|刊行情報|「ふるさと創生」学びと結(ゆい)開拓者精神の復権 池上惇・池田清・金井萬造 /編著  

*地域・都市づくりのこれからに、
災害復興での助け合いと交流を活かす。



本書は、京都の市民大学院と阪神・淡路大震災の被災地神戸、そして東日本大震災の復興を支援してきた遠野・住田の「学びあい育ちあう」交流のなかから生まれた。この交流の背景には、京都や神戸、遠野・住田が、過去、さまざまな天災や人災などの苦難のなか、生きる道を探し求め、生き延びる力(レジリエンス)を育んできた歴史がある。本書は、三都のレジリエンスの経験と知恵に学びつつ、「人間復興」と「自立自営の開拓者精神」による「ふるさと創生」を展望することを目的としている。(本書より)


目次

1部 ふるさとの喪失と創生 

まえがき ・・・ 池田清

1 今、なぜ、「ふるさと」なのか/2 災害列島日本/3  「結」の心と災害復興

序 章 京都、神戸、遠野・住田の新・三都物語
池上惇・池田清

本書の目的/1 「都」と自由/2 神戸、京都、遠野・住田の学び合い、育ち合い―災害復興における助け合いと交流―/3 本書の構成

第1章 学習、協調、自治による「個人の尊重、生命、自由、幸福追求権」の展望
池田清

1 はじめに/2 憲法13 条「個人の尊重、生命、自由、幸福追求権」と学習/3 生命の本質 ―協調・共生と競争・闘争―/4 人間的可能性と学習/5 学習と感情、知性(理性)/6 情動、感情と知性(理性)/7 日本における個人の自立と自治の歴史と可能性/8 おわりに ―中央集権的官僚制から自治と分権へ―

 

2部 なぜ、いま、京都、神戸、遠野・住田なのか 

第2章 なぜ、いま、京都、神戸、遠野・住田なのか ―日本国土開発における三つのモデル―
池上惇・白石智宙

1 はじめに ―「巌・源流から山里を経て海に至る古代人の道」を再生する―/2 海に開かれた盆地形成の意味 ―治山治水事業による小農育成の歩み―/3. 人間発達の知識結を定着させた京都・神戸・遠野、住田/4 文化を創造する人々と職人の力量を発揮する人々/5 高天原の発見―日本固有の個性的差異を生かしあう、開かれた地域学習コミュニティ—/6 忘れられた日本人を取り戻す ―宮本常一の視点―/7 開拓者精神と生命生活を生み出す力量 ―現世で実現される高天原―/8 二宮尊徳による地域経営論の確立/9 企業経営における多様性の展開/10 財政赤字下における地域ファンド形成をめぐって/11 おわりに

第3章 京都篇 京都 ―経済観光の都市経営から文化観光の地域自治経営へ― 
池田清

1 はじめに/2 観光とは/3 京都市の観光政策の問題と課題/4 観光立国スイスのDMO と日本版DMO(京都市版DMO)/5 京都の自治の伝統と課題/6 おわりに

第4章 京都篇 京都のまちづくり・観光の伝統と文化資本を生かした地域創生へ―経済発展に合わせた発地型観光からコミュニティの自治と学び合いに寄り添う着地型観光の展開へ 
金井萬造

1 はじめに まちづくりと観光振興/2 京都のまちづくりの歴史/3 観光事業面での取り組みを振り返る/4 観光振興を生かしたまちづくりの展望―コミュニティの自治と自律に寄り添う観光まちづくり―/5 おわりに

第5章 神戸篇 神戸市都市経営と「創造的復興」の検証 ―都市経営から地域自治経営へ―
池田清

1 はじめに/2 戦後の経済成長期の都市経営/3 阪神・淡路大震災の「創造的復興」と都市経営/4 「新長田駅南地区再開発事業」の検証/5 「創造的復興」から「人間復興」へ/6 都市経営から地域自治経営へ ―「創造的復興」の教訓―/7 市民主体のまちづくりと小水力発電の取り組み/8 おわりに

第6章 神戸篇 人間の誇りを基礎に生まれた神戸教育文化協同組合
内海章・森元憲昭

1 はじめに/2 子どもの分離・分断に反対した父母たち/3 自立と協同が結合した神戸教育文化協同組合/4 分離・分断を解消する道を示した神戸教育文化協同組合(教文教)/5 教文協の新たな挑戦 ―自然環境保護運動/6 おわりに

第7章 遠野・住田篇 人間尊重における学びあい育ちあいの思想 ―源流の集落を生きる暮らしの和・作法― 
千葉修悦

1 はじめに ―自由を生みだす自然と人間―/2 この地を生きる開拓者精神/3 伝統文化を生みだす源流の風土/4 土倉集落の暮らしの和・作法/5 みんなで創る「ふるさと創生大学憲章」/6 生命体存続の真理/7 おわりに ―「いのち」の永久の循環―

第8章 遠野・住田篇 今を生きる『遠野物語』と「ふるさと創生大学」の展望
藤井洋治

1 はじめに ―忘れ物探し『遠野物語』―/2 『遠野物語』を巡る背景/3 『遠野物語』に学ぶ、今と未来の暮らし方/4 繭に救われた歴史『遠野物語』/5 ふるさと創生大学の創設と『遠野物語』/6 「体験学習重視」のふるさと創生大学/7 ふるさと創生大学「体験学習論」/8 教え子に見る「はかれない学力」/9 ―今が推し! 通信で大学卒業を―/10 おわりに 住民に生きる誇りを

第9章 遠野・住田篇 遠野から考える内発的発展
白石智宙

1 内発的発展論/2 遠野市の概要と文化観光/3 遠野産直/4 考察

 

3部 ふるさと創生の展望 

終 章 「ふるさと創生」の展望 
池上惇

1 はじめに ―ふるさと創生経営を求めての旅―/2 阪神淡路大震災・東日本大震災からの復興に学ぶ/3 日本環境経済学が拓いた道―公正な市場経済と、市民活動など非商品化世界を総合化する経済学を求めて―/4 国家破産からの再生と、ケインズ革命を超える/5 おわりに ―都市と地域の永続的発展を実現するには―

座談会「京都、遠野・住田、神戸の三都物語」
出席者 藤井洋治・千葉修悦・越智和子・池上惇・金井萬造・池田清


編著者

池上惇 
1933年大阪市生まれ。京都大学名誉教授。現在、国際文化政策研究教育学会名誉会長。 著書に、『財政学』(岩波書店)、『文化と固有価値の経済学』(岩波書店)、『学習社会の創造』(京都大学学術出版会)など多数。 

池田清 
1947年大阪市生まれ。京都大学大学院経済研究科博士課程修了、経済学博士(京都大学)民間企業、役所勤務を経て北九州市立大学法学部教授、下関市立大学経済学部教授、神戸松蔭女子学院大学教授を歴任。現在、国際文化政策研究教育学会理事。著書に、『神戸都市財政の研究』(学文社)、『創造的地方自治と地域再生』(日本経済評論社)、『災害資本主義と復興災害』(水曜社)、「被災地は再生したのか」岩波書店『世界』など多数。 

金井萬造 
1943年大阪市生まれ。京都大学工学研究科土木工学専攻修士課程修了。現在、立命館大学客員教授。著書に、『関西州ビジョンの提案』(共著)、『これでわかる!着地型観光―地域が主役のツーリズム「着地型観光と地域資源の活用」』(共著)。

 

2022年11月16日刊
「ふるさと創生」学びと結 開拓者精神の復権
京都 神戸 遠野・住田からの問いかけ
池上惇・池田清・金井萬造 /編著
定価=本体1800円+税 ISBN978-4-7845-1757-2 A5判並製200頁


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投稿者: 社会評論社 特設サイト 目録準備室

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