|刊行情報| ミャンマー「春の革命」─問われる[平和国家]日本  永井浩 /著

<エンゲージド・ブッディズム>がめざす平和・民主主義・豊かさとは何か?  アウンサンスーチーに伴走してきたジャーナリストが日本政府と軍政の共犯関係を追究する。

好評を得た『アジアと共に「もうひとつの日本」へ』に続き、わたしたち日本人に”平和”と”豊かさ”の再考をうながす好著。


“|刊行情報| ミャンマー「春の革命」─問われる[平和国家]日本  永井浩 /著” の続きを読む

|刊行情報| 歴史知の百学連環 文明を支える原初性   石塚正英/著

先史・野生の諸問題を通して現在この地球上に生きて存在する意味を問う”文明を支える原初性”シリーズ。

“|刊行情報| 歴史知の百学連環 文明を支える原初性   石塚正英/著” の続きを読む

|刊行情報| 公道~尊厳と公正を求める~ 大阪・花岡中国人強制連行国家賠償請求訴訟

“我々が求めているのは二度と人間が人間を蹂躙することを許さない、人間の尊厳を不可侵とする新しい世界だ。”

“|刊行情報| 公道~尊厳と公正を求める~ 大阪・花岡中国人強制連行国家賠償請求訴訟” の続きを読む

|刊行情報| 中国の現代化を担った日本 消し去られた日本企業の役割 西原哲也/著

半世紀たった今、甦る日中国交回復の舞台裏

建国後孤立していた中国の現代化に、日本人や日本企業はどう関わってきたのか。日本企業による奮闘の痕跡を、聞き取り調査した第一級の資料。中国ビジネス担当者、中国研究者必読。(『覚醒中国 秘められた日本企業史』2012年刊改訂保存版)

“|刊行情報| 中国の現代化を担った日本 消し去られた日本企業の役割 西原哲也/著” の続きを読む

|刊行情報| はじまりの哲学 アルチュセールとラカン 伊吹浩一/著

 掲載情報

図書新聞 2022年6月25日付書評
「コミュニズムの原動力とは何か――アルチュセールのマルクス主義理論を、それへの最も重要なインパクトとなったラカン理論の側から読み解く(伊吹浩一著『はじまりの哲学 アルチュセールとラカン』を読む)
評者◆高橋順一

http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/week_article.php


重要なのは、「はじめる」ことができる民衆の能力とパトスをまず肯定し、そこに未来を託すことである。「はじまり」という言葉にはこうした思いが込められている。

アルチュセールは「はじまり」にこだわった。「はじまり」について語れるのは哲学のみであるとし、「はじまり」に定位し、「はじまり」について語ることだけを哲学者として引き受けたのである。しかし、それでもやはり、なぜ「はじまり」なのか。それはおそらく、アレントも言うように、「はじまり」とは革命のことだからなのかもしれない。


 目 次 

[序]はじまりは困難である

 

第1章 模範的読み方 ――マルクス主義と精神分析との出会い

読むことの宗教的神話と手を切ること/イデオロギーから科学へ/精神分析を襲う諸困難/エピステモロジーの科学観――実在論の失墜、理論の優越/ラカン自身による精神分析の科学化/マルクスとフロイトとの哲学的類似性/マルクスにおける闘争―─剰余価値と階級闘争の「発見」/理論的反人間主義

第2章 イデオロギーと行為

はじめに行為ありき/身体イメージとしての身体/自我理想/一の印/パロール――確信の到来/デカルトとフロイト/無意識の主体/行為の反復とシニフィアンの連鎖の遡及的効果/後方転移の結果としての主体の自己同一性/無意味なシニフィアンへの執着

第3章 イデオロギーと身体

リビドー的身体/欲動と本能/欲動概念の変遷/身体のリビドー化/対象aを内包する身体/反復強迫と死の欲動/すべての欲動は死の欲動である/なぜ行為は反復されるのか/剰余享楽としての幻想/不安/不安と道徳法則に対する尊敬/まなざし/声/昇華/反復と偶然

第4章 国家と国家イデオロギー ――国家とは支配階級の道具である

国家とは何か/法と抑圧装置/法的イデオロギーと道徳的イデオロギー/国家のイデオロギー諸装置/抑圧装置とイデオロギー諸装置との相互補完関係/自由な主体/自由のパラドックス/〈他者〉の〈他者〉は存在しない/〈他者〉の〈他者〉は主体である/超越論的主体と対象a/自由というイデオロギー/国家のイデオロギー諸装置の脆弱性

第5章 理論と実践をめぐって

理論実践としての哲学/科学主義というイデオロギー/政治としての哲学/イデオロギーは外部を持たず、また外部でしかない/哲学的テーゼは独断的命題である/シニカルな主体/信念/イデオロギーは実践に宿る/イデオロギーの執拗さ―─欲望の原因としての対象a/何も考えずに行為せよ/具体的状況の具体的分析

第6章 いま、ここにあるコミュニズム

アルチュセールの共産主義像/パリ・コミューンと六八年〈五月革命〉/祝祭と供儀/死の禁忌/道具―─内在性の拒否/言葉は物の殺害である―─否定する力/俗なる世界の成立―─性的なものの禁忌/聖なるもの―─禁止と侵犯/贈与/至高の瞬間/資本主義的欲望を超える欲望/大衆蜂起の時代/世界を変容させる「対テロ戦争」―─戦争の常態化/防衛からセキュリティへ/軍事革命(RMA)/労働の変容―─非物質的労働の登場/〈共コモン〉とは何か/四つの鎖につながれた主体/反転の好機/〈共〉の創出としてのコミュニズム

 

終章 はじめから、はじめねばならない


*「[序]はじまりは困難である」より抜粋

「はじまり」は新しい。新しいから「はじまり」なのだ。だから、ひとを惹きつけ、魅惑する。新しくなければ魅惑することもなく、そもそもそれは「はじまり」とは言わない。こうした「はじまり」を創出することこそ、哲学の役割であり、それは哲学しか成し得ないことである。古いものと新しいものとを一刀両断に切り離し、古いものを葬り去る。そして、ここに「はじまり」が開始されたことを宣言する。たしかに、アルチュセールのやったことと言えば、これである。哲学者として、「はじまり」を創出したのである。マルクス主義者として、マルクスの新しさを人々に示そうとしたのである。マルクスの新たな「はじまり」を告げることで、人々を魅了しようとしたのだ。

本書は、アルチュセールのこうした「はじまり」をめぐる思索と実践の軌跡を、様々な角度から検討していくことを目的にする。困難な状況の中、精神分析はアルチュセールの理論活動の「はじまり」の駆動力となり、その後のアルチュセールの理論活動全体を通じて大きな参照軸として据えられ、着想の源泉となっていたが、そこにおけるラカンからの影響は特筆に値する。それは同時に、精神分析は臨床のために開発されたものではあっても、他の領域でも大きな力を発揮する、驚異的に射程の広い理論であることを証している。

しかし、アルチュセールの理論はその「はじまり」を示すことしかしなかった。そこからの前進はなされることがなかった。それゆえ、本書の目的の一つはアルチュセールが開いた端緒から、それを引き継ぎ、さらなる展開へと歩みを進めることである。とりわけアルチュセールが提起し、解明し切れなかったイデオロギーに関する問題を再度精神分析理論に接合し、徹底的に究明する企てを敢行する。


著者 伊吹浩一
哲学・倫理学・フランス現代思想。専修大学・和光大学非常勤講師。著書に『武器としての現代思想』(サイゾー)。共訳書にルイ・アルチュセール『再生産について――イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置』(平凡社ライブラリー)、ルイ・アルチュセール『精神分析講義』(作品社)、アントニオ・ネグリ『革命の秋(とき)』(世界書院)、ジャック・ランシエール『アルチュセールの教え』など。

2022年1月14日発売
はじまりの哲学 アルチュセールとラカン
伊吹浩一/著
定価=本体2500円+税 ISBN978-4-7845-1883-8 A5判並製372頁


購入サイト(外部リンク)

Amazon

|刊行情報| 朝鮮料理店・産業「慰安所」と朝鮮の女性たち 高麗博物館朝鮮女性史研究会/著

東京新聞 4月3日付「こちら特報部」で高麗博物館朝鮮女性史研究会への取材記事が掲載されました。著作『朝鮮料理店・産業「慰安所」と朝鮮の女性たち』で取り上げた歴史について紹介されています。

歴史から消されたもうひとつの「慰安所」に光をあてる。北海道から九州に至るまでの現地調査にもとづいた共同研究。

“|刊行情報| 朝鮮料理店・産業「慰安所」と朝鮮の女性たち 高麗博物館朝鮮女性史研究会/著” の続きを読む

|刊行情報| 歴史知のオントロギー 文明を支える原初性  石塚正英/著

先史・野生の諸問題を通して現在この地球上に生きて存在する意味を問う。

“|刊行情報| 歴史知のオントロギー 文明を支える原初性  石塚正英/著” の続きを読む

|刊行情報| アジアと共に「もうひとつの日本」へ(永井浩/著)社会評論社刊

書評掲載
・東京新聞 2021年8月15日掲載 「米国に偏らぬ世界認識を」[評]古関彰一氏
・社会新報 2021年10月6日掲載 「「進歩」派への「もどかしさ」」[後藤実]
・毎日新聞 2021年10月30日掲載

“|刊行情報| アジアと共に「もうひとつの日本」へ(永井浩/著)社会評論社刊” の続きを読む