転回点としての〈現代〉を問う *第一巻*「三・一一以後」の世界と〈市民社会の弁証法〉の行方

転回点としての〈現代〉を問う *第一巻*「三・一一以後」の世界と〈市民社会の弁証法〉の行方

●内容紹介
私たちが直面する状況といかに向き合うべきかを探求する、著者渾身のシリーズ第一弾。
第一次羽田闘争から佐世保・王子、新宿騒乱闘争、東大・日大闘争を頂点とする全共闘運動を体験した世代は今何を考え、後の世代に何を託そうとしているか。
21世紀は9・11「同時多発テロ」と3・11東日本大震災という、暴力と破局をはらんだ二つの象徴的出来事によって始まった。そしていまや、あるべき世界を実現する努力や、それを妨げる秩序に対する反抗が、当たり前のことではなくなっている。マネー資本主義のもと、強権と極右ポピュリズムが野合し、SNSが猛威をふるう。欲望をむき出しにすることが「ホンネ」として賞賛される一方、他者に寛容であること、弱いものに共感・共苦することが「偽善」として、侮蔑の的にされる倒錯した事態さえ生まれている。
冷戦終焉後、危機に立ち向かう思想・理論が無力となり、批判力に富んだ人文・社会科学の遺産がないがしろにされてきた。著者はその批判力の再生を目ざす。
近代思想におけるラディカルな批判者、カール・マルクス、フリードリヒ・ニーチェ、テオドーア・W・アドルノの検証を通して、産業資本主義と国民国家が誕生した19世紀、戦争と革命の世紀としての20世紀、暴力と破局の21世紀と歴史をたどり、〈転回点を迎えつつある現代〉における新たな思想・理論の可能性を追求する。

●主要目次
プロローグ 転回点、あるいは近代の終焉へ
Ⅰ.序説   ──近代市民社会の論理
Ⅱ.アドルノ ──啓蒙のパラドックス
〔補論〕アドルノのヴァーグナー論から見えてくるもの
Ⅲ.マルクス ──資本の支配
〔補論〕アルセチュールとフロイト・ラカン
──伊吹浩一『はじまりの哲学 アルセチュールとラカン』をめぐって
Ⅲ.ニーチェ ──〈近代〉の解体
〔補論第一章〕解釈と系譜学
〔補論第二章〕ニヒリ


著者:高橋順一


A5判上製 688頁  本体価格8500円+税
発売日:2026年1月20日
ISBN  978-4-7845-28210


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投稿者: 社会評論社 サイト

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