ゴム銃射撃協会には2,348人 (2011年5月現在)ものメンバーが所属している。『ゴム銃大図鑑』(社会評論社)は、日本ゴム銃射撃協会のメンバーが作った246挺の名作ゴ ム銃を掲載した本だ。掲載された銃はすべてオリジナル・ハンドメイドで、製作者の名前や製作年なども記載されている。日本ゴム銃射撃協会理事長の 中村光児氏が監修を務める、なんともゴム銃愛にあふれた一冊だ。 [評者 平野遼]

マタギのむら』 / [図書新聞] 2011/5/1

マタギとは、共同で狩猟を行う狩猟者のことで、秋田阿仁地方には、こうした狩猟者たちが定住した集落が残っている。

マタギのむら』 / [世界へ未来へ 9条連ニュース] 2011/5/1

秘境のふところで暮らす、およそ30年前に秋田阿仁地方で仮住まいを営み、失われていくマタギや鷹匠、民話を取材した記録を集大成しました。

ゴム銃大図鑑』 / [モノ・マガジンno.649] 2011/5/1

実は本書はまことに美しい写真集であり、同時にゴム銃が射撃および製作の両面で立派なホビーであることを示す指南書でもある。“ゴム銃”という脱力名称で侮ってはいけない。はがき一枚で作るシンプルを極めた1丁からモータードライブのマシンガン、総点数828発(!)なんてバケモノまで 載っている。

マタギのむら』 / [東京新聞] 2011/4/29

独特な狩猟の文化を持つ秋田県北部・阿仁のマタギたち。その根子集落に移り住み、古老たちの語りから、マタギや鷹匠の民俗や民話を三十年かけて集めた記録集。

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「裏日本」文化ルネッサンス』 / [出版ニュース] 2011/4/15

現代日本における「裏日本」の意味を論じ、裏日本の歴史地理的・宗教民俗学的、そして社会思想的な検討を行い、21世紀における「裏日本」文化ルネッサンスを提唱する本書は、裏日本に残る日本文化の最基層を次々に掘り起こしていく。

啄木と秋瑾』 / [図書新聞] 2011/4/12

著者は啄木歌が生まれる過程を韻字を踏む手法で解き明かしている。この観点による啄木研究はこれまでなかった。 [評者 内田弘(名古屋経済大学名誉教授)]

生涯学習論の磁場』 / [出版ニュース] 2011/4/1

マルクスの「疎外論」と、グラムシの「ヘゲモニー」、「市民社会論」をベースにして生涯学習の原理を定礎しなければならないと主張する著者は、生涯学習によって地域住民は市民に転成し、市民社会が形成されると書く。

ゴム銃大図鑑』 / [東京新聞] 2011/3/8

割り箸で輪ゴムをピューンと飛ばす「ゴム銃」で遊んだ経験のある人は多いだろう。そんなゴム銃に魅せられた人々の作品を集めた『ゴム銃大図鑑』(社会評論社)が話題を呼んでいる。2月18日に発売され、初刷りはすでに完売。書店や読者からの問い合わせも多い。本書に収録されているの は、会員数2000人以上を誇る「日本ゴム銃射撃協会」の作品246挺。ハンドメードながら、凝りに凝ったゴム銃ばかりだ=写真(ママ)。本物の 銃そっくりのものもあれば、芸術性の高いもの、100発以上発射する機関銃などもある。

超高層ビビル3』 / [プレイボーイ] 2011/3/7

「建築中の高層建築以外は全部制覇するぞ!という気持ちでいます。80m以上は全部撮りたいですね。国内だと関西圏、海外の近場だと韓国、マレー シア、シンガポール……。行きたいところがありすぎて困ってます(笑)」

マタギのむら』 / [図書新聞] 2011/3/5

日本キリスト教団の牧師であり、山谷労働者福祉会館の館長であり、また反天皇制運動家でもある小田原紀雄の対談集である。 [評者 管孝行]

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超高層ビビル3』 / [CIRCUS MAX 2011年4月号] 2011/3/1

今年12月に竣工したあかつきには、電波塔としては世界一の高さ(634m)となる「東京スカイツリー」。しかし、新シンボルタワーの出現に湧く 我々日本人をあざ笑うかのごとく、世界各地の都市では今日もとんでもないビル&タワーを建築中! いろんな意味でスカイツリーを凌駕する“世界の 超高層建築物”を、高層ビル撮影の第一人者・中谷幸司氏のコメントとともに紹介する!

ルポ 悼みの列島』 / [日中友好新聞] 2011/2/25

著者は、被害者と加害者がともに過去を正視し、未来を築いていこうという希望を、市井の人びとに見出し光りを当てた。
2010年度平和・共同ジャーナリスト基金奨励賞受賞作品。戦跡ガイドとしても読み物としてもお薦めの一冊である。

マタギのむら』 / [北羽新報] 2011/2/25

野添さんは昭和60年から阿仁町内奥深くにある根子集落に家を借り、1カ月のうち10日程度を暮らす生活を9年間にわたって続けた。

生死 (いき・しに) 叢書・いのちの民俗学3』 / [上毛新聞] 2011/2/13

「無縁社会」という言葉が生まれるようになった背景にも触れ、「伝統的な先祖観とは相いれない考えが広まっている。地域社会や家族のあり方などが 変わってしまった」と価値観の変化に危機感を募らせる。

宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン』 / [読売新聞] 2011/1/17

1977年、劇場用映画として公開され、社会現象となったのはご存じのとおりだが、当時熱狂した子どもたちはいまは社会の中核を担う存在。その作品世界と当時の時代背景を詳細に分析し、現代の社会、文化と照らし合わせて考える。

宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン』 / [赤旗] 2011/1/16

それは、単に作品の内容を時代背景とリンクさせて論じるだけでなく、個人技ではないアニメの世界を構成する、プロデューサーの思考をも含めた論考 を通して、〈ヤマト〉は戦争や死を美化するものではなく、生きることを肯定する作品であることを論証していく。 [評者 岩渕剛]

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啄木と秋瑾』 / [北海道新聞] 2011/1/16

秋瑾とは清朝末期の女性革命家。彼女の生き方や漢詩が石川啄木の短歌に与えた影響を探る異色の啄木研究書。著者は専修大名誉教授。