|刊行情報| 中国の現代化を担った日本 消し去られた日本企業の役割 西原哲也/著

半世紀たった今、甦る日中国交回復の舞台裏

建国後孤立していた中国の現代化に、日本人や日本企業はどう関わってきたのか。日本企業による奮闘の痕跡を、聞き取り調査した第一級の資料。中国ビジネス担当者、中国研究者必読。(『覚醒中国 秘められた日本企業史』2012年刊改訂保存版)

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|刊行情報| はじまりの哲学 アルチュセールとラカン 伊吹浩一/著

重要なのは、「はじめる」ことができる民衆の能力とパトスをまず肯定し、そこに未来を託すことである。「はじまり」という言葉にはこうした思いが込められている。

アルチュセールは「はじまり」にこだわった。「はじまり」について語れるのは哲学のみであるとし、「はじまり」に定位し、「はじまり」について語ることだけを哲学者として引き受けたのである。しかし、それでもやはり、なぜ「はじまり」なのか。それはおそらく、アレントも言うように、「はじまり」とは革命のことだからなのかもしれない。


 目 次 

[序]はじまりは困難である

 

第1章 模範的読み方 ――マルクス主義と精神分析との出会い

読むことの宗教的神話と手を切ること/イデオロギーから科学へ/精神分析を襲う諸困難/エピステモロジーの科学観――実在論の失墜、理論の優越/ラカン自身による精神分析の科学化/マルクスとフロイトとの哲学的類似性/マルクスにおける闘争―─剰余価値と階級闘争の「発見」/理論的反人間主義

第2章 イデオロギーと行為

はじめに行為ありき/身体イメージとしての身体/自我理想/一の印/パロール――確信の到来/デカルトとフロイト/無意識の主体/行為の反復とシニフィアンの連鎖の遡及的効果/後方転移の結果としての主体の自己同一性/無意味なシニフィアンへの執着

第3章 イデオロギーと身体

リビドー的身体/欲動と本能/欲動概念の変遷/身体のリビドー化/対象aを内包する身体/反復強迫と死の欲動/すべての欲動は死の欲動である/なぜ行為は反復されるのか/剰余享楽としての幻想/不安/不安と道徳法則に対する尊敬/まなざし/声/昇華/反復と偶然

第4章 国家と国家イデオロギー ――国家とは支配階級の道具である

国家とは何か/法と抑圧装置/法的イデオロギーと道徳的イデオロギー/国家のイデオロギー諸装置/抑圧装置とイデオロギー諸装置との相互補完関係/自由な主体/自由のパラドックス/〈他者〉の〈他者〉は存在しない/〈他者〉の〈他者〉は主体である/超越論的主体と対象a/自由というイデオロギー/国家のイデオロギー諸装置の脆弱性

第5章 理論と実践をめぐって

理論実践としての哲学/科学主義というイデオロギー/政治としての哲学/イデオロギーは外部を持たず、また外部でしかない/哲学的テーゼは独断的命題である/シニカルな主体/信念/イデオロギーは実践に宿る/イデオロギーの執拗さ―─欲望の原因としての対象a/何も考えずに行為せよ/具体的状況の具体的分析

第6章 いま、ここにあるコミュニズム

アルチュセールの共産主義像/パリ・コミューンと六八年〈五月革命〉/祝祭と供儀/死の禁忌/道具―─内在性の拒否/言葉は物の殺害である―─否定する力/俗なる世界の成立―─性的なものの禁忌/聖なるもの―─禁止と侵犯/贈与/至高の瞬間/資本主義的欲望を超える欲望/大衆蜂起の時代/世界を変容させる「対テロ戦争」―─戦争の常態化/防衛からセキュリティへ/軍事革命(RMA)/労働の変容―─非物質的労働の登場/〈共コモン〉とは何か/四つの鎖につながれた主体/反転の好機/〈共〉の創出としてのコミュニズム

 

終章 はじめから、はじめねばならない


*「[序]はじまりは困難である」より抜粋

「はじまり」は新しい。新しいから「はじまり」なのだ。だから、ひとを惹きつけ、魅惑する。新しくなければ魅惑することもなく、そもそもそれは「はじまり」とは言わない。こうした「はじまり」を創出することこそ、哲学の役割であり、それは哲学しか成し得ないことである。古いものと新しいものとを一刀両断に切り離し、古いものを葬り去る。そして、ここに「はじまり」が開始されたことを宣言する。たしかに、アルチュセールのやったことと言えば、これである。哲学者として、「はじまり」を創出したのである。マルクス主義者として、マルクスの新しさを人々に示そうとしたのである。マルクスの新たな「はじまり」を告げることで、人々を魅了しようとしたのだ。

本書は、アルチュセールのこうした「はじまり」をめぐる思索と実践の軌跡を、様々な角度から検討していくことを目的にする。困難な状況の中、精神分析はアルチュセールの理論活動の「はじまり」の駆動力となり、その後のアルチュセールの理論活動全体を通じて大きな参照軸として据えられ、着想の源泉となっていたが、そこにおけるラカンからの影響は特筆に値する。それは同時に、精神分析は臨床のために開発されたものではあっても、他の領域でも大きな力を発揮する、驚異的に射程の広い理論であることを証している。

しかし、アルチュセールの理論はその「はじまり」を示すことしかしなかった。そこからの前進はなされることがなかった。それゆえ、本書の目的の一つはアルチュセールが開いた端緒から、それを引き継ぎ、さらなる展開へと歩みを進めることである。とりわけアルチュセールが提起し、解明し切れなかったイデオロギーに関する問題を再度精神分析理論に接合し、徹底的に究明する企てを敢行する。


著者 伊吹浩一
哲学・倫理学・フランス現代思想。専修大学・和光大学非常勤講師。著書に『武器としての現代思想』(サイゾー)。共訳書にルイ・アルチュセール『再生産について――イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置』(平凡社ライブラリー)、ルイ・アルチュセール『精神分析講義』(作品社)、アントニオ・ネグリ『革命の秋(とき)』(世界書院)、ジャック・ランシエール『アルチュセールの教え』など。

2022年1月14日発売
はじまりの哲学 アルチュセールとラカン
伊吹浩一/著
定価=本体2500円+税 ISBN978-4-7845-1883-8 A5判並製372頁


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