|刊行情報| レッド・アーカイヴズ 奥浩平 青春の墓標/ 近過去 奥浩平への手紙/ 奥浩平がいた 私的覚書/ 地下潜行 高田裕子のバラード/党はどこへ行ったのか 私と革共同

高田武の分け火は時に大きく燃えあがり、渦を巻き、ゆらぎ、時にゴウッと音を立てたりします。岩本愼三郎の炎は静かに、しかし、力強く、ジジジッと音を立てたりしながら燃え続けています。斉藤政明の火は西国の孤島の灯台の明かりとなって、少年たちの舟の行く手を照らしています。私の火種はといえば、腰の火縄に移されて、しかるべき時に備えています。

川口顕
本書「レッド・アーカイヴズ 顛末記」より


目次

第Ⅰ部 私と革共同  ―光と影の幾歳月

第1章 革共同全国委員会の出発── 六〇年安保闘争と三全総
第2章 七〇年安保・沖縄闘争という挑戦
第3章 いわゆる「内ゲバ」について
第4章 三里塚二期攻防と先制的内戦戦略
第5章 国鉄分割・民営化と「戦後政治の総決算」
第6章 国鉄一〇四七名闘争始末期── 革共同の失われた三〇年 ①
第7章 安保再定義と百万人署名運動── 革共同の失われた三〇年 ②

第Ⅱ部 革共同の諸問題

第1章 共産主義的政治をとりもどす─ 松本意見書 №1
第2章 革共同全国委員会の歴史と教訓─ 松本意見書 №2
第3章 迷走する「綱領草案── あるいは革共同の墓標
第4章 二重の敗北としての国鉄一〇四七名「和解」
第5章 党はどこへ行ったのか──「党の革命」「党の階級移行」という茶番劇について

第Ⅲ部 現代社会を読む─『ピスカートル』からの抜粋

「太陽をとらえた」近代科学の果てに/経産省前テントをめぐる裁判闘争/原子力ムラの闇を照らした光/東京都知事選挙の悲劇と喜劇/憲法と戦争と沖縄/国家緊急権と立憲主義の死/人智をこえた人災から何を学ぶか/菅政権という末期症状/コロナ敗戦と亡国五輪/連合べったりで自滅する立憲/泥沼化するウクライナ戦争と世界大戦の危機/化けの皮が剥がれた自民党政治/GAZA 大量虐殺の果てに

レッド・アーカイブス 顛末記(川口 顕)


著者 岩本愼三郎 いわもと しんざぶろう
1940年生。59年に東京工業大学に入学。その直後に革共同全国委員会に加盟。2008年に革共同を離党。


RED ARCHIVES 05


2024年1月16日刊行
党はどこへ行ったのか 私と革共同
<レッド・アーカイヴズ05>
岩本愼三郎/著
定価=本体3000円+税 ISBN978-4-7845-9224-1 四六判並製376頁

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<レッド・アーカイヴズ>

過去を書かず、語らず、墓場まですべての経験は持っていく、と決めた人もあり、党派抗争の実体はいまだことばにならない…という人もいます。「死後開封」と封印した記録もあります。「レッド・アーカイヴズ」と銘うったこのシリーズは、反体制運動の中でのさまざまな闘争の到達点、あるいは「負の経験」について当事者の言葉で記録し、かれらがもう一度、このうとましくも非人間化した世界を投げ返す活動力を発揮して、もっと語りつくしていくこと、その体験をつないでいくことを願うものです。

 


RED ARCHIVES 04



地下潜行/高田裕子のバラード <レッド・アーカイヴズ04>
高田 武  著
(たかだ・たけし)1938年青森市生まれ。敗戦の年、家族と北海道へ疎開し、中学2年のとき青森にも戻り浪岡に住む。自衛隊へ入隊したが、父の病気で除隊し写真屋を継ぐ。1961年に、川崎のプレス工業に就職し京浜協働劇団に入団。66年、慈恵医大労組の書記となり、革共同全国委員会に加盟。69年11月決戦と東京駅における革マルとの集団戦で、それぞれ1年余の未決拘留を受ける。1972年、慶應大学生から慈恵生協の職員になった奥村裕子と結婚する。裕子は革命軍へ、武は非公然活動を担う。86年に武が全国指名手配され、裕子は岩手爆取りで逮捕され8年の未決拘留。2000年に武が浮上したが、2年後に2人とも組織から追放される。12年7月、裕子が病没。

高田裕子は爆取違反容疑で8年の未決収監。武は15年間の地下生活を貫き、権力の追手を退ける。中核派はなぜかかれらを排斥する。闘い抜き、愛し合い、添い遂げた、たぐいまれな2人の物語。(2012年7月、高田裕子病没)
この国の革命運動がどこまで行ったか、それは重大なことだが、武と裕子の二人がその後どこまで誠実に生き抜いたかは、もっと大事なことじゃないか───。

ISBN978-4-7845-9223-4 定価=本体2,700円+税 四六判並製367頁 2018年10月刊

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RED ARCHIVES 03



奥浩平がいた  —私的覚書 <レッド・アーカイヴズ03>
齊藤政明  著

(さいとう・まさあき) ポスト60年安保世代の学生たち。大学管理法、日韓条約、砂川・三里塚そして沖縄、ベトナム反戦を基底に再建の途につく全学連。著者は奥浩平とともに横市大学生運動を担い、その後、革共同九州地方委員会のリーダーとして、1970年代の政治的激動の時代を駆け抜ける。

1962年春、鹿児島からひとりの若者が横浜市立大学に入学した。全世界的なヌーベルバークの奔流が、芸術・思想にあふれる時代。戦闘的学生運動の再建をとおして、新たな革命の道を模索する横浜市大生の青春群像が繰り広げられる。そして奥浩平の自殺と党派間抗争…。ひたむきに社会と政治に向き合う自己史の記録が、繰り返される歴史の今に蘇る。

ISBN978-4-7845-9222-7 定価=本体2,200円+税 四六判並製320頁 2017年12月刊

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RED ARCHIVES 02



近過去 奥浩平への手紙 <レッド・アーカイヴズ02>
川口 顕  著

(かわぐち あきら) 1943年東京品川区に生まれる。都立小山台高校をへて横浜市立大学文理学部入学。1965年~1975年革共同全国委員会常任。その間約5年間は獄中。1979年組織を離脱。以後、20年間広告ディレクターを務める。

かれらとの出会いの火花が Kの実存に光をあてる──
愛と革命に青春の墓標をきざんだ奥浩平 個に死し類に生きた本多延嘉 『無知の涙』を贖罪の書とした永山則夫
奥浩平にオルグされて中核派に参加した横浜市大の同級生Kが、浩平に出会うまでの自分史とその後の闘い(10・8羽田、1・18東大闘争など)によって5年余の懲役刑に服していく獄中記を中心にした回想記。

定価=本体2000円+税 ISBN978-4-7845-9221-0 四六版並製288頁
2016年刊

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RED ARCHIVES 01



奥浩平 青春の墓標 <レッド・アーカイヴズ01>
レッド・アーカイヴズ刊行会(代表:川口顕)【編】

(おくこうへい) 1943年生まれ。1960年、都立青山高校二年生の時、安保阻止高校生会議のデモに参加。六・一五国会デモで虐殺された樺美智子の死に衝撃を受ける。1963年横浜市立大学に入学後、マルクス主義学生同盟中核派に加盟。原子力潜水艦寄港阻止闘争やベトナム反戰闘争に参加し、四分五裂状況にある学生運動の戦闘的再建にむけて献身的に活動。1965年2月、椎名外相訪韓阻止羽田闘争で、機動隊の警棒で鼻を負傷。退院の10日目、21歳と6カ月の熾烈な短い生を自ら断つ。ピンクの一輪のカーネーションが手に握られていた。遺書はなかったが、生前に書き記したノートと書簡をもとに、兄・奧紳平氏によって、『青春の墓標—ある学生活動家の愛と死』(文藝春秋、1965年10月)が刊行された。この本は当時の若者たちに感動的な反響を呼び、つかこうへい、高野悦子、穂坂久仁雄、高木茂、中野翠、滝沢克己らさまざまな人によって論じられた。語り継がれる永遠の「青春の記録」である。

愛と革命のコリーダ。語り継がれる永遠の「青春の記録」。

第Ⅰ部 奥浩平『青春の墓標─ある学生活動家の愛と死』
(文藝春秋、1965年10月刊)の復刻。

第Ⅱ部 奧浩平を読む
【1】『奥浩平 青春の墓標』刊行にあたって
【2】奥浩平の今 同時代人座談会
【3】幻想の奧浩平 川口 顕
【4】『青春の墓標』をめぐるアンソロジー

定価=本体2300円+税 ISBN978-4-7845-9220-3 四六版並製416頁
2015年刊

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投稿者: 社会評論社 サイト

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