飢えと子どもドロボー団─満州引き揚げからパルシステム連帯までの半生記

【内容紹介】

戦争、敗戦という稀有な体験をした世代も少なくなってきた。私は、植民地満州国の開拓団で、国民学校二年生であった。突然の価値観の転換を理解する前に、飢餓に直面した。住んでいた日本人住宅を追い出され、「満人」(と呼んでいた)の自作農の小屋に収容された。彼らの主食、粟を与えられた時は、空腹にもかかわらず喉を通らなかった。帰国までの一年三ヶ月、飢餓地獄だった。開拓団員は全員、帰国船に乗るまで、団長から渡された青酸カリを懐にしていた。

長じて私は、生活協同組合というすばらしい連帯組織に関与してきた。日本生活協同組合連合会(日本生協連)が1951年の設立総会で掲げたスローガンは「平和とよりよい生活のために」である。私の人生は良くなるであろう、と納得していた。その後、今日まで平和な時代は続いた。このまま続いてほしい。

ガザやウクライナは他人事ではない。生協は、戦争に反対する行動を起こすべきである。

本文を読まれた方が、私の半生記の中で訴えている「反戦」をくみ取っていただけるとありがたい。

──本書「はじめに」から

 

【目次】

第1章 団地の自治会から生協づくりへ

第2章「ドロボー団」結成~過酷な満州からの帰還

第3章 故郷の山形県楯岡町(現村山市)での学生時代

第4章 早稲田大学と安保闘争と社会党

第5章 生協経営の安定化と今後に向けた改革・社会的課題への挑戦

第6章 趣味について


著者:下山保(シモヤマタモツ)


 四六判並製 176頁    本体価格1800円+税

ISBN 978-4-7845-2434-1


・Amazon(単行本)

・出版書誌データベース(Books)

出稼ぎの時代から

【内容紹介】
高度成長期只中の1966年11月、山深い山形県西置賜郡白鷹町から20歳の本木勝利は仲間とともに出稼ぎに出た。行き先は川崎市北部の工事現場。前年に出稼ぎで買ったカメラを手に、過酷な仕事の合間を縫って劣悪な飯場とそこで生きる人々を活写した。そのスライドが時を経て発見されてDVDに復元され、半世紀にわたって国の政策に翻弄される農民とむらの変容を伝える映画になって大きな反響をもたらした。
「出稼ぎ」とはなんだったのか。本書は、映像にできなかった証言やその後に寄せられた資料、時代背景を纏め上げ、地方からの出稼ぎ労働が戦後の高度成長を支えた「出稼ぎの時代」を描き出す。

【目次】
第一章 出稼ぎと中卒養成工

第二章 女性と子どもたちの出稼ぎ

第三章 白鷹町青年団

第四章 田園都市線と村

第五章 出稼ぎを表現する

第六章 都市と地方の交流 その経緯と現在地

第七章 映画『出稼ぎの時代から』を撮って

資料


著者:本木勝利(モトキカツトシ)
『出稼ぎの時代から』編集委員会
(デカセギノジダイカラヘンシュウイインカイ)


A5判 並製 208頁
本体価格2000円+税
ISBN 978-4-7845-2430-3

・Amazon(単行本)

・出版書誌データベース(Books)

量子力学の陰日向──文明を支える原初性

科学技術とそれの社会への応用が日進月歩から分進秒歩へと桁違いに急展開している21 世紀の今日、現代社会がかかえている解決困難な諸問題の一つに自然観の転倒がある。・・・・科学技術至上の現代社会において、愛でて慈しむ受動共生の自然観から、抜いて消費する制御加工の自然観へと、価値意識の転倒が生じた。その過程はそれなりに人類史の長い時空といきさつを有してはいる。けれども、現代社会は20 世紀に至って、一つの決定的な、ある意味では後戻りできない段階に至った。それは、現代社会に莫大な利益をもたらすと想定される核技術(発電)と量子力学(コンピュータ)の確立によってもたらされた。だが私は、そうした利潤追求的価値意識を全面的には容認できない。一面では、文明論的倫理観の破壊的転換をもたらす元凶なのである。

(本書「はしがき」から)

目次
はしがき
第Ⅰ 部 科学者倫理をリセットする量子力学
第1章 量子世界は半メソフィジカル・バース自然世界である
第2章 学問論を軽んじる量子力学 ─古代原子論とマルクス原子論を参考に
第3章 量子力学の呪術的性格 ─妖怪呪術・商品物神・量子物神
第4章 量子力学という科学の非科学性
─〔メソフィジカル・バース〕の提唱
第5章 破壊されゆく〔実在〕観念 ─先端科学の園

第Ⅱ 部 文明を支え更新し続ける原初性
第6章 青年ヘーゲル派(前期→後期)と二〇世紀マルクス左派
第7章 文明を支える原初性
─バッハオーフェン・モーガン・マルクス・エンゲルス
第8章  エルンスト・ユンガーの内面思想 ─野生・呪術・根原をめぐって
第9章 日本文化の幹細胞たる縄文右翼文化
10章 聖ヤン・ネポムツキーの舌 ─物神崇拝

石塚正英主要著作解説(1975 ~ 2024)
あとがき
索 引

著者:石塚正英
A5判 上製 264頁   本体価格3000円+税
ISBN 978-4-7845-2815-8

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韓国の人権弁護士 軍事独裁に抗す

(紹介文)

無法な大統領を弾劾して、民衆の主権と真の民主主義を死守する韓国市民運動の力の源泉。人権弁論の法廷闘争から朴正煕独裁と情報政治に抗した70、80年代韓国民衆闘争の現場を見る。

目次
第1部 1970年代の人権弁論
第2部 1980年代の人権弁論

近日発売

語り手:洪性宇(ホン・ソンウ)、聞き手:韓寅燮(ハン・インソプ)
翻訳・解説 徐勝(ソ・スン)
A5判上製 400頁     本体3500円+税
ISBN978-4-7845-1222-5

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|紹介| 中野多恵子展 Taeko NAKANO Solo Exhibition

さいきんでは『横浜寿町』『セーチャメ 三姉妹』『脱成長のポスト資本主義』などの装丁や本文レイアウトを手掛けていただいている中野多恵子さんの個展が近く開催されますのでご案内いたします。

*会期終了しました


中野多恵子展
Taeko NAKANO Solo Exhibition

2023年8月30日(水)〜9月11日(月)
OPEN 11時〜18時/最終日16時終了/5日(火)休廊

画廊 ギャルリーヴィヴァン
〒248-0006神奈川県鎌倉市小町1-6-13 寿ハウス1F (火曜日休廊)
http://www.g-vivant.com/accese.html


中野さんからのメッセージ:

「鎌倉のギャルリーヴィヴァンで個展を開催いたします。
女性をモチーフに偶(ヒトガタ)を作っています。
興味のある方はぜひご来場ください。」


〔中野多恵子 略歴〕石川県生まれ。東京在住。金沢市立美術工芸大学油絵科卒業 京都造形芸術大学大学院修了。1987年不二画廊(大阪)以後2002・15・21ギャルリーヴィヴァン他東京・金沢・ウイーンで個展多数。1986年「日本海美術展:富山近代美術館」奨励賞受賞以後現在まで国内外のコンクールでの受賞・グループ展参加多数。